プリアンプは192kHz/32ビット対応USB-DAC内蔵

オンキヨー、セパレートアンプ/CDプレーヤーを正式発表 - 新開発「DIDRC」回路を搭載

公開日 2010/11/17 15:05 ファイル・ウェブ編集部
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上からCDプレーヤー「C-7000R」、プリアンプ「P-3000R」、パワーアンプ「M-5000R」
オンキヨーは、IFAやハイエンドショウトウキョウに出展していたセパレートアンプとCDプレーヤーの国内販売を正式に発表した。12月18日に発売する。

発売する3製品の価格と発売日は以下の通り。

・プリアンプ「P-3000R」¥189,000(税込)
・パワーアンプ「M-5000R」¥273,000(税込)
・CDプレーヤー「C-7000R」¥128,000(税込)

3機種は、Integra P-388/M-588が生産完了してから約15年ぶりとなる、同社の本格的なピュアオーディオコンポ。それだけに、意欲的な技術や仕様が数多く盛り込まれている。

新たな試みとして新開発の「DIDRC回路」を搭載。DIDRCは「Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry」の略称で、かんたんに説明すると混変調歪みを抑えるための回路だ。

同社では今回、通常は聴こえないデジタル音源の高周波波形が、可聴帯域に及ぼす悪影響に着目。複数の高周波波形が近接しているとそれらが合成され、その差の周波数成分が発生する「ビート現象」が起き、これにより可聴帯域内にも余分なノイズが発生する。これを混変調歪みという。

変調歪みを抑制するためには、従来は高調波歪率(THD)や可聴帯域内混変調(IM)を少なくすれば良いと考えられてきたが、同社では「これらの測定項目はアナログオーディオ時代のもので、デジタルオーディオで発生する高周波の問題を想定していない」と説明。これらの測定値に表れないノイズ抑えるため、スルーレートが高く、高周波帯域まで増幅性能に優れ、上下の対称性がよく、しかも低歪率な回路をモジュール化して開発した。これがDIDRC回路だ。

なおDIDRC回路は、C-7000R/P-3000R/M-5000Rの3機種すべてに搭載されている。

またデザイン面も、全体をシルバーでまとめた精悍かつスタイリッシュなデザインとした。なおフロントパネルとサイドパネルにアルミの押し出し材を使用。フロントはヘアライン仕上げとなっている。

■192kHz/32ビット対応USB-DAC内蔵のプリアンプ「P-3000R」

DIDRC回路により動的ノイズを抑制したプリアンプ。アナログ部とデジタル分は完全独立回路構成とし、電源部もアナログとデジタルを独立させ、それぞれ大容量のトランスを採用している。アナログ回路用はトロイダル型、デジタル回路用はEI型となる。また、グランドラインには厚さ1mmの純銅バスプレートを用い、グランド電位の安定化を図っている。

P-3000R

P-3000Rの背面端子部。デジタル入力端子が充実

入力端子はデジタルが5系統と豊富で、内訳は光2、同軸2、AES/EBU 1。ほかにUSB Type B端子も備え、USB-DACとしても使用可能だ。

DACには、192kHz/32ビットに対応したバーブラウン製の「PCM1795」を、L/R独立で配置。光は96kHz/24ビット、同軸とAES/EBUでは192kHz/24ビット、USBは192kHz/32ビットまでの入力に対応。USBではアシンクロナス転送を用い、P-3000Rのクロックで同期を図ることでジッターを抑えている。

P-3000Rの内部構成。大型の電源トランスを内蔵している

付属のリモコン

なおアナログ入力は4系統で、PHONO入力も装備。出力端子は光デジタルが1系統、アナログが1系統のほか、12Vトリガー端子やヘッドホン出力端子も装備している。なお本機のRCA端子は真鍮削り出しで、金メッキが施されている。さらにL/Rチャンネルの端子間は18mmとし、太いRCAプラグも使用できる。

フォノイコライザーはディスクリート回路構成。ほかに小音量時の音質を高めるオプティマム・ゲイン・ボリュームも搭載している。

肉厚のアルミ素材を用いることで筐体剛性を高めていることも特徴。シャーシに渡した梁で回路基板を支持し振動対策を行っているほか、インシュレーターも真鍮削り出しのものを採用している。

外形寸法は435W×99H×333.1Dmm、質量は11kg。リモコンが付属する。

■ツインモノラル構造のパワーアンプ「M-5000R」

出力80W×2(8Ω)、150W×2(4Ω)のステレオパワーアンプ。BTL接続でモノラル駆動することもでき、その場合の出力は180W(8Ω)、220W(6Ω)となる。

ステレオパワーアンプ「M-5000R」。ツインメーターがデザイン上の最も大きな特徴となっている

背面端子部。BTL接続でモノパワーとしても使用可能。XLRはBTLの時のみ使用できる

デザイン面では、フロントに大型のレベルメーターを備えているのが特徴、となっている。

音声入力はRCAが1系統、XLRが1系統。XLRでの接続は、BTL接続によるモノラル使用時に限定される。なおRCA端子は真鍮削り出しで金メッキ処理も施されている。

本機にも動的ノイズを抑える新開発のDIDRC回路を採用。ネガティブフィードバックを抑え、再生周波数の広帯域化を図る「A-WRAT」も採用したディスクリート構成としたほか、正確な負帰還を実現する回路方式を採用。増幅回路を2つ接続する2段構成とすることで2段目の入力感度を下げ、聴感上のS/Nを向上させた。

超低歪率化を実現する独自の3段インバーテッドダーリントン回路には、クアッドプッシュプル出力段を搭載。出力段からのネガティブフィードバックを12dBに抑制したほか、瞬時電流供給能力は150Aとした。

筐体の内部構造もツインモノラル構成で、左右独立を徹底。また筐体には肉厚のアルミ素材を使用している。さらにシャーシには梁を渡し、これで回路基板を支持する構造としている。インシュレーターは真鍮削り出し。

内部構造。ツインモノラル構造を徹底している

電源部も、大容量のトロイダルトランスをチャンネルごとに2基搭載したツインモノラル構成。なお電源トランスは左右に渡したサブシャーシの上に配置している。さらに電解コンデンサーは27,000μFのものを4つ備えている。また厚さ1.2mmの純胴バスプレートをグランドラインに用いている。

外形寸法は435W×187.5H×432.5Dmm、質量は23.5kg。

■高精度クロック採用のCDプレーヤー「C-7000R」

DIDRC回路を搭載したCDプレーヤー。メカには制振性に優れたアルミダイキャストトレイを採用し、これを真鍮製の脚で支持して振動を抑えている。

CDプレーヤー「C-7000R」

トレイはアルミダイキャストを使用

アナログ/デジタル完全独立回路構成のレイアウトを採用し、電源部もアナログ/デジタル独立の大容量トランスを備えている。

DACはバーブラウン製だが、プリアンプ「C-3000R」の192kHz/32ビット対応品ではなく、本機に搭載されているのは192kHz/24ビット対応。これを左右チャンネルに1つずつ搭載している。

付属のリモコン

C-7000Rの背面端子部

クロックには、発信周波数偏差が±1.5ppm、温度安定度特性が±0.5ppmの水晶発振器「スーパープリシジョンクロック」を搭載。さらに、ジッターを除去するPLL方式のジッタークリーナーも装備した。また、オーディオ専用電解コンデンサーにも厳選したものを採用するなどの工夫も行っている。

デジタル出力は光、同軸、AES/EBUが各1系統、アナログ出力は1系統。外形寸法は435W×99H×315.2Dmm、質量は12kg。

【問い合わせ先】
オンキヨーコールセンター
TEL/050-3161-9555

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