マグネシウム芯材とPC-TripleCを組み合わせ
クリプトン、新内部配線材採用の2ウェイスピーカー「KX-5PX」。同素材のバイワイヤーケーブル等も
クリプトンは、2ウェイ密閉型スピーカーシステム「KX-5PX」と、バイワイヤリング用などスピーカーケーブルの新モデル3種を10月下旬から発売する。
新スピーカー「KX-5PX」(¥498,000/ペア・税抜)は、2015年に発売された「KX-5P」をベースに、内部配線材の見直し等を図り、音質をさらに磨き上げたもの。ブックシェルフ型の最上位リファレンスモデル「KX-5シリーズ」の第3世代モデルとなる。なお「KX-5P」は本機の発売に伴い終売となる。
「KX-5P」は内部配線材にPCOCC-A導体を用いていたが、既に生産終了となっており、同社内の在庫も尽きたことから、今回新たにマグネシウム芯材とPC-TripleCを組み合わせたもの等を新開発。これらと同じものをスピーカーケーブルとしても切り売りで単品販売する。
■新スピーカーの内部配線材にも採用。新開発スピーカーケーブル
・バイワイヤリング用スピーカーケーブル「SC-HR2000」税抜¥14,500/m
・スピーカーケーブル「SC-HR1500」税抜¥12,000/m
・スピーカーケーブル「SC-HR1300」税抜¥8,000/m
「SC-HR2000」はバイワイヤリング一体ケーブルで、1本で簡単にバイワイヤリング接続を楽しめるのが特長。トゥイーター側がグリーン(+)とホワイト(-)、マグネシウム(芯線φ0.7mm 導通あり)にφ0.7nnのPC-Triple C 6本をロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成。外径はφ3.9mm。
ウーファー側はレッド(+)とブラック(-)、ポリエチレン芯(φ1.0mm 導通なし)にφ0.33mmのPC-Triple C 7本を6束にしてロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成している。外径はφ3.9mm。
さらにウーファー用とトゥイーター用を合わせて絹の介在を紙テープで巻き取り、耐熱性ポリオレフィン樹脂のシースでまとめた。総合外径はφ11.5mmとなる。音質的には、ゆったりとした音場感とよく伸びる低域を特長としている。
「SC-HR1500」はポリエチレン芯(φ1.0mm 導通なし)にφ0.33mmのPC-Triple C 7本を6束にしてロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成。レッド(+)とブラック(-)を絹の介在と紙テープを合わせた耐熱性ポリオレフィン樹脂のシースでまとめた。外径はφ9.8mmとなる。音質的な特長としては、低音に量感があり、PC-Triple Cと絹の介在を使うことでトランジェントやS/N感に優れるとのこと。
「SC-HR1300」はマグネシウム芯線(φ0.7mm単線 導通あり)にφ0.7mmのPC-Triple C 6本をロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜を施し、3本のポリエチレンパイプと紙テープを巻き合わせたポリエチレン絶縁シースで構成した。外径はφ8.5mmとなる。音質的な特長としては、高域の音楽信号による微小振動をマグネシウム芯線とポリエチレンパイプが吸収するため、滑らかで透明感ある高域を実現。また低域もPC-Triple Cによる歪感の少ないトランジェントの良い再生ができるとしている。
同社でスピーカーをはじめとした製品開発を行う渡邉 勝氏は「HR1500とHR1300はキャラが結構違うので、スピーカーの個性に合わせてチョイスするのも良いと思う」と語っていた。
■新スピーカーはppの表現力などが向上。バイワイヤリングの良さも広めたい
新スピーカーに話題を戻そう。「KX-5PX」の内部配線は、ウーファー用に絹の介在を使用したPC-Triple Cスピーカーケーブル(SC-HR1500に相当)、トゥイーター用にマグネシウム芯線の外周にPC-Triple Cを6本撚りした構造のスピーカーケーブル(SC-HR1300に相当)を使用。スピーカーユニットの特長にあわせて試聴を繰り返して音づくりを行ったという。
また、ネットワーク部はバイワイヤリング方式で、ウーファー/トゥイーター端子ともに内部配線材と同じPC-Triple Cショートワイヤーを採用している点も特長だ。
渡邊氏は「KX-5Pと比較して、KX-5PXはピアニッシモの表現力、S/Nの良さ、音場の広がりが向上した。そして今回改めて、バイワイヤリングは良いなと思った。この良さをぜひ広めたい。同時発表の『SC-HR2000』を使えば簡単にバイワイヤリング接続できる」と語っていた。
トゥイーターには「KX-5P」に引き続き、50kHzまでの再生が可能な砲弾型イコライザー付き35mmピュアシルク・リングダイアフラム・トゥイーターを採用。同社の最上位フロアスタンドスピーカー「KX-1000P」で開発されたこのトゥイーターを採用することで、エッジワイズ・ボイスコイルとアルニコ壺型内磁気回路との相乗効果により、超高域再生までリニアリティや歪を改善している。
ウーファーにも引き続き、170mmクルトミューラーコーン・ウーファーを採用。こちらはエッジワイズ・ロングトラベルボイスコイルとアルニコ壺型内磁気回路によって能率を確保し、駆動力と共に、大幅振幅時の磁気回路外れに対応。極めて歪みのない再生を可能にした。
エンクロージャーの表面仕上げも、「KX-5P」と同じくオール天然材つき板の高級ピアノ塗装(ポリエステル塗装)による鏡面6面仕上げを採用。エンクロージャーは、いずれも針葉樹系高密度18mm厚パーチクルボードを採用した高剛性密閉型としている。このため外観は「KX-5P」とほぼ同様で、フロントに入ったロゴのみが異なる。
内部配線とともに、内部の吸音材の配置等も最適化。吸音材には「純毛の低密度フェルト」と、同社の独自吸音材「ミスティックホワイト(ダイニーマ)」をハイブリッド使用しており、これによりトランジェントの良い、豊かで伸びやかな低域再生を実現したという。
ネットワーク部には、歪を抑えるために抵抗値の低い直径1.2mmの空芯コイル(OFC材)、ケース入りのピッチ材で振動を抑えた低損失メタライズドフィルムコンデンサーなどのネットワーク素子を採用。前述のとおりスピーカー端子は、ウーファー端子とトゥイーター端子をデバイディングネットワークで分割したバイワイヤリング方式。端子には内部配線材と同じPC-Triple Cショートワイヤーを採用している。
定格入力は50W、最大出力は150W。能率は87dB/W・m、インピーダンスは6Ω、クロスオーバー周波数は3.5kHz。再生帯域は40Hz-50kHz。外形寸法は224W×380H×319Dmm。質量は11.0kgとなる。
■MQA-CDダイレクト再生対応の「KS-9Multi+」も改めてアピール
また、MQA-CDのダイレクト再生に対応したアクティブスピーカー最上位モデル「KS-9Multi+」を改めてアピール。MQA-CDを挿入したBD/DVD/CDプレーヤーの光デジタル端子やHDMI端子と直接接続するだけで、収録されたハイレゾクオリティの音源が再生可能な点が特徴。特にHDMI端子を備えるMQA対応アクティブスピーカーは世界でも本機だけ、と胸を張る。
ワーナーのMQA-CD「ハイレゾCD 名盤コレクション<完全生産限定盤>」をHDMI接続/光デジタル接続を切り替えて試聴を行ったが、同じ音源でもHDMI接続の方が情報量が多くスピード感が増す印象を受けた。渡邉氏は「将来のスピーカーはこうあるべき、という姿を体現したモデルだと思う」と自信を見せていた。
新スピーカー「KX-5PX」(¥498,000/ペア・税抜)は、2015年に発売された「KX-5P」をベースに、内部配線材の見直し等を図り、音質をさらに磨き上げたもの。ブックシェルフ型の最上位リファレンスモデル「KX-5シリーズ」の第3世代モデルとなる。なお「KX-5P」は本機の発売に伴い終売となる。
「KX-5P」は内部配線材にPCOCC-A導体を用いていたが、既に生産終了となっており、同社内の在庫も尽きたことから、今回新たにマグネシウム芯材とPC-TripleCを組み合わせたもの等を新開発。これらと同じものをスピーカーケーブルとしても切り売りで単品販売する。
■新スピーカーの内部配線材にも採用。新開発スピーカーケーブル
・バイワイヤリング用スピーカーケーブル「SC-HR2000」税抜¥14,500/m
・スピーカーケーブル「SC-HR1500」税抜¥12,000/m
・スピーカーケーブル「SC-HR1300」税抜¥8,000/m
「SC-HR2000」はバイワイヤリング一体ケーブルで、1本で簡単にバイワイヤリング接続を楽しめるのが特長。トゥイーター側がグリーン(+)とホワイト(-)、マグネシウム(芯線φ0.7mm 導通あり)にφ0.7nnのPC-Triple C 6本をロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成。外径はφ3.9mm。
ウーファー側はレッド(+)とブラック(-)、ポリエチレン芯(φ1.0mm 導通なし)にφ0.33mmのPC-Triple C 7本を6束にしてロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成している。外径はφ3.9mm。
さらにウーファー用とトゥイーター用を合わせて絹の介在を紙テープで巻き取り、耐熱性ポリオレフィン樹脂のシースでまとめた。総合外径はφ11.5mmとなる。音質的には、ゆったりとした音場感とよく伸びる低域を特長としている。
「SC-HR1500」はポリエチレン芯(φ1.0mm 導通なし)にφ0.33mmのPC-Triple C 7本を6束にしてロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜で構成。レッド(+)とブラック(-)を絹の介在と紙テープを合わせた耐熱性ポリオレフィン樹脂のシースでまとめた。外径はφ9.8mmとなる。音質的な特長としては、低音に量感があり、PC-Triple Cと絹の介在を使うことでトランジェントやS/N感に優れるとのこと。
「SC-HR1300」はマグネシウム芯線(φ0.7mm単線 導通あり)にφ0.7mmのPC-Triple C 6本をロープ撚りし、ポリエチレンの絶縁被膜を施し、3本のポリエチレンパイプと紙テープを巻き合わせたポリエチレン絶縁シースで構成した。外径はφ8.5mmとなる。音質的な特長としては、高域の音楽信号による微小振動をマグネシウム芯線とポリエチレンパイプが吸収するため、滑らかで透明感ある高域を実現。また低域もPC-Triple Cによる歪感の少ないトランジェントの良い再生ができるとしている。
同社でスピーカーをはじめとした製品開発を行う渡邉 勝氏は「HR1500とHR1300はキャラが結構違うので、スピーカーの個性に合わせてチョイスするのも良いと思う」と語っていた。
■新スピーカーはppの表現力などが向上。バイワイヤリングの良さも広めたい
新スピーカーに話題を戻そう。「KX-5PX」の内部配線は、ウーファー用に絹の介在を使用したPC-Triple Cスピーカーケーブル(SC-HR1500に相当)、トゥイーター用にマグネシウム芯線の外周にPC-Triple Cを6本撚りした構造のスピーカーケーブル(SC-HR1300に相当)を使用。スピーカーユニットの特長にあわせて試聴を繰り返して音づくりを行ったという。
また、ネットワーク部はバイワイヤリング方式で、ウーファー/トゥイーター端子ともに内部配線材と同じPC-Triple Cショートワイヤーを採用している点も特長だ。
渡邊氏は「KX-5Pと比較して、KX-5PXはピアニッシモの表現力、S/Nの良さ、音場の広がりが向上した。そして今回改めて、バイワイヤリングは良いなと思った。この良さをぜひ広めたい。同時発表の『SC-HR2000』を使えば簡単にバイワイヤリング接続できる」と語っていた。
トゥイーターには「KX-5P」に引き続き、50kHzまでの再生が可能な砲弾型イコライザー付き35mmピュアシルク・リングダイアフラム・トゥイーターを採用。同社の最上位フロアスタンドスピーカー「KX-1000P」で開発されたこのトゥイーターを採用することで、エッジワイズ・ボイスコイルとアルニコ壺型内磁気回路との相乗効果により、超高域再生までリニアリティや歪を改善している。
ウーファーにも引き続き、170mmクルトミューラーコーン・ウーファーを採用。こちらはエッジワイズ・ロングトラベルボイスコイルとアルニコ壺型内磁気回路によって能率を確保し、駆動力と共に、大幅振幅時の磁気回路外れに対応。極めて歪みのない再生を可能にした。
エンクロージャーの表面仕上げも、「KX-5P」と同じくオール天然材つき板の高級ピアノ塗装(ポリエステル塗装)による鏡面6面仕上げを採用。エンクロージャーは、いずれも針葉樹系高密度18mm厚パーチクルボードを採用した高剛性密閉型としている。このため外観は「KX-5P」とほぼ同様で、フロントに入ったロゴのみが異なる。
内部配線とともに、内部の吸音材の配置等も最適化。吸音材には「純毛の低密度フェルト」と、同社の独自吸音材「ミスティックホワイト(ダイニーマ)」をハイブリッド使用しており、これによりトランジェントの良い、豊かで伸びやかな低域再生を実現したという。
ネットワーク部には、歪を抑えるために抵抗値の低い直径1.2mmの空芯コイル(OFC材)、ケース入りのピッチ材で振動を抑えた低損失メタライズドフィルムコンデンサーなどのネットワーク素子を採用。前述のとおりスピーカー端子は、ウーファー端子とトゥイーター端子をデバイディングネットワークで分割したバイワイヤリング方式。端子には内部配線材と同じPC-Triple Cショートワイヤーを採用している。
定格入力は50W、最大出力は150W。能率は87dB/W・m、インピーダンスは6Ω、クロスオーバー周波数は3.5kHz。再生帯域は40Hz-50kHz。外形寸法は224W×380H×319Dmm。質量は11.0kgとなる。
■MQA-CDダイレクト再生対応の「KS-9Multi+」も改めてアピール
また、MQA-CDのダイレクト再生に対応したアクティブスピーカー最上位モデル「KS-9Multi+」を改めてアピール。MQA-CDを挿入したBD/DVD/CDプレーヤーの光デジタル端子やHDMI端子と直接接続するだけで、収録されたハイレゾクオリティの音源が再生可能な点が特徴。特にHDMI端子を備えるMQA対応アクティブスピーカーは世界でも本機だけ、と胸を張る。
ワーナーのMQA-CD「ハイレゾCD 名盤コレクション<完全生産限定盤>」をHDMI接続/光デジタル接続を切り替えて試聴を行ったが、同じ音源でもHDMI接続の方が情報量が多くスピード感が増す印象を受けた。渡邉氏は「将来のスピーカーはこうあるべき、という姿を体現したモデルだと思う」と自信を見せていた。
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