インタラクティブな要素で没入感を高める
モンスターの“声”で個性を出す。『モンハン』の音作りと本格シアターシステムで引き出せる魅力とは?
ヤマハの本格シアターシステムを活用して、大人気アクションゲーム『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の魅力を楽しむイベントが、1月17日(金)に「ヤマハ銀座スタジオ」で開催された。ナビゲーターは、オーディオ評論家としても活躍し、ブログ「GAME SOUNDS FUN」の管理人も務める逆木 一氏。このイベントは、ヤマハの会員制サービス「ヤマハミュージックメンバーズ」向けのイベントとして開催された。
イベントでは、『モンスターハンター』シリーズでサウンドディレクターを担当する黒岩若菜さんと細井秀基さんが登壇。ゲームの音がどのように作られているのかということを、製作者の視点から解説した。
『モンスターハンター』は非常に音にこだわったゲームとしても知られており、通常のTVのスピーカーからでももちろん楽しめるが、サラウンドシステムを構築することで、環境音やモンスターの咆哮など、さまざまなサウンド情報を非常に高密度に楽しむことができる。さらに、サウンドがインタラクティブな要素を持っているということが大きな特徴で、プレイヤーがアクションを起こすごとに、その状況にふさわしいサウンドが構築される。
例えばプレイヤーが走っている時と歩いている時で足音が変わることや、滝が目の前にある状態で背後を振り向けば、水の流れる音は後ろから聴こえるように設計されている。そういったインタラクティブな音の要素は、ゲームが映画やアニメーションなどとは決定的に異なる点である。
特にこの『モンスターハンター』は、文字通りモンスターを「狩る」ことが目的のゲーム。モンスターの位置や、どのような動きをしているのか(攻撃直前なのか、力をためているところなのかなど)を音情報を頼りに探ることで、ゲームをより深く楽しむことができるのだ。
今回のイベントでは、ヤマハのシアターシステムで7.2.4chのサラウンドシステムを構成。ヤマハのセパレート型AVプリアンプ「CX-A5200」とパワーアンプ「MX-A5200」を組み合わせ、PlayStation4 Proから音声と映像を出力した。プロジェクターには4K/HDR対応のJVC「DLA-V7」を活用し、ホームシアターとしても最上級の機材を活用して、 “モンハン” の音世界を旅することになった。
実際に『モンスターハンターワールド:アイスボーン』のデモンストレーションを見ていると、木々のざわめきや虫の羽音といった細かな音の情報量はもちろん、滝やマグマといった広いダイナミックレンジを持つ環境音も再現していることがよく分かる。特に巨大モンスターの咆哮には、思わず身震いしてしまうような圧倒的な存在感を感じられた。TVのスピーカー出力のみでゲームをプレイする時とはまったく異なる臨場感で、モンスターがプレイヤーの背後に回り込んだ瞬間などは「これはヤバイ!」と圧倒される。
「本作を作る上でサウンドデザインとしてどういったところにこだわったか」という逆木氏の質問に対して、黒岩さんは「モンスターの個性を大切にするサウンドデザインを心がけました」と語る。例えば新たに登場した「凍魚竜 ブラントドス」については「除雪機のイメージ」を考え、エンジン音と動物の声を混ぜることで、音に説得力を持たせ、他のモンスターとの差別化を図っているという。
ほかにも、水をまとって攻撃することが大きな特徴の「ネロミェール」というモンスターについては、水を吐く前に音が喉に迫り上がる音をポンプのような音で実現しているという。「声がつくことで、その子の個性が出せるんです」と黒岩さんはモンスターを我が子のように慈しみながら音作りの秘訣を明かした。
また、洞窟のなかの音の反響をレンダリングしたり、森の中や雪道を歩く場面など、「モンハン世界のリアル」を追求した環境音作りも心がけているという。実際に洞窟の中から外に出るシーンが再生されたが、洞窟の分岐の方向によってリバーブの具合が変わったり、洞窟の外に開けるシーンでは森の鳥やさざめきが聴こえるなど、細部までこだわり抜いたサウンド構成がなされていることが改めて確認できた。
逆木氏は、「TVがどんどん薄型化している一方で、スピーカーは容積がないとちゃんと音を出しにくいため、音が犠牲になっている」側面を指摘。ホームシアターシステムを構築することで、ゲームを良い音で、よりゲームの世界観に没入して楽しむことができることを強調した。
「製作者が音に込めたメッセージを通じて、コンテンツの魅力を最大限に感じることができる」と逆木氏は語る。いまやホームシアターで楽しむことができるのは、映画だけではない。インタラクティブな要素も含むゲームは、いまや非常にクリエイティブな、新しい体験を実現できるコンテンツとして進化を続けている。
イベントでは、『モンスターハンター』シリーズでサウンドディレクターを担当する黒岩若菜さんと細井秀基さんが登壇。ゲームの音がどのように作られているのかということを、製作者の視点から解説した。
『モンスターハンター』は非常に音にこだわったゲームとしても知られており、通常のTVのスピーカーからでももちろん楽しめるが、サラウンドシステムを構築することで、環境音やモンスターの咆哮など、さまざまなサウンド情報を非常に高密度に楽しむことができる。さらに、サウンドがインタラクティブな要素を持っているということが大きな特徴で、プレイヤーがアクションを起こすごとに、その状況にふさわしいサウンドが構築される。
例えばプレイヤーが走っている時と歩いている時で足音が変わることや、滝が目の前にある状態で背後を振り向けば、水の流れる音は後ろから聴こえるように設計されている。そういったインタラクティブな音の要素は、ゲームが映画やアニメーションなどとは決定的に異なる点である。
特にこの『モンスターハンター』は、文字通りモンスターを「狩る」ことが目的のゲーム。モンスターの位置や、どのような動きをしているのか(攻撃直前なのか、力をためているところなのかなど)を音情報を頼りに探ることで、ゲームをより深く楽しむことができるのだ。
今回のイベントでは、ヤマハのシアターシステムで7.2.4chのサラウンドシステムを構成。ヤマハのセパレート型AVプリアンプ「CX-A5200」とパワーアンプ「MX-A5200」を組み合わせ、PlayStation4 Proから音声と映像を出力した。プロジェクターには4K/HDR対応のJVC「DLA-V7」を活用し、ホームシアターとしても最上級の機材を活用して、 “モンハン” の音世界を旅することになった。
実際に『モンスターハンターワールド:アイスボーン』のデモンストレーションを見ていると、木々のざわめきや虫の羽音といった細かな音の情報量はもちろん、滝やマグマといった広いダイナミックレンジを持つ環境音も再現していることがよく分かる。特に巨大モンスターの咆哮には、思わず身震いしてしまうような圧倒的な存在感を感じられた。TVのスピーカー出力のみでゲームをプレイする時とはまったく異なる臨場感で、モンスターがプレイヤーの背後に回り込んだ瞬間などは「これはヤバイ!」と圧倒される。
「本作を作る上でサウンドデザインとしてどういったところにこだわったか」という逆木氏の質問に対して、黒岩さんは「モンスターの個性を大切にするサウンドデザインを心がけました」と語る。例えば新たに登場した「凍魚竜 ブラントドス」については「除雪機のイメージ」を考え、エンジン音と動物の声を混ぜることで、音に説得力を持たせ、他のモンスターとの差別化を図っているという。
ほかにも、水をまとって攻撃することが大きな特徴の「ネロミェール」というモンスターについては、水を吐く前に音が喉に迫り上がる音をポンプのような音で実現しているという。「声がつくことで、その子の個性が出せるんです」と黒岩さんはモンスターを我が子のように慈しみながら音作りの秘訣を明かした。
また、洞窟のなかの音の反響をレンダリングしたり、森の中や雪道を歩く場面など、「モンハン世界のリアル」を追求した環境音作りも心がけているという。実際に洞窟の中から外に出るシーンが再生されたが、洞窟の分岐の方向によってリバーブの具合が変わったり、洞窟の外に開けるシーンでは森の鳥やさざめきが聴こえるなど、細部までこだわり抜いたサウンド構成がなされていることが改めて確認できた。
逆木氏は、「TVがどんどん薄型化している一方で、スピーカーは容積がないとちゃんと音を出しにくいため、音が犠牲になっている」側面を指摘。ホームシアターシステムを構築することで、ゲームを良い音で、よりゲームの世界観に没入して楽しむことができることを強調した。
「製作者が音に込めたメッセージを通じて、コンテンツの魅力を最大限に感じることができる」と逆木氏は語る。いまやホームシアターで楽しむことができるのは、映画だけではない。インタラクティブな要素も含むゲームは、いまや非常にクリエイティブな、新しい体験を実現できるコンテンツとして進化を続けている。
トピック