主要部品には国内生産材を使用

TAD、新開発ウーファー用振動板搭載の“Reference”「TAD-R1MK2」「TAD-CR1MK2」

公開日 2012/08/30 18:17 ファイル・ウェブ編集部
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(株)テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、“Referenceシリーズ”のスピーカーの新モデルとして、新開発のウーファー用振動板を搭載した「TAD-R1MK2」「TAD-CR1MK2」を10月中旬より順次発売する。

・TAD Reference one TAD-R1MK2 3,675,000円(1本・税込)10月中旬発売
・TAD Compact Reference TAD-CR1MK2 1,942,500円(1本・税込)11月中旬発売

TAD-R1MK2

TAD-CR1MK2

型番からも分かるようにフロアスタンド「TAD-R1」(関連ニュース)とブックシェルフ「TAD-CR1」(関連ニュース)のマーク2モデル。初の国内生産となるウーファー用振動板をはじめ、CST(Coherent Source Transducer)用蒸着ベリリウム振動板などの主要部品に国内生産材を使うとともに、スピーカーシステムの組み立てを国内の自社工場で完結させるなどのこだわりを投入している。

 TAD-R1MK2TAD-CR1MK2
ウーファー25cmコーン型×220cmコーン型
ミッド/トゥイーター同軸16cmコーン型 / 3.5cmドーム型同軸16cmコーン型/3.5cmドーム型
再生周波数帯域21Hz~100kHz32Hz~100kHz
クロスオーバー周波数250Hz、2.0kHz250Hz、2.0kHz
出力音圧レベル90dB(2.83V/1m)86dB(2.83V/1m)
最大入力300W200W
定格インピーダンス


ウーファーには、新開発のTLCC(Tri-Laminated Composite Cone)振動板を採用。これにより低音域の再現力と押し出し感、中音域の再現性を向上させたという。

外観上でのコーン紙の変更による若干の違い以外に外観上の変更はない


実機のアップ
同振動板では、最新鋭の航空機などで使用されている、軽量高剛性な発泡アクリルイミドをアラミドファイバーで挟み込んで振動板を構成することで、振動板の強度を向上。また、発泡アクリルイミドとアラミドファイバーを個別に成型し、織布のもつ異方性の特徴を生かす新たなラミネート方法で加工することで、軸対称モードの共振を低減させた。さらに、ベリリウム振動板で構成されるCST ドライバーの自然な音色を活かしきるチューニングを施しているという。

従来モデルと新モデルのコーン紙の比較。工法を変えて必要以上のプレスをかけないようにしたため約30%厚くなり、厚みが出た分だけ強固になっている

素材を変更したことにより見た目もわずかながら変化

広帯域で、駆動ユニットの位相と指向性をコントロールする同軸スピーカーのCSTドライバーを採用。ミッドレンジのコーンにより、同軸配置されたトゥイーターの指向特性を制御することで、トゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一にし、クロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させる。これにより250Hz~100kHz という超広帯域再生能力と全帯域にわたって均一に減衰する指向放射パターンを両立し、明確で安定した定位と自然な音場空間表現を可能にしたとしている。

トゥイータードームとミッドレンジコーンに、ベリリウム振動板を採用。独自の蒸着法で加工することにより、優れた材料強度や均一性を可能にし、高域共振の減衰特性を実現したという。

ミッドレンジには、直接放射型の蒸着ベリリム振動板として最大級の口径16cmコーンを採用。また、トゥイーターの形状設計に、コンピューター解析による独自の最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を採用することで、分割共振を的確にコントロールし、100kHzまでの超広帯域再生を可能にしたという。

音の波形を常に正しく再生するため、ウーファーの磁気回路にショートボイスコイルタイプの独自のOFGMS回路を採用。これにより、37mm(TAD-R1MK2)、20mm(TAD-CR1MK2)長のロングギャップ間の磁束密度を均一化している。また、サスペンション系でも独自のコルゲーションエッジを採用することで高いリニアリティを確保したとしている。

エンクロージャーには、高い制振効果と強度をもつというSILENT(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology)エンクロージャーを採用。異素材の組合せによるラミネート構造材を使用し、横隔壁を骨格にすると共に、周囲を強固なパネルにすることで、フレーム構造とモノコック構造のメリットを活かし、静的・動的強度を上げつつ制振効果を最大限に高めた。

なお、エンクロージャーは厚さ21mm の樺合板で強固な枠組みを構成し、高周波加熱プレス成型した側板とCNC 加工合板を張り合わせて形成。ティアドロップ形状にすることで、音の回折が低減されるとともに、音場表現と強度に優れ、エンクロージャーの不要共振と内部定在波の排除にも配慮している。

エンクロージャーの外観部(突板)には天然木「ポメラサペリ」を採用。透明ポリエステルによるピアノ調仕上げを施している。

そのほか、フレア形状のポートシステムを採用することにより風切り音を低減。大入力・大振幅時にもユニットがストレス無く駆動し、S/N の良い澄んだ低音を再生するという。

また、CSTドライバーには機械的な振動の伝達を遮断する独自のISO ドライブテクノロジーを採用。これによりCSTドライバーによるエンクロージャーの励振がなくなり、エンクロージャーからの2次的な輻射音が低減されることで、CSTドライバーからの放射音のみを正確に伝え音のディテールを精密に描き出すとしている。

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