初登場から1年半、満を持して正式発表

【更新】TADラボ、ハイエンドスピーカー「TAD-CR1」/モノパワーアンプ「TAD-M600」を発売

公開日 2009/07/07 02:22 Phile-web編集部
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(株)テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズは、ハイエンドオーディオブランド「TAD」の新製品として、ブックシェルフスピーカー「TAD-CR1」とモノパワーアンプ「TAD-M600」を発売する。

■“TAD Compact Reference”TAD-CR1 ¥1,942,500(1本・税込)11月中旬発売

TAD-CR1

TAD-CR1の背面部。R-1と同じネットワークを使用している

底面には厚さ27.5mmのアルミ無垢材を使用し振動対策を行う。専用スタンドST1と組合せることでさらに性能を引き出すことができるという

CES2008にて初登場し、今年のA&Vフェスタにて国内初お披露目されたコンパクトリファレンス機が満を持して登場した。本機はフラグシップスピーカーTAD R-の思想と技術をそのまま踏襲し凝縮したモデルで、「弟機という位置付けではなく、コンパクトスピーカーというカテゴリの中で最高峰を目指したモデル」(同社説明員)だという。

TAD R-1と同じCSTユニットに加え、同社「TAD-M1」から引き継いだ20cmミッドバスユニットを搭載。ネットワークもR-1と同じものを採用している。エンクロージャーも、厚さ21mmの樺合板を骨組みに、高周波加熱プレス成形した側板とCNC加工合板を貼り合わせて形成。ティアドロップ形状とすることで、音の回析低減や、不要共振や内部定在波の排除などを図っている。外観はポメラサペリの突き板にピアノ仕上げを施しており、R-1と同じく職人による手作業の磨き上げを行っている。

TADのコンセプトを継承したスピーカーの新モデルとなる

スピーカー底部には厚さ27.5mmのアルミ無垢材を使用。コンパクトなスピーカーほど接地面からの影響を受けやすいという現象を克服すべく強固な材料を使用したことにより、特に低域の表現が安定するという。

同社説明員によれば、A&Vフェスタでお披露目された際よりもさらにブラッシュアップ。エンクロージャーの高さをやや伸ばし、容積も大きくしたほか、ネットワークのクロスオーバーも見直したという。開発を担当した同社長谷氏は、「音はまだまだ良くなる。発売に向けてさらにチューンナップを加えていきたい」と熱意を見せた。

なお、別売りで本機専用スピーカースタンド「TAD-ST1」も12月中旬より発売される。スピーカーと同じくバーチとMDFを組み合わせて使用しており、価格は126,000円(1本・税込)となる。

■TAD-M600 ¥2,625,000(税込)10月下旬発売

TAD-M600

TAD-M600の背面部

CR-1と同じくCES2008にて初登場したが、スペックはもちろん型番すらベールに包まれたままだったTAD-M600。このたび、その全貌がようやく明らかになった。

外形寸法516W×307H×622Dmm・質量90kg。入力端子から出力端子までフルバランス方式を採用。部品レイアウトや回路の動作環境の「対称性」、重量級シャーシなど「制振性」を追求したアンプだ。

部品レイアウトのみならず動作の対称性も追求した回路

マルチエミッタートランジスタを5パラレルで構成したプッシュプル増幅器をバランスアンプ接続し、出力600W(4Ω)/300W(8Ω)を実現した。増幅回路の電圧増幅段を1段のみとしたのも特徴のひとつ。シンプルな構成にカレントフィードバック回路を組み合わせることにより、安定度を向上させているという。

TAD-M600の増幅段

基板には、衛星通信など超高周波増幅回路に使用されるPPE材を使用。これに無酸素銅板を張り合わせ135μmの銅箔厚オリジナルプリント基板とした。パターン間の容量結合、対電源・グランド間の結合容量の最小限化、超高域までの信号伝送ロスの最小限化を追求したのだという。そのほか手作りの紙巻き電源トランスや、本機のためだけに開発した電界コンデンサーなど、厳選したパーツを搭載している。

TAD-M600のためだけに開発した電界コンデンサー

手作りの紙巻きタイプ電源トランス

底部のシャーシには、内部損失が大きく、さらに振動吸収特性に優れたねずみ鋳鉄を採用。これを35kgというボリュームで使用することにより、制振性を高めている。また脚部は本体よりも横にせり出したワイドレッドシャーシ構造とし、低重心化を実現。さらに、点支持アジャスタブルスパイクを採用したり、トランスとシャーシの間に10mm厚アルミ制振板を配置したりといった振動対策をとっている。

がっしりとしたシャーシはねずみ鋳鉄。「匠」の手によって作られている

なおシャーシは、南部鉄器などを製作する及源鋳造(株)の職人によりひとつひとつ手作りされたもの。同社が謳う「日本の匠の技術」が活かされている。

接続端子はXLR入力×1、バイワイヤリングにも対応した専用大型ネジターミナル×2組。


■優れた技術を注入した製品を世に送り出すのがTADの使命


TADラボ 宮川務社長
本日行われた発表会では、TADラボの宮川社長が挨拶。「現在は独立しテクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーという会社になっているが、もともとはパイオニアのオーディオ部門を母体に、プロ用ブランドとして展開してきた。2003年にTAD M-1を、2007年にTAD R-1を発売するなど、コンシューマー向けにもクオリティの高い製品をお届けしてきた。いま、パイオニアグループ全体で『オーディオの活性化』推進を行っているが、このためにTADラボがするべきことは何だろうかと考えたとき、“優れた技術を注入した製品”“感性を揺さぶる製品”“オーディオ愛好家の方々に愛してもらえる製品”をお届けすることだと考えた。今回発表する新製品は、そういったプロダクトになっている」とコメントした。

なお今後、モノパワーアンプと同じく“M600シリーズ”を銘打ったCDプレーヤーやプリアンプなどの発売も予定。今年から開発に取りかかっているとのこと。こちらの登場も楽しみに待ちたい。

【問い合わせ先】
パイオニア(株)
カスタマーセンター(TAD相談窓口)
TEL/0120-995-823

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