スピーカーは2ウェイ/フルレンジの2種類
JVC、DSD&ハイレゾ対応の“ウッドコーンオーディオ”2機種
(株)JVCケンウッドは、振動板の素材に木を採用したスピーカーを組み合わせた“ウッドコーンオーディオ”のシステムに、2.8MHzまでのDSD、192kHz/24bitまでのPCM再生をサポートするハイレゾ対応の「EX-N70」「EX-N50」を2月上旬から発売する。
価格はオープンだが、N70が12万円前後。N50が10万円前後になる見込み。ともにペアのスピーカーとセンターユニットによるシステム構成で、N70が2ウェイ、N50がフルレンジのウッドコーンスピーカーを採用する。
センターユニットはウッドコーンオーディオシリーズとして初めてドライブレス仕様になり、ネットワーク経由、またはUSB経由でのデータファイル再生に特化したことも特筆される。あわせて独自のデジタル高音質化技術「K2テクノロジー」もハイレゾをはじめとしたデータファイル再生に最適化されたほか、デジタルアンプ「DEUS」のチューニングも行っている。
ウッドコーンオーディオ初のハイレゾ再生対応機
どちらの機種も、センターユニットにはDLNA1.5に準拠したネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載。DLNAレンダラーとして、ネットワーク上のPCのHDDやNASに保存した、192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/リニアPCM形式のファイルや、2.8MHzまでのDSD(DSF形式)ファイルの再生が行える。ALACは最大96kHz/24bitまでが再生可能。最大192kHz/24bitのPCM信号に対応した光デジタル入力端子と同軸デジタル入力端子も装備している。なお、本体USBにPCを直接接続した状態でのPCオーディオ再生には非対応となる。
ネットワーク再生時にはiOS/Android対応のコントローラーアプリ「JVC Audio Control WR2」が利用できる。スマートフォンやタブレットにインストールして、ネットワーク上の楽曲再生コントロールや、K2テクノロジーのON/OFFなど本体操作が行える。
本体背面のUSB端子経由でも、最大96kHz/2bitまでのWAV/FLAC/ALACファイル、2.8MHzまでのDSDファイルが再生可能。
他にもMP3/WMA/AAC形式のファイルも再生が可能。DRMには非対応となる。
デジタルアンプはハイレゾ再生に最適化した新「DEUS」を搭載。可聴帯域20kHz内までのノイズレベルを従来モデルよりもさらに低減したほか、歪み率の改善なども図り、音楽再生能力を高めた。
ビクター時代からの独自デジタル音源補間技術である「K2テクノロジー」も今回のハイレゾを含むネットワーク/USB経由でのデータファイル再生対応に合わせて再度チューニングを図った。ハイレゾや非圧縮の音源に対してもファイル形式ごとに最適なビット拡張、帯域拡張、およびオーディオ信号の波形補正を行うことで、スタジオマスターに収録されている原音のニュアンスを忠実に再現する。
アンプ部の実用最大出力は50W×2で両モデル共通。フロントパネルにはiPhoneなどiOSデバイスからのデジタル入力に対応するUSB端子を設けた。ほかにもradiko.jpのIPラジオ再生も楽しめる。
センターユニットの外形寸法は両モデル共通で255W×115H×289Dmm。質量はN70が3.1kg、N50が2.9kg。カラーはシルバー。
ハイレゾ対応に合わせて進化したウッドコーンスピーカー
新製品が採用するウッドコーンスピーカーに採用された新技術など、システムの高音質化に関わる特徴については、同社オーディオ事業部 技術統括部 アコースティック技術部の今村智氏が説明を行った。
はじめに新製品の音質設計について、今村氏は「ウッドコーンオーディオでは、以前からDVDオーディオの再生に対応することで192/24、96/24再生のノウハウを蓄積してきた。しかしながら、今回ネットオーディオプレーヤーとして、メインソースとしてのハイレゾ再生に改めて対応することとなり、CDフォーマットとの違いを一から検証してきた。音づくりはビクタースタジオのエンジニアたちとともに試聴を繰り返して、ハイレゾ時代に対応する最新のサウンドを練り上げてきた」と開発の経緯を説明した。
ハイレゾ再生のチューニングについては、「一般的には人間の可聴帯域を超えた高い周波数が出ることが評価されがちだが、JVCの開発陣は、高音質化に繋がるのは実際には可聴帯域内の解像度が改善されることが重要だと考えた」と述べ、中高域の情報量増加とそれに見合う表現力の充実、低音の増強を目指したと振り返った。
N70は2ウェイ、N50はフルレンジのブックシェルフスピーカーをセットとして組んだシステムになる。スピーカー単体での販売は現状未定。各モデルはスピーカーとコンポをセットにして最適な音質チューニングが施されている。
N50のスピーカーはコンパクトな8.5cm口径のフルレンジユニットを搭載。キャビネット背面にはバスレフポートを設ける。
豊かな低音を再現するためにφ70mmの大型メインマグネットを採用。磁気回路後部にはウッドブロックを装着して、ユニットの余分な振動を吸収。重量付帯効果により、低音の重心も下げている。バスレフダクトから高域の余分な成分を排出制御することで、低音のエネルギー感も高めた。
さらに音場を広げるため、キャビネットは天板・地板・前面バッフルをチェリー、両側面をアルダーの無垢材とした。内部にはチェリー材の響棒も配置して再度チューニング。スピーカーターミナル部にはダブルナット構造を採用して、内部配線との接触抵抗を下げ、音のエネルギーと鮮度もアップさせた。
N70のスピーカーは、2cmトゥイーターと11cmウーファーの2ウェイ構成。キャビネット背面にはバスレフポートを設ける。
ウーファーユニットに異方向性振動板を採用。ユニットの伝搬速度を部分ごとに変えて音場を広げる効果を持たせた。磁気回路には歪みを徹底して抑えるため、アルミショートングや銅キャップを仕込み、センターキャップの裏側には銅キャップの上にメイプル材の木片を配置して、不要な音を吸収しながら音を上下方向に広げている。エッジ材料はブチルゴムエッジ素材の配合比率を従来モデルから変えたことで、より伸びやかで広い音場空間を実現している。
トゥイーターはボイスコイルに6N OFCワイヤーを採用。よりピュアな高域を追求している。さらにドーム振動板の内側の反射音により生まれる音の濁りを解消するため、ポールピースの上部にはスプルース材木を設置して、高域の音場特性を高めている。
トゥイーター、ウーファーのユニット背面にはチェリー材の8角形ブロックを搭載。ウーファーには低音再生の重心を下げる効果があり、トゥイーターには高域の不要成分の抑える効果をもたらすという。「取り付け位置は1mm刻みで調整をした」と今村氏は振り返る。内部にはチェリー材の響棒と、竹製の響板を配置して、解像度の向上や音場表現の拡大も図っている。ターミナル部のダブルナット構造はN50に同じ。吸音材はメイプル材の木製チップを採用したことで解像度が大幅に向上したという。
アンプでの音質向上への取り組みについては、ハイレゾ再生のため、SNの改善、歪率、高域の再生帯域改善を徹底してきたという。「今までは80kHzまでしか帯域を拡張できなかったが、ダンピングファクターの改善、ループゲインを拡張したことで広帯域でのスピーカー制動力がアップして、100kHzまでの広帯域をカバーできている」(今村氏)
一新されたK2テクノロジーについても、ソースから失われた情報を予測して補間、元の信号に近づけるという従来のK2テクノロジーの技術に加えて、多様なフォーマットに自動追随ができるようになった。
センターユニットの底部は3脚支持で、それぞれのフットにプラスチック樹脂と真鍮を組み合わせたハイブリッド型インシュレーターを採用する。本体を組み立てるネジやワッシャは異種金属による組み合わせとして、振動対策を徹底。さらに本体内部やリアパネル、トップカバーのワッシャーも異種金属のコンビになる。N70は本体底部に厚さ9mmの木製アークベースを取り付け、シャーシの剛性を高めるとともに共振音を効果的に抑えて、豊かな響きを実現している。
さらにコンデンサーをはじめ、様々な内部部品も高音質化を徹底。今村氏は「新製品のチューニングは原音探求をテーマに磨き上げた。録音スタジオのマスターテープを再現することがイメージとなったが、作品にアーティストが込めた思い、録音エンジニアのこだわりまでもが再現できるシステムが完成した」と自信をみせる。「ハイレゾ再生はビクタースタジオに試作機を何度も持ち込んで、繰り返しチューニングして、マスターテープが確実に再現できるまで追い込んできた。ご家庭で聴いて、マスターテープの音やアーティストの思いまでが体験できるシステムだと自負している。そして、ホームオーディオでここまでこだわるのはJVCのウッドコーンだけだ」と胸を張った。
なおJVCケンウッドでは新製品「EX-N70」の発売に先駆けて、入札による特別モニター価格販売を実施する。モニター販売の条件は使用にあたっての感想や意見、要望などのアンケートに答えること。先着100名限定での実施となる。
応募期間は1月28日11時から2月7日10時まで。応募方法の詳細は下記URLを参照いただきたい。
http://www3.jvckenwood.com/audio_w/home/ex-n70/cp/index.html
【問い合わせ先】
JVCケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0120-2727-87
価格はオープンだが、N70が12万円前後。N50が10万円前後になる見込み。ともにペアのスピーカーとセンターユニットによるシステム構成で、N70が2ウェイ、N50がフルレンジのウッドコーンスピーカーを採用する。
センターユニットはウッドコーンオーディオシリーズとして初めてドライブレス仕様になり、ネットワーク経由、またはUSB経由でのデータファイル再生に特化したことも特筆される。あわせて独自のデジタル高音質化技術「K2テクノロジー」もハイレゾをはじめとしたデータファイル再生に最適化されたほか、デジタルアンプ「DEUS」のチューニングも行っている。
ウッドコーンオーディオ初のハイレゾ再生対応機
どちらの機種も、センターユニットにはDLNA1.5に準拠したネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載。DLNAレンダラーとして、ネットワーク上のPCのHDDやNASに保存した、192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/リニアPCM形式のファイルや、2.8MHzまでのDSD(DSF形式)ファイルの再生が行える。ALACは最大96kHz/24bitまでが再生可能。最大192kHz/24bitのPCM信号に対応した光デジタル入力端子と同軸デジタル入力端子も装備している。なお、本体USBにPCを直接接続した状態でのPCオーディオ再生には非対応となる。
ネットワーク再生時にはiOS/Android対応のコントローラーアプリ「JVC Audio Control WR2」が利用できる。スマートフォンやタブレットにインストールして、ネットワーク上の楽曲再生コントロールや、K2テクノロジーのON/OFFなど本体操作が行える。
本体背面のUSB端子経由でも、最大96kHz/2bitまでのWAV/FLAC/ALACファイル、2.8MHzまでのDSDファイルが再生可能。
他にもMP3/WMA/AAC形式のファイルも再生が可能。DRMには非対応となる。
デジタルアンプはハイレゾ再生に最適化した新「DEUS」を搭載。可聴帯域20kHz内までのノイズレベルを従来モデルよりもさらに低減したほか、歪み率の改善なども図り、音楽再生能力を高めた。
ビクター時代からの独自デジタル音源補間技術である「K2テクノロジー」も今回のハイレゾを含むネットワーク/USB経由でのデータファイル再生対応に合わせて再度チューニングを図った。ハイレゾや非圧縮の音源に対してもファイル形式ごとに最適なビット拡張、帯域拡張、およびオーディオ信号の波形補正を行うことで、スタジオマスターに収録されている原音のニュアンスを忠実に再現する。
アンプ部の実用最大出力は50W×2で両モデル共通。フロントパネルにはiPhoneなどiOSデバイスからのデジタル入力に対応するUSB端子を設けた。ほかにもradiko.jpのIPラジオ再生も楽しめる。
センターユニットの外形寸法は両モデル共通で255W×115H×289Dmm。質量はN70が3.1kg、N50が2.9kg。カラーはシルバー。
ハイレゾ対応に合わせて進化したウッドコーンスピーカー
新製品が採用するウッドコーンスピーカーに採用された新技術など、システムの高音質化に関わる特徴については、同社オーディオ事業部 技術統括部 アコースティック技術部の今村智氏が説明を行った。
はじめに新製品の音質設計について、今村氏は「ウッドコーンオーディオでは、以前からDVDオーディオの再生に対応することで192/24、96/24再生のノウハウを蓄積してきた。しかしながら、今回ネットオーディオプレーヤーとして、メインソースとしてのハイレゾ再生に改めて対応することとなり、CDフォーマットとの違いを一から検証してきた。音づくりはビクタースタジオのエンジニアたちとともに試聴を繰り返して、ハイレゾ時代に対応する最新のサウンドを練り上げてきた」と開発の経緯を説明した。
ハイレゾ再生のチューニングについては、「一般的には人間の可聴帯域を超えた高い周波数が出ることが評価されがちだが、JVCの開発陣は、高音質化に繋がるのは実際には可聴帯域内の解像度が改善されることが重要だと考えた」と述べ、中高域の情報量増加とそれに見合う表現力の充実、低音の増強を目指したと振り返った。
N70は2ウェイ、N50はフルレンジのブックシェルフスピーカーをセットとして組んだシステムになる。スピーカー単体での販売は現状未定。各モデルはスピーカーとコンポをセットにして最適な音質チューニングが施されている。
N50のスピーカーはコンパクトな8.5cm口径のフルレンジユニットを搭載。キャビネット背面にはバスレフポートを設ける。
豊かな低音を再現するためにφ70mmの大型メインマグネットを採用。磁気回路後部にはウッドブロックを装着して、ユニットの余分な振動を吸収。重量付帯効果により、低音の重心も下げている。バスレフダクトから高域の余分な成分を排出制御することで、低音のエネルギー感も高めた。
さらに音場を広げるため、キャビネットは天板・地板・前面バッフルをチェリー、両側面をアルダーの無垢材とした。内部にはチェリー材の響棒も配置して再度チューニング。スピーカーターミナル部にはダブルナット構造を採用して、内部配線との接触抵抗を下げ、音のエネルギーと鮮度もアップさせた。
N70のスピーカーは、2cmトゥイーターと11cmウーファーの2ウェイ構成。キャビネット背面にはバスレフポートを設ける。
ウーファーユニットに異方向性振動板を採用。ユニットの伝搬速度を部分ごとに変えて音場を広げる効果を持たせた。磁気回路には歪みを徹底して抑えるため、アルミショートングや銅キャップを仕込み、センターキャップの裏側には銅キャップの上にメイプル材の木片を配置して、不要な音を吸収しながら音を上下方向に広げている。エッジ材料はブチルゴムエッジ素材の配合比率を従来モデルから変えたことで、より伸びやかで広い音場空間を実現している。
トゥイーターはボイスコイルに6N OFCワイヤーを採用。よりピュアな高域を追求している。さらにドーム振動板の内側の反射音により生まれる音の濁りを解消するため、ポールピースの上部にはスプルース材木を設置して、高域の音場特性を高めている。
トゥイーター、ウーファーのユニット背面にはチェリー材の8角形ブロックを搭載。ウーファーには低音再生の重心を下げる効果があり、トゥイーターには高域の不要成分の抑える効果をもたらすという。「取り付け位置は1mm刻みで調整をした」と今村氏は振り返る。内部にはチェリー材の響棒と、竹製の響板を配置して、解像度の向上や音場表現の拡大も図っている。ターミナル部のダブルナット構造はN50に同じ。吸音材はメイプル材の木製チップを採用したことで解像度が大幅に向上したという。
アンプでの音質向上への取り組みについては、ハイレゾ再生のため、SNの改善、歪率、高域の再生帯域改善を徹底してきたという。「今までは80kHzまでしか帯域を拡張できなかったが、ダンピングファクターの改善、ループゲインを拡張したことで広帯域でのスピーカー制動力がアップして、100kHzまでの広帯域をカバーできている」(今村氏)
一新されたK2テクノロジーについても、ソースから失われた情報を予測して補間、元の信号に近づけるという従来のK2テクノロジーの技術に加えて、多様なフォーマットに自動追随ができるようになった。
センターユニットの底部は3脚支持で、それぞれのフットにプラスチック樹脂と真鍮を組み合わせたハイブリッド型インシュレーターを採用する。本体を組み立てるネジやワッシャは異種金属による組み合わせとして、振動対策を徹底。さらに本体内部やリアパネル、トップカバーのワッシャーも異種金属のコンビになる。N70は本体底部に厚さ9mmの木製アークベースを取り付け、シャーシの剛性を高めるとともに共振音を効果的に抑えて、豊かな響きを実現している。
さらにコンデンサーをはじめ、様々な内部部品も高音質化を徹底。今村氏は「新製品のチューニングは原音探求をテーマに磨き上げた。録音スタジオのマスターテープを再現することがイメージとなったが、作品にアーティストが込めた思い、録音エンジニアのこだわりまでもが再現できるシステムが完成した」と自信をみせる。「ハイレゾ再生はビクタースタジオに試作機を何度も持ち込んで、繰り返しチューニングして、マスターテープが確実に再現できるまで追い込んできた。ご家庭で聴いて、マスターテープの音やアーティストの思いまでが体験できるシステムだと自負している。そして、ホームオーディオでここまでこだわるのはJVCのウッドコーンだけだ」と胸を張った。
なおJVCケンウッドでは新製品「EX-N70」の発売に先駆けて、入札による特別モニター価格販売を実施する。モニター販売の条件は使用にあたっての感想や意見、要望などのアンケートに答えること。先着100名限定での実施となる。
応募期間は1月28日11時から2月7日10時まで。応募方法の詳細は下記URLを参照いただきたい。
http://www3.jvckenwood.com/audio_w/home/ex-n70/cp/index.html
【問い合わせ先】
JVCケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0120-2727-87
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