日本コロムビアの「CREST1000」作品紹介(その2:No.6〜10)
「CREST1000」No.6〜10 |
No.6■マーラー:大地の歌(COCO-70406)
エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
ヤルド・ヴァン・ネス(メゾ・ソプラノ)
ペーター・シュライアー(テノール)
録音:1988年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術特選
マーラーの創作におけるふたつの流れ、交響曲と歌曲が対等に融合した傑作。精緻な演奏の中に、マーラーが東洋の詩に託した深い死生観が静かに描かれ、交響曲としてのドラマも十分に描かれる。意外にもはじめてこの曲を歌うことになったシュライアーと、当時まだ新進であったネスの歌も演奏に同化、深い感動の世界に誘う。
No.7■ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調「革命」(COCO-70407)
エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
録音:1988年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術特選
ポスト・マーラーの筆頭に挙げられる作曲家の代表作。作品の背後に隠された政治体制に翻弄される音楽家の苦悩、良心と抵抗をインバルは深く掘り下げている。インバルの手腕・美点が発揮された明晰かつ陰影豊かな演奏。
No.8■ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」
モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」(COCO-70408)
ラファエル・クーベリック指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1991年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術準推薦
90年、40数年ぶりに“プラハの春”音楽祭に出演して全世界を感動の渦に巻き込んだクーベリックが、その1年後に再びチェコ・フィルを振った貴重なライヴ録音。クーベリックは慣習に流されず新鮮な感動にみちた「新世界」像を構築、チェコ・フィルが持てる力の限りを尽くしてこれに応えている。両者がともに音楽する喜びを深く感じている、すばらしく凝縮した“時”が刻まれた作品。
No.9■ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 作品46&72(全曲)(COCO-70409)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1985年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術特選/朝日試聴室推薦
チェコの誇る最後の巨匠であったノイマンは95年に惜しまれつつ他界した。この録音は同コンビによる2度目の全集で、発売以来同曲の決定盤として定評のあるもの。スラヴの語法を肌で感じながら演奏する彼等の演奏には抜群の説得力があふれている。ノイマンのもとで黄金時代を迎えていたチェコ・フィルの音色美と機能美を100%生かしきった充実の名演。
No.10■スメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲)(COCO-70410)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1975年[アナログ録音+MS/20ビット・プロセッシング]
推薦:レコード芸術推薦/朝日試聴室推薦
チェコ音楽の代名詞ともいうべきスメタナの傑作。ノイマンは3度この作品を録音しているが、これは第2回目の録音。後のライヴ盤に比べてより格調が高く彫りの深い表現が特徴。スプラフォンのオリジナル・マスターから20ビット・リマスタリングを行なったテープを使用。