ビクター、14.5cmウーファー搭載のウッドコーン最上位SP「SX-WD500」を発売
日本ビクター(株)は、木を振動板に採用した同社独自技術“ウッドコーンスピーカー”の最上位機として、「SX-WD500」を11月上旬に発売する。価格は149,940円(1本・税込)。
同時に、WD500との組み合わせに最適な、別売りのスピーカースタンド「LS-M5」も発売される。価格は74,550円(ペア・税込)。
2004年に発売した「SX-WD5」「SX-WD8」、2005年に発売した「SX-WD10」に続くウッドコーンスピーカー最新モデル。本物志向を追求するハイファイユーザーや音楽ファンを対象に開発した高品位モデルで、ウッドコーンとしては最大口径となる、14.5cmの振動板を新たに開発した。厚みのある中低域を実現したほか、コーンの軽量化も図り、能率を向上させた。
ウーファーのエッジは軽量・低損失のEPDMフォームラバー。磁気回路には粘りやコクのある音が特徴のアルニコ内磁型を採用し、マグネットサイズはφ45mm×30mm。
ウーファーとの音色を揃えるため、トゥイーターにもウーファーと同じウッドの振動板を採用。0.11mmの振動板を2枚貼り合わせ、厚さはこれまでの0.28mmから0.22mmとした。質量も0.14gから0.1gへ、40%の軽量化を図った。磁気回路は低歪のネオジウムマグネットを用い、16kGの磁束密度で駆動する。
ネットワークは、ウッドの個性的な音色をそのまま出すことをコンセプトにし、ネットワークで色づけしないという方針で開発した。このためシンプルなネットワーク構成としたほか、無酸素銅線、PPフィルムコンデンサーなど、開発者が耳で選んだ素直の音色のパーツを採用。またネットワークボードはローパス側とハイパス側を完全分離し、相互干渉を減少させている。
キャビネットのフロントバッフルにはホワイトシカモアの突板を使用。天板と裏側面にはメープルの突板を使用する。塗装は全光沢仕上げで、塗装工程は20工程以上、都合6回の塗装が行われる。
キャビネット構造は、ピアノの力木や弦楽器の魂柱を参考に、各部の強度分布の設定と各部材の固有振動を設定。各部の板厚を変えて振動を分散させ、背面に振動を逃がす構造とした。ラウンド形状が用いられているのも、単なるデザイン上の処理ではなく、ディフラクションを考慮した結果という。
背面のスピーカー端子は真鍮削り出し。ショートワイヤーには内部配線と同じワイヤーを4本使用している。また、2本ずつ縒り方向を変えてインダクタンスを打ち消すなどの工夫も施している。
底面には真鍮削り出しのフットを装備。回転させてがたつきを調整する機能を備える。
<編集部の視点>
型番を2桁から3桁に変えたことからも分かるとおり、これまでのウッドコーンスピーカーからグレードが1ランク上がった製品が「SX-WD500」だ。ウッドコーンは口径を大きくすることが難しく、今回14.5cmに口径を上げたのも、技術的な難易度が相当高かったという。ペアで30万円程度の値付けはミドルクラスに属するが、価格に見合うだけの仕上げや技術を備えており、あとは音質に対する評価がポイントになるだろう。ハイファイオーディオファンがウッドコーンをどう評価するか、今後の動向を注視したい。
(Phile-web編集部)
同時に、WD500との組み合わせに最適な、別売りのスピーカースタンド「LS-M5」も発売される。価格は74,550円(ペア・税込)。
2004年に発売した「SX-WD5」「SX-WD8」、2005年に発売した「SX-WD10」に続くウッドコーンスピーカー最新モデル。本物志向を追求するハイファイユーザーや音楽ファンを対象に開発した高品位モデルで、ウッドコーンとしては最大口径となる、14.5cmの振動板を新たに開発した。厚みのある中低域を実現したほか、コーンの軽量化も図り、能率を向上させた。
ウーファーのエッジは軽量・低損失のEPDMフォームラバー。磁気回路には粘りやコクのある音が特徴のアルニコ内磁型を採用し、マグネットサイズはφ45mm×30mm。
ウーファーとの音色を揃えるため、トゥイーターにもウーファーと同じウッドの振動板を採用。0.11mmの振動板を2枚貼り合わせ、厚さはこれまでの0.28mmから0.22mmとした。質量も0.14gから0.1gへ、40%の軽量化を図った。磁気回路は低歪のネオジウムマグネットを用い、16kGの磁束密度で駆動する。
ネットワークは、ウッドの個性的な音色をそのまま出すことをコンセプトにし、ネットワークで色づけしないという方針で開発した。このためシンプルなネットワーク構成としたほか、無酸素銅線、PPフィルムコンデンサーなど、開発者が耳で選んだ素直の音色のパーツを採用。またネットワークボードはローパス側とハイパス側を完全分離し、相互干渉を減少させている。
キャビネットのフロントバッフルにはホワイトシカモアの突板を使用。天板と裏側面にはメープルの突板を使用する。塗装は全光沢仕上げで、塗装工程は20工程以上、都合6回の塗装が行われる。
キャビネット構造は、ピアノの力木や弦楽器の魂柱を参考に、各部の強度分布の設定と各部材の固有振動を設定。各部の板厚を変えて振動を分散させ、背面に振動を逃がす構造とした。ラウンド形状が用いられているのも、単なるデザイン上の処理ではなく、ディフラクションを考慮した結果という。
背面のスピーカー端子は真鍮削り出し。ショートワイヤーには内部配線と同じワイヤーを4本使用している。また、2本ずつ縒り方向を変えてインダクタンスを打ち消すなどの工夫も施している。
底面には真鍮削り出しのフットを装備。回転させてがたつきを調整する機能を備える。
<編集部の視点>
型番を2桁から3桁に変えたことからも分かるとおり、これまでのウッドコーンスピーカーからグレードが1ランク上がった製品が「SX-WD500」だ。ウッドコーンは口径を大きくすることが難しく、今回14.5cmに口径を上げたのも、技術的な難易度が相当高かったという。ペアで30万円程度の値付けはミドルクラスに属するが、価格に見合うだけの仕上げや技術を備えており、あとは音質に対する評価がポイントになるだろう。ハイファイオーディオファンがウッドコーンをどう評価するか、今後の動向を注視したい。
(Phile-web編集部)
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