ND8006と対になるモデル

マランツ、電子ボリュームをクラス初採用したプリメイン「PM8006」 ー フォノイコも新開発

公開日 2017/10/19 11:00 編集部:小澤貴信
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マランツは、8000シリーズのプリメインアンプ「PM8006」を11月下旬より発売する。価格は130,000円(税抜)。


2014年に発売された「PM8005」の後継モデル。同時発表されたネットワークCDプレーヤー「ND8006」と対になる同社“8000”カテゴリーの最新のプリメインアンプとなる。従来からの大きな進化ポイントは、新たに高精度電子ボリュームを採用して再設計されたプリアンプ部、新開発されたNF-CR型フォノイコライザー「Marantz Music Phono EQ」の搭載だ。

出力は100W+100W(4Ω)、70W+70W(8Ω)。入力は従来通りアナログに特化しており、アンバランスRCAを5系統、フォノ(MM)を1系統搭載。パワーアンプへのダイレクト入力も搭載する。

製品発表に先立って、マランツはプレス向け発表会を開催した。以下にその詳細をお伝えする。

新たに電子ボリュームを採用してプリ部を再設計

音質の進化に寄与する最大の変更点は、電子ボリューム搭載の新設計プリアンプだ。同社ではSACDの登場以降、1ケタ型番および2ケタ型番のモデルでは一貫して電子ボリュームを採用してきた。これはSACDなどでより広帯域の信号を扱うにあたって、近接して並んだ複数の抵抗を切り替えてボリュームコントロールを行う従来型の可変抵抗/機械式ボリュームでは、特に超高域の信号においてクロストークが発生してしまい、チャンネルセパレーションが低下するからだ。

一般的な電子ボリュームとPM8006のボリューム回路の比較図

しかし、コストの問題もあってこれまでは“8000”カテゴリーをはじめ4ケタ型番モデルでは電子ボリュームが採用されていなかった。しかし、コストを抑えつつ優れた精度を誇る電子ボリュームが登場したことを受けて、今回の採用に踏み切ったという。

具体的には、本機はJRC製の高精度ボリュームICを採用。一般的な電子ボリュームでは抵抗ラダーに加えてアンプが内蔵されているためにこれが音質的なボトルネックになってしまうが、PM8006では単体の抵抗ラダーを内包するボリュームICとHDAMによるディスクリート・プリアンプという構成で音質を追求。クロストークやギャングエラーを極小化している。

また、この電子ボリュームでは可変抵抗体を使用していないので、ボリュームパーツの経年劣化に伴う音質の変化も避けられる。一方で、ボリューム操作は従来のアナログボリュームとまったく同じ感触で行えるように配慮されている。

新開発のNF-CR型フォノイコライザーを採用

もうひとつの進化ポイントがフォノイコライザーだ。これまではCR型フォノイコライザーを搭載していてこちらも好評だったが、ワイドレンジかつクール寄りな音質傾向に対しては、「よりアナログライクなウォームなサウンドを楽しみたい」という声もあったという。


「Marantz Musical Phono EQ」の基板
こうした声を受けてフォノイコライザーを新開発、新たにNF-CR型フォノイコライザー 「Marantz Musical Phono EQ」を搭載した。これは名前の通りNF型とCF型の2ステージアンプ構成となっている。1段あたりのゲインを下げるとともに、可聴帯域内コンスタント・カレントフィードバック回路も配置して低歪化を実現。さらにJ-FET入力の前段アンプを採用することにより、入力カップリングコンデンサを排除し、信号経路の純度を向上させた。


本機のフォノイコライザーは特性上も大幅な進化を遂げた
これらの取り組みによって全帯域にわたって従来から10dB近い歪み改善を実現すると共に、音質チューニングも徹底。Hi-Fi的な純度の高さとアナログらしいリッチさを兼ね備えたレコード再生音質を可能にしたという。

フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をプリ/パワー部に採用

ベースとなるアンプについては、マランツHi-Fiアンプの特徴である、フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をプリアンプ部とパワーアンプ部に採用。ハイスピードかつ高S/N、低歪を特徴としている。各アンプ回路ではオペアンプは一切使用せず、マランツオリジナルの高速アンプモジュールHDAM-SA2、HDAM-SA3を用いて構成されている。また、プリ/パワー/トーンコントロールの各ブロックを独立。左右チャンネルの等長、平行配置を徹底した構成を上位機から継承する。

次ページ上位モデルでも採用された高音質パーツを多数搭載

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