2018年第1回はゾノトーン「アナログ庵」にて
レア盤とアクセサリーを聴き比べ、井上千岳/小林 貢両氏による試聴会「Arbitary Time」レポート
オーディオ評論家の井上千岳氏と小林 貢氏が企画している特別試聴会「Arbitary Time」。2018年の第1回目の新春・番外編として、いつもの会場であるディナウディオジャパンのショールーム「on and on」からゾノトーンの「アナログ庵」に出張し、「高音質アナログ音盤を聴く」と題して1月20日(土)に開催(関連ニュース)され、15名あまりが参加した。
ゾノトーンの「アナログ庵」は、ZONOTONEブランドを展開する前園サウンドラボが本社とは別に設ける研究所兼試聴室で、オーディオケーブル製品開発のための音決め・開発拠点としてマルチウェイからフルレンジまで、さまざまなオーディオシステムが揃えられている。
ソースも幅広いデジタル対応はもちろん、アナログレコードはまさしく「アナログの殿堂」というべき布陣で、ここだけでも10,000枚程が収められている。ここでの「Arbitary Time」番外編の開催は、2016年の9月以来2回目である。
試聴会オープニングのイントロには、(株)前園サウンドラボ代表取締役会長の前園俊彦氏が所蔵する貴重なソノシート盤『山水電気の歌』がかけられた。
会場内に蒐集された、かつて前園氏が手掛けたサンスイブランドのアンプ銘機達や当時の広告写真を横目に、オーディオ黎明期へと来場者一堂は思いを馳せた。
挨拶が終わると本日のメインテーマ「珍しいLP聴き比べ」に入り、小林 貢氏がかつて勤めていたTBM(スリー・ブラインド・マイス)レコードから74年に発売された名盤『MISTY/山本剛トリオ』がまず取り上げられた。
今回、「最初期リリースのオリジナル盤」(TBM-30)、「TBMレーベルの販売形態が変わり、ビクターで再マスタリングされた盤」(TBM(P)-2530)、そして「ディスクユニオンの45回転重量盤」(THLP-424)が用意された。
この『MISTY/山本剛トリオ』は小林氏の原点ともいえるタイトルで、販売形態が変わった「TBM(P)-2530」の時と「TBMの25周年記念の再発盤」ではリマスタリングにも携わったという。
オリジナル盤、リマスター盤、さらには45回転リマスター盤と聴き比べていくと、同じタイトルでも細かな表現性や力感ほか、マスタリングの音作りの狙いや作り方の違いなど、それぞれの音の特徴を聴くことができた。
同じくTBMの『ALONE TOGETHER』は、小林氏が企画して急遽実現することになったという今田 勝&ジョージ・ムラーツの1977年の録音で、当初のカッティングでは針のトレースで難しいプレーヤーが出る可能性があるとのことで、発売に際して1dB下げてカッティングをやり直したとのこと。
その当初のカッティング盤と1dB下げたカッティング盤の聴き比べも実施すると、演奏の熱気など単にボリュームが1dB下がっただけとは思えない変化で、カッティングレベルの重要性も実感できた。
JVCのリー・リトナー&ジェントル・ソウツの『Gentle Thoughts』は、1977年5月録音のダイレクトカッティング盤で、演奏をテープに録音せずにラッカー原盤に刻んで録音することで、鮮度の高さなど音質向上を図っただけではなく、全員が一度に演奏した迫真かつ白熱する演奏も魅力的な内容だった。
それに加えて『Gentle Thoughts』の、やはりこのレコーディング時にダイレクトカッティングされた別テイク「テイク2」との対比では、同じ曲でも演奏者の意気投合したアドリブや演奏スピードの違いも興味深かった。
ここまで聴いたところで、ゾノトーンの最近の製品の音を体験する。まず、同社初となるジャンパーケーブル「ZJP-RS1」(関連ニュース)。
スピーカー付属のジャンパーに使われている金属バーと交換すると、音は大きく変化。ゾノトーン「Royal Spirit」シリーズの導体を採用しており、その力感や立体感など音の魅力が再現され、一度変えたら元には戻せないアイテムであることが確認できた。
さらに新たなトップエンドスピーカーケーブルとして発売されたばかりの「7NSP-Shupreme X」(既報ニュース)の試聴も実施。「オーディオアクセサリー銘機賞2018」のグランプリ受賞モデルである。用意されたのはバイワイヤの特別仕様で、試聴するスピーカー端子との相性も良く、さすがはケーブルブランドの最新トップモデルだけに、細かな表現性やスケールなど大幅なクオリティアップが体験できた。
次に前園俊彦会長のお薦め盤を、「アナログ庵」ならではのJBLを中心としたマルチウェイシステムで再生する。手間と時間をかけて聴感で入念に調整された、アナログレコードの魅力を引き出す絶妙な音を来場者は次々と楽しんだ。
●試聴会「Arbitary Time」は、井上千岳氏、小林 貢氏の両氏が企画。次回についても企画中
「Arbitary Time」の問い合わせ先
on and on Arbitrary time事務局
TEL/03-6222-8330(担当:津田 氏)
●(株)前園サウンドラボ
TEL/03-5386-5031
ゾノトーンの「アナログ庵」は、ZONOTONEブランドを展開する前園サウンドラボが本社とは別に設ける研究所兼試聴室で、オーディオケーブル製品開発のための音決め・開発拠点としてマルチウェイからフルレンジまで、さまざまなオーディオシステムが揃えられている。
ソースも幅広いデジタル対応はもちろん、アナログレコードはまさしく「アナログの殿堂」というべき布陣で、ここだけでも10,000枚程が収められている。ここでの「Arbitary Time」番外編の開催は、2016年の9月以来2回目である。
試聴会オープニングのイントロには、(株)前園サウンドラボ代表取締役会長の前園俊彦氏が所蔵する貴重なソノシート盤『山水電気の歌』がかけられた。
会場内に蒐集された、かつて前園氏が手掛けたサンスイブランドのアンプ銘機達や当時の広告写真を横目に、オーディオ黎明期へと来場者一堂は思いを馳せた。
挨拶が終わると本日のメインテーマ「珍しいLP聴き比べ」に入り、小林 貢氏がかつて勤めていたTBM(スリー・ブラインド・マイス)レコードから74年に発売された名盤『MISTY/山本剛トリオ』がまず取り上げられた。
今回、「最初期リリースのオリジナル盤」(TBM-30)、「TBMレーベルの販売形態が変わり、ビクターで再マスタリングされた盤」(TBM(P)-2530)、そして「ディスクユニオンの45回転重量盤」(THLP-424)が用意された。
この『MISTY/山本剛トリオ』は小林氏の原点ともいえるタイトルで、販売形態が変わった「TBM(P)-2530」の時と「TBMの25周年記念の再発盤」ではリマスタリングにも携わったという。
オリジナル盤、リマスター盤、さらには45回転リマスター盤と聴き比べていくと、同じタイトルでも細かな表現性や力感ほか、マスタリングの音作りの狙いや作り方の違いなど、それぞれの音の特徴を聴くことができた。
同じくTBMの『ALONE TOGETHER』は、小林氏が企画して急遽実現することになったという今田 勝&ジョージ・ムラーツの1977年の録音で、当初のカッティングでは針のトレースで難しいプレーヤーが出る可能性があるとのことで、発売に際して1dB下げてカッティングをやり直したとのこと。
その当初のカッティング盤と1dB下げたカッティング盤の聴き比べも実施すると、演奏の熱気など単にボリュームが1dB下がっただけとは思えない変化で、カッティングレベルの重要性も実感できた。
JVCのリー・リトナー&ジェントル・ソウツの『Gentle Thoughts』は、1977年5月録音のダイレクトカッティング盤で、演奏をテープに録音せずにラッカー原盤に刻んで録音することで、鮮度の高さなど音質向上を図っただけではなく、全員が一度に演奏した迫真かつ白熱する演奏も魅力的な内容だった。
それに加えて『Gentle Thoughts』の、やはりこのレコーディング時にダイレクトカッティングされた別テイク「テイク2」との対比では、同じ曲でも演奏者の意気投合したアドリブや演奏スピードの違いも興味深かった。
ここまで聴いたところで、ゾノトーンの最近の製品の音を体験する。まず、同社初となるジャンパーケーブル「ZJP-RS1」(関連ニュース)。
スピーカー付属のジャンパーに使われている金属バーと交換すると、音は大きく変化。ゾノトーン「Royal Spirit」シリーズの導体を採用しており、その力感や立体感など音の魅力が再現され、一度変えたら元には戻せないアイテムであることが確認できた。
さらに新たなトップエンドスピーカーケーブルとして発売されたばかりの「7NSP-Shupreme X」(既報ニュース)の試聴も実施。「オーディオアクセサリー銘機賞2018」のグランプリ受賞モデルである。用意されたのはバイワイヤの特別仕様で、試聴するスピーカー端子との相性も良く、さすがはケーブルブランドの最新トップモデルだけに、細かな表現性やスケールなど大幅なクオリティアップが体験できた。
次に前園俊彦会長のお薦め盤を、「アナログ庵」ならではのJBLを中心としたマルチウェイシステムで再生する。手間と時間をかけて聴感で入念に調整された、アナログレコードの魅力を引き出す絶妙な音を来場者は次々と楽しんだ。
●試聴会「Arbitary Time」は、井上千岳氏、小林 貢氏の両氏が企画。次回についても企画中
「Arbitary Time」の問い合わせ先
on and on Arbitrary time事務局
TEL/03-6222-8330(担当:津田 氏)
●(株)前園サウンドラボ
TEL/03-5386-5031