上位機は96kHz/24bit/4ch録音に対応
TASCAM、Wi-Fi接続でスマホ操作できるハイレゾ対応PCMレコーダー「DR-44WL」「DR-22WL」
ティアック(株)は、TASCAMブランドよりWi-Fi接続に対応したリニアPCMレコーダー「DR-44WL」「DR-22WL」を10月上旬より発売する。価格はオープンだが、DR-44WLは36,000円前後、DR-22WLは18,000円前後での実売が予想される。
また、両モデルのWi-Fiコントロールに対応した専用アプリ「TASCAM DR CONTROL」も10月上旬より提供が開始される。Android向け/iOS向けが用意され、価格は無料となる。
「DR-44WL」は96kHz/24bitに対応したPCMレコーダーで、外部マイク/外部入力との併用で4ch同時録音(96kHz/24bit)が可能。「DR-22WL」は外部入力非搭載のエントリーモデルだが、こちらも96kHz/24bitのステレオ録音に対応する。両モデル共にアクセスポイントなしで、直接スマートフォンとWi-Fi接続が可能。専用アプリから録音関連のほぼ全ての操作、モニタリングを行うことができる。
ティアックは本日17日、東京・八重洲のギブソン・ブランズ・ショールーム・トーキョーにて発表会を開催。冒頭ではティアックの執行役員 兼 開発本部長の吉野伸也氏が挨拶。同時に発表されたUSBオーディオインターフェースと合わせて「単に性能を追い求めるだけでなく、より音楽に集中できる環境を整えるための製品を目指しました」と新製品に対する意気込みを述べていた。
■Wi-Fi対応により離れた場所からスマートフォンで操作が可能
発表会では同社の小泉貴裕氏が登壇。「DR-44WL」と「DR-22WL」についてのプレゼンテーションを行った。冒頭で小泉氏はTASCAMのハンディレコーダーの歴史を紹介。「いち早く最新機能を取り入れてきたTASCAMのハンディレコーダーですが、解決されていないニーズがひとつありました。それはレコーダーを手の届く場所にしか置けないということ。これまでもリモコンを用意してはきましたが、操作できる機能に限りがありました。一方で、レコーディングの要となるのはマイキング(マイクの位置の設定)です。今回の2モデルではWi-Fi経由でスマートフォンからの“ほぼフル操作”が可能なので、ハンディレコーダーでも自由なマイキングが行えるようになったのです」と今回の新製品のポイントを説明した。
専用アプリ「TASCAM DR CONTROL」を使って、WiFi経由でスマートフォンから操作できるのは、録音の再生・停止に加えて、入力レベルやフィルターの設定、録音フォーマットの変更など、ほぼ全ての機能に及ぶ。簡単に設定を変えると問題のある一部機能のみ、本体から操作を行う必要があるとのことだ。
また、双方向通信が可能なWi-Fiの特性を活かし、スマートフォンのアプリ上でメーター表示やストリーミング再生(録音した音の試聴)が可能。スマートフォンへのファイル転送にも対応している。Windows/Macのパソコンにも転送が可能だ。前述のようにルーターなどのアクセスポイント不要で、スマートフォンとDR-44WLおよびDR-22WLを1対1で接続することができる。
スマートフォンからの遠隔操作機能が実際のライブの現場でどのように役立つかも紹介。「まず、録音するためのベストポジションにレコーダーを設置して、演奏する場所から遠隔操作することができます。また、観客が触る恐れのあるところへの設置は避けたいものですが、スマホから操作ができるのでそちらも問題ありません。また、ライブ後にはアプリ経由で録音した音源をクラウドにアップロードして、その場でメンバーとファイル共有を行うことができます」(小泉氏)。
■電源は単三乾電池。記録は96kHz/24bitまで対応
記録媒体はmicroSD/microSDHC/microSDXCカード。電源については、USBバスパワー、専用ACアダプター(別売)に加えて、DR-44WLが単3形乾電池4本、DR-22WLが単3形乾電池2本で駆動することが可能だ。
録音フォーマットは、44.1/48/96kHz・16/24bitのリニアPCM(WAV、BWF)、44.1/48kHz・32〜320kbpsのMP3に対応。DSDには非対応となる。
■特に上位モデル「DR-44WL」は音質にもこだわった
また、TASCAMならではの強みとして録音音質にもこだわったとのことで、上位モデルのDR-44WLを例に、その音質対策も紹介された。本機はX-Y方式単一指向性ステレオコンデンサーマイクを搭載。マイクの設置部には、振動を吸収してノイズを低減するショックマウント機構を備える。専用のマイクケースも音響仕様を採用したという。
対高音圧設計を備え、ドラムやバンド演奏における高い音圧での録音も可能。レベル調節の専用回路でノイズを減らすPGAも備えている。さらに、A/Dコンバーターはシーラス・ロジック製、プロセッサーはアナログ・デバイセズ製を用いているが、全てのパーツは自社内で音質評価を行い厳選したとのこと。この点については、ティアックが創業以来、長年にわたって録音関連機器を手がけてきた蓄積があってこそ実現できたことだ、と小泉氏は語っていた。
DR-44WLは本体の底面部にXLR/TRSコンボ端子を2系統搭載(+4dBuラインレベル/+48Vファンタム対応)することで、外部入力および外部マイクを接続しての4ch録音も可能。PAのラインと本体のマイクの音を同時に録音する、といったことも可能だ。また、レベルオーバーに備えて2つのレベルで録音を行うデュアルレベルレコーディング機能も搭載。そのほか、自宅録音などで活用するためのMTR(マルチトラックレコーディング)モード、リバーブエフェクト機能を備えるなど、本ライブなどの録音に加えて、自宅では音楽制作環境として使える仕様となっている。
連続使用時間は録音時で約16時間(MIC入力選択、ファントム未使用)。消費電力は1.7W(最大時)。外形寸法は52.2W×155H×36.6Dmm、質量は170g(電池含む)/123g(電池含まず)。なお、DR-44WLにはウインドスクリーンやグリップ、シューマウントアダプター、ACアダプター、専用ケースが付属する。
■エントリー機「DR-22WL」は操作性の良さを追求
エントリーモデルDR-22WLは、シンプルな操作性に徹したモデル。初心者ユーザーが手軽に最適な録音をできるように「シーンダイヤル」を搭載。録音シーンを選択するだけで、最適な機能が組み合わされたプリセットを用いての録音ができる。なお、本機についてもオーバーダビングモード、リバーブエフェクト機能を搭載する。
連続使用時間は録音時で約13.5時間(内蔵マイク使用)。消費電力は2.5W(最大時)。外形寸法は79W×162.2H×42.5Dmm、質量は346g(電池含む)/251g(電池含まず)。
そのほか両モデル共通として、WAV/MP3を同時に録音できるデュアルフォーマットレコーディング機能、自動的に最適なレベルを設定するレベル調節機能(ピークリダクション、リミッター)などの機能を備えている。
■ヴァイオリンとチェンバロのデュオをDR-44WLで実際に録音
なお、発表会では実際に「DR-44WL」を使い、ミュージシャンの演奏を録音、再生するデモンストレーションが行われた。登場したのは独バイエルン放送交響楽団で長年にわたって第一バイオリン奏者を務めた水島愛子さん、今回はチェンバロを演奏したピアニストの平沢匡朗さんだ。
ヴァイオリンとチェンバロのデュエットを小泉氏自らがDR-44WLで録音。その場でPAシステムを通して再生することで、録音クオリティの高さをアピールしていた。
また、両モデルのWi-Fiコントロールに対応した専用アプリ「TASCAM DR CONTROL」も10月上旬より提供が開始される。Android向け/iOS向けが用意され、価格は無料となる。
「DR-44WL」は96kHz/24bitに対応したPCMレコーダーで、外部マイク/外部入力との併用で4ch同時録音(96kHz/24bit)が可能。「DR-22WL」は外部入力非搭載のエントリーモデルだが、こちらも96kHz/24bitのステレオ録音に対応する。両モデル共にアクセスポイントなしで、直接スマートフォンとWi-Fi接続が可能。専用アプリから録音関連のほぼ全ての操作、モニタリングを行うことができる。
ティアックは本日17日、東京・八重洲のギブソン・ブランズ・ショールーム・トーキョーにて発表会を開催。冒頭ではティアックの執行役員 兼 開発本部長の吉野伸也氏が挨拶。同時に発表されたUSBオーディオインターフェースと合わせて「単に性能を追い求めるだけでなく、より音楽に集中できる環境を整えるための製品を目指しました」と新製品に対する意気込みを述べていた。
■Wi-Fi対応により離れた場所からスマートフォンで操作が可能
発表会では同社の小泉貴裕氏が登壇。「DR-44WL」と「DR-22WL」についてのプレゼンテーションを行った。冒頭で小泉氏はTASCAMのハンディレコーダーの歴史を紹介。「いち早く最新機能を取り入れてきたTASCAMのハンディレコーダーですが、解決されていないニーズがひとつありました。それはレコーダーを手の届く場所にしか置けないということ。これまでもリモコンを用意してはきましたが、操作できる機能に限りがありました。一方で、レコーディングの要となるのはマイキング(マイクの位置の設定)です。今回の2モデルではWi-Fi経由でスマートフォンからの“ほぼフル操作”が可能なので、ハンディレコーダーでも自由なマイキングが行えるようになったのです」と今回の新製品のポイントを説明した。
専用アプリ「TASCAM DR CONTROL」を使って、WiFi経由でスマートフォンから操作できるのは、録音の再生・停止に加えて、入力レベルやフィルターの設定、録音フォーマットの変更など、ほぼ全ての機能に及ぶ。簡単に設定を変えると問題のある一部機能のみ、本体から操作を行う必要があるとのことだ。
また、双方向通信が可能なWi-Fiの特性を活かし、スマートフォンのアプリ上でメーター表示やストリーミング再生(録音した音の試聴)が可能。スマートフォンへのファイル転送にも対応している。Windows/Macのパソコンにも転送が可能だ。前述のようにルーターなどのアクセスポイント不要で、スマートフォンとDR-44WLおよびDR-22WLを1対1で接続することができる。
スマートフォンからの遠隔操作機能が実際のライブの現場でどのように役立つかも紹介。「まず、録音するためのベストポジションにレコーダーを設置して、演奏する場所から遠隔操作することができます。また、観客が触る恐れのあるところへの設置は避けたいものですが、スマホから操作ができるのでそちらも問題ありません。また、ライブ後にはアプリ経由で録音した音源をクラウドにアップロードして、その場でメンバーとファイル共有を行うことができます」(小泉氏)。
■電源は単三乾電池。記録は96kHz/24bitまで対応
記録媒体はmicroSD/microSDHC/microSDXCカード。電源については、USBバスパワー、専用ACアダプター(別売)に加えて、DR-44WLが単3形乾電池4本、DR-22WLが単3形乾電池2本で駆動することが可能だ。
録音フォーマットは、44.1/48/96kHz・16/24bitのリニアPCM(WAV、BWF)、44.1/48kHz・32〜320kbpsのMP3に対応。DSDには非対応となる。
■特に上位モデル「DR-44WL」は音質にもこだわった
また、TASCAMならではの強みとして録音音質にもこだわったとのことで、上位モデルのDR-44WLを例に、その音質対策も紹介された。本機はX-Y方式単一指向性ステレオコンデンサーマイクを搭載。マイクの設置部には、振動を吸収してノイズを低減するショックマウント機構を備える。専用のマイクケースも音響仕様を採用したという。
対高音圧設計を備え、ドラムやバンド演奏における高い音圧での録音も可能。レベル調節の専用回路でノイズを減らすPGAも備えている。さらに、A/Dコンバーターはシーラス・ロジック製、プロセッサーはアナログ・デバイセズ製を用いているが、全てのパーツは自社内で音質評価を行い厳選したとのこと。この点については、ティアックが創業以来、長年にわたって録音関連機器を手がけてきた蓄積があってこそ実現できたことだ、と小泉氏は語っていた。
DR-44WLは本体の底面部にXLR/TRSコンボ端子を2系統搭載(+4dBuラインレベル/+48Vファンタム対応)することで、外部入力および外部マイクを接続しての4ch録音も可能。PAのラインと本体のマイクの音を同時に録音する、といったことも可能だ。また、レベルオーバーに備えて2つのレベルで録音を行うデュアルレベルレコーディング機能も搭載。そのほか、自宅録音などで活用するためのMTR(マルチトラックレコーディング)モード、リバーブエフェクト機能を備えるなど、本ライブなどの録音に加えて、自宅では音楽制作環境として使える仕様となっている。
連続使用時間は録音時で約16時間(MIC入力選択、ファントム未使用)。消費電力は1.7W(最大時)。外形寸法は52.2W×155H×36.6Dmm、質量は170g(電池含む)/123g(電池含まず)。なお、DR-44WLにはウインドスクリーンやグリップ、シューマウントアダプター、ACアダプター、専用ケースが付属する。
■エントリー機「DR-22WL」は操作性の良さを追求
エントリーモデルDR-22WLは、シンプルな操作性に徹したモデル。初心者ユーザーが手軽に最適な録音をできるように「シーンダイヤル」を搭載。録音シーンを選択するだけで、最適な機能が組み合わされたプリセットを用いての録音ができる。なお、本機についてもオーバーダビングモード、リバーブエフェクト機能を搭載する。
連続使用時間は録音時で約13.5時間(内蔵マイク使用)。消費電力は2.5W(最大時)。外形寸法は79W×162.2H×42.5Dmm、質量は346g(電池含む)/251g(電池含まず)。
そのほか両モデル共通として、WAV/MP3を同時に録音できるデュアルフォーマットレコーディング機能、自動的に最適なレベルを設定するレベル調節機能(ピークリダクション、リミッター)などの機能を備えている。
■ヴァイオリンとチェンバロのデュオをDR-44WLで実際に録音
なお、発表会では実際に「DR-44WL」を使い、ミュージシャンの演奏を録音、再生するデモンストレーションが行われた。登場したのは独バイエルン放送交響楽団で長年にわたって第一バイオリン奏者を務めた水島愛子さん、今回はチェンバロを演奏したピアニストの平沢匡朗さんだ。
ヴァイオリンとチェンバロのデュエットを小泉氏自らがDR-44WLで録音。その場でPAシステムを通して再生することで、録音クオリティの高さをアピールしていた。
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