東京都現代美術館にて

坂本龍一がアドバイザーの『アートと音楽 − 新たな共感覚をもとめて』開催中

公開日 2012/11/22 18:33 季刊Net Audio編集部
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現在、東京都現代美術館にて、『アートと音楽−新たな共感覚をもとめて』という展覧会が開催されている。開催期間は2012年10月27日(土)から2013年2月3日(日)まで。

総合アドバイザーに音楽家の坂本龍一を迎え、坂本自身も、空間音響デザイナーであるオノセイゲンや「ダムタイプ」創立メンバーの一人である高谷史郎とコラボレーションした新作インスタレーション2点を公開している。

オノセイゲン、坂本龍一、高谷史郎《silence spins》外側からのノイズを遮断し、内側での音の反響を抑える吸音構造によって作られた、音を聴く道具としての茶室。高音の反射を遅らせるしくみになっており、少し不思議な空間把握を促すもの(右手前の作品)

セレスト・プルシュ=ムジュノ《バリエーション》。池に浮かぶ大小の器(陶器か?)がぶつかるたびに美しい音楽を奏でる。偶然性で生まれる音楽のみごとなこと!

国際的な活動している同時代の現代アート作家による日本未公開作品も、インスタレーション作品を中心に紹介。

バルトロメウス・トラウベック《Years》アナログレコードサイズに薄く輪切りにされた木をアナログプレーヤーにかけて音を聴く作品。木の年輪が音に変換されて再生されるそうだ……

大友良英リミテッドアンサンブル《大友良英、青山泰知、Sachiko.M、堀尾寛太、毛利悠子》使い古されたポータブルオーディオプレーヤーを集め、森のように設置。装置そのものが出す音をアンサンブルさせるというもの

日本人作家も含む。例えば八木良太の《vinyl》は、氷でレコードを作り、それが溶ける間、アナログプレーヤーで再生し、変容する音楽を聴くという作品(レコードはシリコンラバーで型取りされた型に水を入れ、冷凍庫で冷却して作る)。

カールステン・ニコライ《干渉の部屋》2つの励震器で空気圧を変化させることにより生まれる2ch構成のサブ周波音を水面に伝送。それぞれの音は水面に同心円の波を繰り返し起こし、異なる音が作り出す動きが干渉のパターンを作り出す様子をストロボスコープでスクリーンに映し出したもの、これが異常に美しい

カンディンスキー、クレーの絵画やジョン・ケージや武満徹の図形楽譜など、歴史的な観点から音楽と視覚芸術との関係を探究した作品も展示している。

同展覧会の全ての展示作品を見て回ったが、「聴く」「見る」の関係にこんな視点があるのか!と思わせる新鮮な作品にたくさん出会うことができた。

興味のある方は足を運んでみていただきたい。

<アートと音楽ー新たな共感覚をもとめて>
■会期:平成24年10月27日(土) 〜 平成25年2月3日(日)
■休館日:月曜日(ただし12/24、1/14は開館、12/25、年末年始(12/28〜1/1)、1/15は休館)
■開館時間:10:00 〜 18:00(入場は閉館の30分前まで)
■会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F・1F 
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1 TEL. 03-5245-4111(代表)
東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅B2出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3出口より徒歩13分
■主催:東京都 / 東京都現代美術館・東京文化発信プロジェクト室 (公益財団法人東京都歴史文化財団) / 東京新聞
■助成:芸術文化振興基金
■協力:NECディスプレイソリューションズ(株) / ヤマハ(株) / AURAL SONIC / SHIZUKA STILLNESS PANEL / (株)オーディオテクニカ / (株)バラッド / 山口情報芸術センター[YCAM] / (株)シンタックスジャパン /IASPIS
■観覧料:一般 ¥1,100 、大学生・65歳以上 ¥850、中高生 ¥550、小学生以下無料
*20名以上の団体は2割引
■総合アドバイザー:坂本龍一

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