ケーブルブランド探訪記(AUDIOQUEST編その3「Everest」)
Everest ¥1,300,000(2mペア) |
同社の最高峰の音質をぜひとも味わっていただきたい。なおこの「Everest」も8月21日発売の『オーディオアクセサリー110号』にて詳細な音質レポートを掲載しているので、ぜひともご参照いただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
●DBS技術について
オーディオクエスト社が開発した新技術DBSとはダイエレクトリック・バイアス・システム(誘電体バイアス・システム)の略称であり、同社が特許出願中の全く新しいケーブルテクノロジーである。同技術の最大のポイントについて開発者であり、同ブランドの総帥ビル・ロウ氏はこう語る。以下は同氏のコメントである。
●ビル・ロウ氏によるDBSに関する解説
絶縁体がケーブルのパフォーマンスに及ぼす影響については一応誰もが知っています。真空以外のどんな絶縁体も完全ではなく、「誘電体」といえます。絶縁体はすべて電界中にあれば誘電体となります。理想的で完全な絶縁体と誘電体の違いは、歪みと損失です。
「誘電体の使用」によって生じる最も大きな問題は、誘電体が安定するのに十分な電圧を十分な時間加えていない場合に起こります。電子機器やケーブルは、最大のパフォーマンスを出せるようになるまでは2週間は連続して電源を投入しておかなければならないのですが、この理由を説明するために「ブレークイン」という間違った用語がよく用いられています。 「ブレークイン」とは、正確にはモーターやスピーカー・サスペンションなどの機械的現象に用いる用語です。ケーブルやコンデンサーは「ブレークイン」しません。そうではなく、その「誘電体の形態」において誘電体物質が帯電状態に適応するのに時間がかかるということなのです。
たまにしか音楽を聴かない「頭の固い」エンジニアから、暗闇の中で聴きまくる熱狂的音楽愛好家まで、AudioQuestの特許出願中のダイエレクトリック・バイアス・システム (DBS) は、ケーブルを端末処理してから連続して、ケーブルのすべての誘電体を比較的高いDC電圧の場に置きます。非常にシンプルなこの設計では、陽極用のワイヤーをケーブルの中心に入れてあり、このワイヤーはDBS電池パックのプラス (+) 側に接続されています。このワイヤーは信号経路と独立しているので、信号と相互干渉し合うことはありません。
インターコネクト(アナログまたはデジタル)ケーブルやスピーカーケーブルでは、既存のシールドや導体の外部スパイラル部分をDBS電池パックのマイナス (-) に接続して、DBS陰極として使用します。ケーブルの種類によっては外部導電層のないものもあるので、その場合にはDBSシステムのグラウンド層として使用するためにシールドのような導体を追加します。外部導体があるケーブルでは、これらの導体がDBS陰極、および通常の機能としてのシールドまたはマイナス導体として同時に機能するので、コストの節減にもなります。電池は誘電体にDC電圧を加えているだけです。したがって、信号フローとの相互干渉は全くなく、また、信号経路にDC阻止用のコンデンサーなど余分な接続を行う必要はありません。電池(1つまたは複数)自体は電流が流れないので、保存ケースに置いてある電池と同じぐらい長持ちします。もっとも、DBSパックにはボタンとLEDがあるので、電池の状態を確認することもできます。
通常使用される電圧よりもかなり高い電圧で誘電体のバイアスを維持することにより、大きな利点が得られます。最大音量で使用のオーディオ用ケーブルやピンクノイズが常に流れているケーブルでも、完全に安定した誘電体を形成することはできません。新品の製品と使用中の製品、あるいは購入してから2週間使わなかった製品と購入直後から使った製品の、2週間後のパフォーマンスの大きな違いを体験したことがおありでしょうか?・・・想像してください。これと同じようにパフォーマンスは2倍にも3倍にも向上するのです。
この現象を説明する新しい言葉はありません。これは従来のパフォーマンス向上を超えるものです。AudioQuestの DBSケーブルを使用する機会があれば、その時の皆さんの反応は、私が最初の試作品を自分のシステムで試したときと同じものになるでしょう。「すごい!」・・・極めて効果的
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