VGP2007SUMMERを受賞した電源ノイズリダクション製品「Noise Harvester」を福田雅光氏が体験
PS AUDIOの電源ノイズリダクション製品「Noise Harvester(ノイズ・ハーベスター)」が、ビジュアルグランプリ2007 SUMMER(ホームシアターアクセサリー分野)を受賞した。本製品は、コンセントに差し込むだけで高周波ノイズを発散してくれる画期的なアイテムだ。
量販店やオーディオ専門店など多くの審査協力店からの圧倒的な支持を受けて受賞したNoise Harvesterは、“入門クラスの手軽さ”と“上級者向けの効果”を両立したのが大きな特徴。コンセントの空き端子に差し込むだけで、電源経路に含まれる高周波ノイズを吸収、排除することができる。今回、実際にその効果を試した福田雅光氏の製品レポートで、その高いパフォーマンスを振り返る。
【オーディオ評論家 福田雅光氏のNoise Harvester 試用レポート】
■電源周りの安定化は初期の対策がお薦め
アンプが動作してスピーカーから音が再生される。この再生エネルギーの元になるのが信号入力と電源入力である。この二つの入力はまったく異なる役割を持っているが、増幅して出力される信号の品質は、半々ぐらいの影響力で合成されたものと現在では考えられている。つまり電源の影響力はそれほど大きいということだ。最終的に回路で使われる電圧は機器内部で作られるが、音質に関係する電源とは、もっとさかのぼった部分まで含まれている。電源ケーブル、コンセントボックス、壁コンセントといったパーツが「電源の質」を大きく左右し、そのために使われている導体や電極材、メッキ、素材の剛性などを重視したオーディオグレードが開発されるようになった。こうした電源の供給系は、適した対策を取ることで音質を高度に安定させることができる。よって電源周りの強化は初期に検討することが薦められる。
さらにもう一歩質を高めるには、ある種のノイズ成分による影響を効果的に排除するためフィルター的な機能を持つ製品の助けが必要になってくる。一般的に電源経路に含まれるノイズは外部から侵入すると考えられているが、オーディオ機器から発せする成分が影響していることもある。したがって外部に対して防波堤を構築しても十分とはいえない。そこで、意外に効果的なのが並列型のノイズフィルターだ。このタイプは電源の2線間にノイズを吸収する素子を接続する構造であるため、どこでも簡単に装着でき、副作用が発生しにくいのも特徴である。
■手軽に高周波ノイズを除去。電源の安定化に効果大の製品
ノイズ・ハーベスターはアンプ、電源装置、電源ケーブルなどを主力製品にしている米PSオーディオが開発。コンセントの空き端子に装着して使う簡単で手頃な価格の並列型ノイズフィルターである。小型ケースの内部はミニトロイダルトランス、コンデンサー、抵抗、ダイオードなど18個の電子部品で構成。この種の製品の中では部品数も多く凝った作りだ。高周波ノイズが一定量蓄積されると上部のLEDがブルーに点滅する仕組みも興味深い。点滅の度合いは装着する場所によって変化。実際のノイズ除去作用は連続的に動作しており、電源経路に含まれる高周波ノイズを吸収、排除する製品である。
■入門クラスの手軽さと上級者向けの効果を両立
試用した筆者の環境はノイズ感で困っているわけではない。一般に電源系にノイズが含まれていたとしても、聴感的にノイズが発生することはなく、多くはくもり、微細な濁りとして影響していることが普通である。
ノイズ・ハーベスターを装着すると、この緩みやくもりが減少、サウンドがすっきりと表現される。低音は引き締まる傾向で力強く、制動力を強化する。中高域は繊細な情報がはっきりするため解像度が高くなる。音の精度が微細な倍音スペクトラムまで克明に冴えてくる効果である。サウンド全体にぼけ味が少なくなることから正確に表現されることが魅力だ。
帯域が狭くなるような、そして解像度があまく変化するような副作用が発生しないことも、安心して常用するには重要な要素である。ある種のカラーレーションの添加、バランスの変化もみられない。ノイズ・ハーベスターは、現状のバランスをキープして、S/N表現の精度を高める効果にポイントがあり、入門クラスから使える手軽さと、上級マニアにも薦められる効果を備えた製品といえる。
【→ 完実電気(株)ホームページ】
【→ 製品データベース「Noise Harvester」】
福田雅光 Masamitsu Fukuda
「季刊・オーディオアクセサリー」の創刊以前より評論活動を行ってきたオーディオ界の重鎮。ピュアオーディオ主体に高純度、リアルサウンドを追求。アクセサリーを重視したオーディオシステムの構築というコンセプトを軸に、電源やオーディオケーブルの研究にも早期から着手。検証をベースにした厳しい視点が、読者との信頼関係を結ぶ絆になるというのがポリシー。
量販店やオーディオ専門店など多くの審査協力店からの圧倒的な支持を受けて受賞したNoise Harvesterは、“入門クラスの手軽さ”と“上級者向けの効果”を両立したのが大きな特徴。コンセントの空き端子に差し込むだけで、電源経路に含まれる高周波ノイズを吸収、排除することができる。今回、実際にその効果を試した福田雅光氏の製品レポートで、その高いパフォーマンスを振り返る。
【オーディオ評論家 福田雅光氏のNoise Harvester 試用レポート】
■電源周りの安定化は初期の対策がお薦め
アンプが動作してスピーカーから音が再生される。この再生エネルギーの元になるのが信号入力と電源入力である。この二つの入力はまったく異なる役割を持っているが、増幅して出力される信号の品質は、半々ぐらいの影響力で合成されたものと現在では考えられている。つまり電源の影響力はそれほど大きいということだ。最終的に回路で使われる電圧は機器内部で作られるが、音質に関係する電源とは、もっとさかのぼった部分まで含まれている。電源ケーブル、コンセントボックス、壁コンセントといったパーツが「電源の質」を大きく左右し、そのために使われている導体や電極材、メッキ、素材の剛性などを重視したオーディオグレードが開発されるようになった。こうした電源の供給系は、適した対策を取ることで音質を高度に安定させることができる。よって電源周りの強化は初期に検討することが薦められる。
さらにもう一歩質を高めるには、ある種のノイズ成分による影響を効果的に排除するためフィルター的な機能を持つ製品の助けが必要になってくる。一般的に電源経路に含まれるノイズは外部から侵入すると考えられているが、オーディオ機器から発せする成分が影響していることもある。したがって外部に対して防波堤を構築しても十分とはいえない。そこで、意外に効果的なのが並列型のノイズフィルターだ。このタイプは電源の2線間にノイズを吸収する素子を接続する構造であるため、どこでも簡単に装着でき、副作用が発生しにくいのも特徴である。
■手軽に高周波ノイズを除去。電源の安定化に効果大の製品
ノイズ・ハーベスターはアンプ、電源装置、電源ケーブルなどを主力製品にしている米PSオーディオが開発。コンセントの空き端子に装着して使う簡単で手頃な価格の並列型ノイズフィルターである。小型ケースの内部はミニトロイダルトランス、コンデンサー、抵抗、ダイオードなど18個の電子部品で構成。この種の製品の中では部品数も多く凝った作りだ。高周波ノイズが一定量蓄積されると上部のLEDがブルーに点滅する仕組みも興味深い。点滅の度合いは装着する場所によって変化。実際のノイズ除去作用は連続的に動作しており、電源経路に含まれる高周波ノイズを吸収、排除する製品である。
■入門クラスの手軽さと上級者向けの効果を両立
試用した筆者の環境はノイズ感で困っているわけではない。一般に電源系にノイズが含まれていたとしても、聴感的にノイズが発生することはなく、多くはくもり、微細な濁りとして影響していることが普通である。
ノイズ・ハーベスターを装着すると、この緩みやくもりが減少、サウンドがすっきりと表現される。低音は引き締まる傾向で力強く、制動力を強化する。中高域は繊細な情報がはっきりするため解像度が高くなる。音の精度が微細な倍音スペクトラムまで克明に冴えてくる効果である。サウンド全体にぼけ味が少なくなることから正確に表現されることが魅力だ。
帯域が狭くなるような、そして解像度があまく変化するような副作用が発生しないことも、安心して常用するには重要な要素である。ある種のカラーレーションの添加、バランスの変化もみられない。ノイズ・ハーベスターは、現状のバランスをキープして、S/N表現の精度を高める効果にポイントがあり、入門クラスから使える手軽さと、上級マニアにも薦められる効果を備えた製品といえる。
【→ 完実電気(株)ホームページ】
【→ 製品データベース「Noise Harvester」】
「季刊・オーディオアクセサリー」の創刊以前より評論活動を行ってきたオーディオ界の重鎮。ピュアオーディオ主体に高純度、リアルサウンドを追求。アクセサリーを重視したオーディオシステムの構築というコンセプトを軸に、電源やオーディオケーブルの研究にも早期から着手。検証をベースにした厳しい視点が、読者との信頼関係を結ぶ絆になるというのがポリシー。
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