PM-10と同じHypexモジュールを採用
マランツ、プリ部を大幅に強化したスイッチングアンプ採用プリメイン「PM-12」
マランツは、“12シリーズ”のプリメインアンプ「PM-12」を7月13日より発売する。価格は30万円(税抜)。
12シリーズは、SACDプレーヤー「SA-12」とプリメインアンプ「PM-12」で構成される。本記事ではPM-12について紹介する。SA-12の記事はこちら)。
PM-12は、2017年2月発売の旗艦プリメインアンプ「PM-10」(60万円/税抜、関連ニュース)で培われた技術やコンセプトを継承。一方で、14シリーズのプリメインアンプ「PM-14」(24万円/税抜、関連ニュース)の後継機という位置付けで、筐体サイズもPM-14と同様となる。しかし、SA-12と同じく価格帯は14シリーズより上で、しかも本機は完全に新規設計されており、実質的に新シリーズのプリメインアンプが加わったかたちだ。
パワーアンプ部には、PM-10と同じHypex社のスイッチングアンプ・モジュールを採用。PM-10がHypexモジュールを4基搭載してのBTL仕様だったのに対して、PM-12は同モジュールを2基搭載する。定格出力は200W+200W(4Ω)。
プリアンプ部についても、PM-10はバランス構成だったが、本機はアンバランス構成となる。アナログ入力もアンバランスRCA端子のみを搭載する。
スイッチングアンプ採用によって生まれた筐体内スペースの余裕を活用して、同クラスのプリメインアンプとしては破格の規模のプリアンプ回路を搭載したことが最大の特徴。このスペースファクターを活かして、パワー部とプリ部で完全独立した電源の搭載も実現した。
最新モデルとしてPM-10からの進化した点もある。具体的には、Hypexアンプモジュールをスピーカー基板にダイレクトに接続するという手法を新たに採用。信号経路を最短化することで、PM-14の4倍以上、PM-10の2倍以上というダンピングファクターを実現した。
入力はアンバランスRCAを5系統する。フォノ入力も1系統を備えており、MM/MC対応の無帰還型フォノイコライザーを新規開発して搭載する。スピーカーターミナルは1組を備える。
製品発表に先立って、マランツはプレス向け内覧会を開催。サウンドマネージャーの尾形好宣氏、設計を担当した上川太一氏が本機の詳細について説明してくれた。
■PM-10の技術を継承しつつも、設計はゼロベースで行った
PM-12では、PM-10と同じく「アナログアンプとスイッチングアンプの融合による進化」がコンセプトとなった。大幅な小型化が可能なスイッチングアンプをパワー部に採用することで、プリメインアンプの「サイズの壁」を取り払い、プリメインアンプの枠を超えた大規模なアナログ・プリアンプ段を搭載することを実現した。
また、プリアンプとパワーアンプそれぞれに完全独立の電源を用意することも可能になった。スイッチングアンプ採用により、限られた筐体サイズで高い出力、高い品位を獲得することができたという。
尾形氏は、PM-12とPM-14の内部をそれぞれ示して、内部スペースの使い方の変化を説明。PM-14ではパワーアンプとヒートシンク、電源で7割近いスペースを占めていたのに対して、PM-12ではプリアンプ回路と専用電源に半分以上のスペースを割り当てることができたことを示した。
上川氏はPM-12が完全に新規設計された背景について紹介。同氏はPM-10の設計にも携わったが、PM-10においては、Hypexスイッチングアンプ・モジュールをどのように配置・固定するかでまったく音質が変わってしまうことが大きな課題になったという。アンプモジュールの最適な配置、固定方法を導き出すために検討と試作を繰り返した結果、PM-10の完成には3年を費やした。実際、開発当初の試作機と最終的な製品では、そのレイアウトが全く異なるものになったとのこと。
PM-12の設計にあたっては、PM-14の後継ということもあり、当初から筐体高を104mm(脚部除く)に抑えて欲しいという要請が企画サイドからあった。PM-10と同じHypexのアンプモジュールを採用することも決まっていたが、そうなると筐体高の制限により、PM-10と同様にアンプモジュールを縦配置することが不可能になっってしまう。
そうなると、アンプモジュールの配置は音質に大きな影響を与えるため、アンプモジュールの配置をゼロから追い込む必要が出てくる。それならばPM-12としてベストな設計を徹底的に検討しようと、その設計は「フルスクラッチで(完全に新規に)」行うことになったと上川氏は説明する
12シリーズは、SACDプレーヤー「SA-12」とプリメインアンプ「PM-12」で構成される。本記事ではPM-12について紹介する。SA-12の記事はこちら)。
PM-12は、2017年2月発売の旗艦プリメインアンプ「PM-10」(60万円/税抜、関連ニュース)で培われた技術やコンセプトを継承。一方で、14シリーズのプリメインアンプ「PM-14」(24万円/税抜、関連ニュース)の後継機という位置付けで、筐体サイズもPM-14と同様となる。しかし、SA-12と同じく価格帯は14シリーズより上で、しかも本機は完全に新規設計されており、実質的に新シリーズのプリメインアンプが加わったかたちだ。
パワーアンプ部には、PM-10と同じHypex社のスイッチングアンプ・モジュールを採用。PM-10がHypexモジュールを4基搭載してのBTL仕様だったのに対して、PM-12は同モジュールを2基搭載する。定格出力は200W+200W(4Ω)。
プリアンプ部についても、PM-10はバランス構成だったが、本機はアンバランス構成となる。アナログ入力もアンバランスRCA端子のみを搭載する。
スイッチングアンプ採用によって生まれた筐体内スペースの余裕を活用して、同クラスのプリメインアンプとしては破格の規模のプリアンプ回路を搭載したことが最大の特徴。このスペースファクターを活かして、パワー部とプリ部で完全独立した電源の搭載も実現した。
最新モデルとしてPM-10からの進化した点もある。具体的には、Hypexアンプモジュールをスピーカー基板にダイレクトに接続するという手法を新たに採用。信号経路を最短化することで、PM-14の4倍以上、PM-10の2倍以上というダンピングファクターを実現した。
入力はアンバランスRCAを5系統する。フォノ入力も1系統を備えており、MM/MC対応の無帰還型フォノイコライザーを新規開発して搭載する。スピーカーターミナルは1組を備える。
製品発表に先立って、マランツはプレス向け内覧会を開催。サウンドマネージャーの尾形好宣氏、設計を担当した上川太一氏が本機の詳細について説明してくれた。
■PM-10の技術を継承しつつも、設計はゼロベースで行った
PM-12では、PM-10と同じく「アナログアンプとスイッチングアンプの融合による進化」がコンセプトとなった。大幅な小型化が可能なスイッチングアンプをパワー部に採用することで、プリメインアンプの「サイズの壁」を取り払い、プリメインアンプの枠を超えた大規模なアナログ・プリアンプ段を搭載することを実現した。
また、プリアンプとパワーアンプそれぞれに完全独立の電源を用意することも可能になった。スイッチングアンプ採用により、限られた筐体サイズで高い出力、高い品位を獲得することができたという。
尾形氏は、PM-12とPM-14の内部をそれぞれ示して、内部スペースの使い方の変化を説明。PM-14ではパワーアンプとヒートシンク、電源で7割近いスペースを占めていたのに対して、PM-12ではプリアンプ回路と専用電源に半分以上のスペースを割り当てることができたことを示した。
上川氏はPM-12が完全に新規設計された背景について紹介。同氏はPM-10の設計にも携わったが、PM-10においては、Hypexスイッチングアンプ・モジュールをどのように配置・固定するかでまったく音質が変わってしまうことが大きな課題になったという。アンプモジュールの最適な配置、固定方法を導き出すために検討と試作を繰り返した結果、PM-10の完成には3年を費やした。実際、開発当初の試作機と最終的な製品では、そのレイアウトが全く異なるものになったとのこと。
PM-12の設計にあたっては、PM-14の後継ということもあり、当初から筐体高を104mm(脚部除く)に抑えて欲しいという要請が企画サイドからあった。PM-10と同じHypexのアンプモジュールを採用することも決まっていたが、そうなると筐体高の制限により、PM-10と同様にアンプモジュールを縦配置することが不可能になっってしまう。
そうなると、アンプモジュールの配置は音質に大きな影響を与えるため、アンプモジュールの配置をゼロから追い込む必要が出てくる。それならばPM-12としてベストな設計を徹底的に検討しようと、その設計は「フルスクラッチで(完全に新規に)」行うことになったと上川氏は説明する
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