iFIオーディオの“超”ハイコストパフォーマンスDAC

microシリーズの最新デスクトップ機、iDAC2のサウンドを聴く

公開日 2015/11/21 16:35 岩井 喬
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新設計されたアナログステージ高品質パーツも要所に投入

ポータブル・ヘッドフォンアンプとしても人気の高いmicro iDSDのUSBバスパワー駆動・据え置きモデルともいえる構成であるが、ゼロから新設計されたというアナログステージにはディスクリートAクラスバッファーを用いたライン出力を搭載し、IDACからも大きな飛躍を遂げている。

iFI Audio「Micro iDAC2」(¥55,000/税別、USB DAC)

USB B(3.0)端子入力を備え、ボリュームはヘッドフォン端子専用となり、同軸デジタル出力(192kHz・PCM変換)も装備。このディスクリートAクラスバッファーは、近く発売される予定の上位モデルProシリーズ開発にあたり研究されていた回路を採用しているそうで、NチャンネルJ-FETとPNPバイポーラトランジスタによる強力な構成に加えDCサーボも取り入れ、DACからRCA/ヘッドフォン出力まで信号経路にはカップリングコンデンサーを用いないダイレクトドライブを採用した。DACチップはバーブラウンPCM1793を積み、エルナー製SilmicUコンデンサーやビシェイ製メルフ抵抗などの高品質パーツも要所に投入している。ヘッドフォンアンプはデュアルモノ構成とし、電源部に関しても独自のシャントノイズフィルターを装備。また新ファームウェアを実装したことでMac環境からもDoP方式によるDSD 11.2MHz再生が可能となった。

入力端子には3.0と2.0のコンパチブル方式によるUSB(Bタイプ)を備える。またRCA同軸デジタル出力を装備することも特徴のひとつで、USB DDCとしての活用も可能だ

音像の芯を的確に表現するにじみのないクリアな再現性

本機に採用されるパーツはどれも高品位であり、とりわけアナログステージは新しく設計されるなど、価格を遥かに超えたパフォーマンスを実現するために注力されている

S/N感も高く素直な傾向で、弦楽器のローエンドの伸びも自然に表現。ヴォーカルはスマートな描写となり、口元の輪郭をウェットに浮き立たせる。比較的ドライな音調だが、高域にかけてわずかに倍音のハリを持たせたバランス。アコースティックギターはスムーズな弦のタッチを感じさせ、定位も明確でプレイの柔軟さもリアルに描き出す。ピアノのタッチは克明で、リヴァーブ表現もにじみなくクリアに再現してくれた。音像の芯を的確に表現し、複数の楽器が重なる場面でもひとつひとつ整理して鳴らすような真面目な傾向がみられる。音場の臨場感も高く、コンパクトながら安定的なサウンドを聴かせてくれた。

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