山之内 正の週刊AVラボ:特別編
<独HIGH END 2011>デノンがネットオーディオプレーヤー公開/ブルメスターから音楽サーバー/MSBはネット対応トラポ/iPod対応ネオクラシコ
今週の連載「山之内 正の週刊AVラボ」は、特別編として独HIGH END 2011のレポートをお届けします(編集部)
HIGH END 2011を取材するために先週からミュンヘンを訪れている。
東京のハイエンドショーから2週連続でのオーディオイベントだが、やはり昨今のオーディオは進化が速く話題が豊富ということもあり、どちらも充実した内容で見応えがあった。
特に、欧州最大規模のオーディオイベントから見えてくるHiFiの未来像は多様で、示唆に富んでいる。
■ますます高まるネットオーディオの存在感
CDやアナログレコードに加えファイル再生の重要性が増していることは、今回のショウからも伝わってくる。音楽サーバーとしてパソコンだけでなく専用機を用意したブースは十指に余り、昨年よりも確実に増えているし、デモンストレーションのなかで占める割合も大きくなっているように思われた。
HDDを内蔵する一体型の分野では、日本にも浸透し始めたオリーブのほか、ドイツのブルメスターも本格的な音楽サーバーを公開し、最大級の注目を集めた。7インチディスプレイをフロントパネルに配した特徴的なデザインは、次世代のハイエンド機器のイメージを象徴し、存在感の大きさは半端ではない。ブルメスターのような影響力のあるブランドがネットワークオーディオの分野に参入する意味は非常に大きい。
日本のメーカーではデノンがAirPlayにも対応したネットワークプレーヤー「DNP-720AE」を出品。スリムなデザインは、インターネットラジオを含む各種デジタル音源をリビングルームで手軽に楽しむことを想定したものだ。
■多様化が進むUSBオーディオ対応機器
USBオーディオに対応する機器はいまや数え切れないほど登場しており、その形態やコンセプトも多様化が進んでいる。
多機能なD/AコンバーターのPlatinum DAC IVを中心に様々なソースへの対応を行っているMSBは、USBメモリーからBDまで、多様なデジタルソースにほぼすべて対応する「Universal Media Transport」を公開し、ネットワークを含むあらゆるデジタル音源をカバーすることをアピールした。PCオーディオ、ネットワークオーディオは音源の種類と形態が増える一方で混乱を招きかねないが、その課題を解決するには、本機のようなユニバーサルトランスポートが必要になるというわけだ。
エントリークラスのD/AコンバーターではティアックのUD-H01とデジタルアンプを内蔵したA-H01に注目したい。前者は4万円前後、後者は5万円台半ば〜後半という手頃な価格ながら、いずれも192kHz/24bitに対応する本格的なD/A変換回路を内蔵する。同社の新世代コンポーネント共通のコンパクトなデザインを採用しており、デスクトップでも使いこなせる手軽さがある。そのほか、同じ形状でAirPlay対応機も発売される予定だ。
ラックスマンの人気シリーズ「ネオ・クラシコ」には、デジタルiPodドックの専用入力を追加したSQ-N10を投入し、デジタルメディアへの対応を果たす。既存モデルの機能拡張として、ラックスマンらしいユニークなアプローチが注目される。
アンプ、スピーカーなど他の分野の注目機器については、別項で紹介することにしよう。
(山之内 正)
HIGH END 2011を取材するために先週からミュンヘンを訪れている。
東京のハイエンドショーから2週連続でのオーディオイベントだが、やはり昨今のオーディオは進化が速く話題が豊富ということもあり、どちらも充実した内容で見応えがあった。
特に、欧州最大規模のオーディオイベントから見えてくるHiFiの未来像は多様で、示唆に富んでいる。
■ますます高まるネットオーディオの存在感
CDやアナログレコードに加えファイル再生の重要性が増していることは、今回のショウからも伝わってくる。音楽サーバーとしてパソコンだけでなく専用機を用意したブースは十指に余り、昨年よりも確実に増えているし、デモンストレーションのなかで占める割合も大きくなっているように思われた。
HDDを内蔵する一体型の分野では、日本にも浸透し始めたオリーブのほか、ドイツのブルメスターも本格的な音楽サーバーを公開し、最大級の注目を集めた。7インチディスプレイをフロントパネルに配した特徴的なデザインは、次世代のハイエンド機器のイメージを象徴し、存在感の大きさは半端ではない。ブルメスターのような影響力のあるブランドがネットワークオーディオの分野に参入する意味は非常に大きい。
日本のメーカーではデノンがAirPlayにも対応したネットワークプレーヤー「DNP-720AE」を出品。スリムなデザインは、インターネットラジオを含む各種デジタル音源をリビングルームで手軽に楽しむことを想定したものだ。
■多様化が進むUSBオーディオ対応機器
USBオーディオに対応する機器はいまや数え切れないほど登場しており、その形態やコンセプトも多様化が進んでいる。
多機能なD/AコンバーターのPlatinum DAC IVを中心に様々なソースへの対応を行っているMSBは、USBメモリーからBDまで、多様なデジタルソースにほぼすべて対応する「Universal Media Transport」を公開し、ネットワークを含むあらゆるデジタル音源をカバーすることをアピールした。PCオーディオ、ネットワークオーディオは音源の種類と形態が増える一方で混乱を招きかねないが、その課題を解決するには、本機のようなユニバーサルトランスポートが必要になるというわけだ。
エントリークラスのD/AコンバーターではティアックのUD-H01とデジタルアンプを内蔵したA-H01に注目したい。前者は4万円前後、後者は5万円台半ば〜後半という手頃な価格ながら、いずれも192kHz/24bitに対応する本格的なD/A変換回路を内蔵する。同社の新世代コンポーネント共通のコンパクトなデザインを採用しており、デスクトップでも使いこなせる手軽さがある。そのほか、同じ形状でAirPlay対応機も発売される予定だ。
ラックスマンの人気シリーズ「ネオ・クラシコ」には、デジタルiPodドックの専用入力を追加したSQ-N10を投入し、デジタルメディアへの対応を果たす。既存モデルの機能拡張として、ラックスマンらしいユニークなアプローチが注目される。
アンプ、スピーカーなど他の分野の注目機器については、別項で紹介することにしよう。
(山之内 正)
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