30周年を超えさらなる存在感を発揮
<HIGH END>AIR TIGHT、イコライザーカーブ可変対応フォノイコライザー「ATE-X」を含む3つの新製品を展示
エイ・アンド・エム(株)は、現地時間の2017年5月18日(木)〜21日(日)まで開催されたMunich HIGH END 2017にて、同社のブランドAIR THIGHTの最新製品となるモノラルパワーアンプ「ATM-3211」とフォノイコライザー内蔵プリアンプ「ATC-1X」、そしてイコライザーカーブの可変に対応した単体フォノイコライザー「ATE-X」を発表した。
今回発表された3モデルは、今年から来年にかけて発売される予定となっており、今回のミュンヘンが初めての製品披露となる。
■ATM-3211
ATM-3211は、今回発表された3つの新製品中、最も早い時期での発売が予定されるモデルで、「現在のハイエンドオーディオにふさわしい真空管パワーアンプ」として開発された経緯を持つ。
使用する真空管は、数ある真空管の中でも優れた特性を持ち、またそのサウンドから真空管マニアからも憧れの存在と言われる三極管、211。これをプッシュプルで使用した、出力120Wのモノラルパワーアンプとなっている。他のAIR TIHGT製品と同様、大阪・高槻にある自社工場で、それぞれが手配線でていねいに組み上げられている点も見逃せない。
また、フロントパネルのデザインも30周年という大きな節目を迎えたAIR TIGHTの新コンセプトを採用しており、アクリルを採用したブランドロゴも相まってより一層「クール」な真空管アンプとしての評価を獲得しているようだ。
価格は480万円(ペア)を予定しており、近い将来日本市場での発売も予定されているとのことだ。
■ATC-1X
ATC-1Xは、フォノイコライザー内蔵のステレオプリアンプで、同社の創業時からラインアップされてきたATC-1の後継にあたるモデルである。AIR TIGHTの製品は、ひとつひとつが非常に長いスパンにわたってラインアップされることも世界的な評価を獲得するひとつの理由となっているが、今回のATC-1Xは実に30年の時を経てモデルチェンジを果たすことになった。
内部に採用する真空管12AX7を始めとしてAIR TIHGTらしい仕様を盛り込んだ機器となる。内部回路やパーツの見直しなど随所に現代水準のアップデートを施したことによって、定評あるATC-1の基本性能をさらにハイクオリティなものとした。フォノ入力はMM専用で、その理由は、MCカートリッジでの再生の場合は良質なMC昇圧トランスを用いることが理想であるという同社の設計理念に基づくものだ。
今回展示された筐体はまだまだプロトタイプで、外観も変更になる可能性があるとのこと。近年稀に見るほど盛り上がりを見せているレコード再生の現状については今回のショウを見ても明らかだが、そうした時代的背景からみても、オーディオファイルにとってATC-1Xの登場は注目される存在となっている。
■ATE-X
今回展示された機器のなかでも、最も時間をかけて開発されているのがフォノイコライザーのATE-Xだ。発売そのものは来年初頭を目指しているが、現在AIT TIGHTのフラグシップ・フォノイコライザーとして鋭意開発が進められている。
出力段に搭載される真空管は12AX7×3で、電源部は大型のトロイダルトランスを採用。内部の基板も含めて同社の最高峰にふさわしいこだわりが盛り込まれている。
なかでも最大の注目は、アナログドメインで設計されたイコライザーカーブの可変機能。昨今コアなアナログファンの間で注目されるこの機能だが、AIR TIGHTは低域と高域、すなわちターンオーバーとロールオフをそれぞれ組み合わせてさまざまな種類のイコライザー特性を割り出すというユニークな構造を採用する。
高域/低域で調整できるのはFLAT、RIAA、FFRR、AES、NABの5つで、それぞれを組み合わせることで25通りの設定を行うことが可能。これによりLPはもちろんのこと、SPからアナログテープまでを含めたさまざまなイコライザーカーブをリスナーにとってベストな設定として再生することができる。
イコライザーカーブについては諸説あり、現在となってはその正解を知ることはできないのが現状ではあるものの、リスナーが探求して楽しむという意味で大きな価値を持つ機能とみて良さそうだ。
なお、本機も単体ではMM専用となり、MCカートリッジでの再生は昇圧トランスを用いて行うという点はATC-1Xと共通となる。
レコード再生と真空管。今回のMunich HIGH END 2017ではこのふたつにまつわる製品が多く登場している印象を受けたが、AIR THIGHTは中でも正統派ブランドとしてのポジションを確立していると見ていいだろう。今回発表された新製品の日本での登場もいまから期待して待ちたい。
今回発表された3モデルは、今年から来年にかけて発売される予定となっており、今回のミュンヘンが初めての製品披露となる。
■ATM-3211
ATM-3211は、今回発表された3つの新製品中、最も早い時期での発売が予定されるモデルで、「現在のハイエンドオーディオにふさわしい真空管パワーアンプ」として開発された経緯を持つ。
使用する真空管は、数ある真空管の中でも優れた特性を持ち、またそのサウンドから真空管マニアからも憧れの存在と言われる三極管、211。これをプッシュプルで使用した、出力120Wのモノラルパワーアンプとなっている。他のAIR TIHGT製品と同様、大阪・高槻にある自社工場で、それぞれが手配線でていねいに組み上げられている点も見逃せない。
また、フロントパネルのデザインも30周年という大きな節目を迎えたAIR TIGHTの新コンセプトを採用しており、アクリルを採用したブランドロゴも相まってより一層「クール」な真空管アンプとしての評価を獲得しているようだ。
価格は480万円(ペア)を予定しており、近い将来日本市場での発売も予定されているとのことだ。
■ATC-1X
ATC-1Xは、フォノイコライザー内蔵のステレオプリアンプで、同社の創業時からラインアップされてきたATC-1の後継にあたるモデルである。AIR TIGHTの製品は、ひとつひとつが非常に長いスパンにわたってラインアップされることも世界的な評価を獲得するひとつの理由となっているが、今回のATC-1Xは実に30年の時を経てモデルチェンジを果たすことになった。
内部に採用する真空管12AX7を始めとしてAIR TIHGTらしい仕様を盛り込んだ機器となる。内部回路やパーツの見直しなど随所に現代水準のアップデートを施したことによって、定評あるATC-1の基本性能をさらにハイクオリティなものとした。フォノ入力はMM専用で、その理由は、MCカートリッジでの再生の場合は良質なMC昇圧トランスを用いることが理想であるという同社の設計理念に基づくものだ。
今回展示された筐体はまだまだプロトタイプで、外観も変更になる可能性があるとのこと。近年稀に見るほど盛り上がりを見せているレコード再生の現状については今回のショウを見ても明らかだが、そうした時代的背景からみても、オーディオファイルにとってATC-1Xの登場は注目される存在となっている。
■ATE-X
今回展示された機器のなかでも、最も時間をかけて開発されているのがフォノイコライザーのATE-Xだ。発売そのものは来年初頭を目指しているが、現在AIT TIGHTのフラグシップ・フォノイコライザーとして鋭意開発が進められている。
出力段に搭載される真空管は12AX7×3で、電源部は大型のトロイダルトランスを採用。内部の基板も含めて同社の最高峰にふさわしいこだわりが盛り込まれている。
なかでも最大の注目は、アナログドメインで設計されたイコライザーカーブの可変機能。昨今コアなアナログファンの間で注目されるこの機能だが、AIR TIGHTは低域と高域、すなわちターンオーバーとロールオフをそれぞれ組み合わせてさまざまな種類のイコライザー特性を割り出すというユニークな構造を採用する。
高域/低域で調整できるのはFLAT、RIAA、FFRR、AES、NABの5つで、それぞれを組み合わせることで25通りの設定を行うことが可能。これによりLPはもちろんのこと、SPからアナログテープまでを含めたさまざまなイコライザーカーブをリスナーにとってベストな設定として再生することができる。
イコライザーカーブについては諸説あり、現在となってはその正解を知ることはできないのが現状ではあるものの、リスナーが探求して楽しむという意味で大きな価値を持つ機能とみて良さそうだ。
なお、本機も単体ではMM専用となり、MCカートリッジでの再生は昇圧トランスを用いて行うという点はATC-1Xと共通となる。
レコード再生と真空管。今回のMunich HIGH END 2017ではこのふたつにまつわる製品が多く登場している印象を受けたが、AIR THIGHTは中でも正統派ブランドとしてのポジションを確立していると見ていいだろう。今回発表された新製品の日本での登場もいまから期待して待ちたい。