<TIAS2006:ナスペック>人気急上昇のダールジールから登場したプリアンプNHB-18NS
そうはいっても、ダールジールの設計方針は取り立てて奇をてらったようなものではない。1にシンプルで、2に純粋で、3に信頼性が高い、という3つの項目で表されるものであるという。1については、とにかく余分なものを排除すること。パワーアンプNHB-108は、わずか14個のトランジスターを用い、考えられる限り最短の信号経路で構築されているという。
2については、スイッチ、コネクター、ヒューズ、リレー類を必要最小限にするということだ。また、オーバーオールのNFBをゼロとし、ごく小規模かつ部分的なもののみを用いるというのも、信号の純粋性を高める手法といえるだろう。3については、極力珍しい部品を使わないことがポイントという。スイッチ類は何とON/OFF100万回の寿命を持つものを採用、トータルで製品の寿命は約20~40年程度と見積もっているというから驚く。
そんなダールジールから登場したプリアンプNHB-18NSは、やはり一般的なボリュームやロータリースイッチなどを経由しないシンプルで短い信号経路が特徴だ。セレクターまでの回路にすべてゲインを持たせてその後に切り替え、最後に音量を調整するという、コストがかかるがDレンジを大きく採れる方法が採用されているのも見逃せない。電源はバッテリー方式が採用されている。
会場では、これも近年評価がうなぎ登りの米ジョセフ・オーディオ社のスピーカーと組み合わせて聴くことができる。この両者による、現代の最高峰の一つといって間違いないサウンドは、ぜひとも体験しておきたい。
(炭山アキラ プロフィール)
TIAS2006report