上位モデルでも採用の「AK4490EQ」搭載

マランツ「CD6007」「PM6007」登場。6000シリーズが“2世代分の進化” で刷新

公開日 2020/08/21 11:00 ファイルウェブ編集部
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D&Mホールディングスはマランツブランドの新製品として、“6000シリーズ”のCDプレーヤー「CD6007」と、プリメインアンプ「PM6007」を9月中旬に発売する。価格はCD6007が50,000円(税抜、以下同)で、PM6007が64,000円。

マランツの“6000シリーズ”が刷新

マランツの6000シリーズはヨーロッパ市場において特に人気が高く、EISAや英オーディオ誌「WHAT HI-FI?」などによるアワードでは最高クラスの評価を多数獲得している。

その人気に加え、ヨーロッパは市場がピラミッド型で低価格帯の裾野が広いことから、2017年にはヨーロッパ限定モデル「CD/PM6006 UK Edition」をリリース。特にCD6006 UK Editionは、WHAT HI-FI? アワードの「Product of the year」を3年連続で受賞するなど、高評価を得ているという。

そのためCD/PM6007は、国内においては2016年発売の「CD/PM6006」の後継にあたるが、同社の高山健一氏は「CD/PM6006 UK Editionも踏まえた、2世代分の進化を経て完成したモデル」と説明する。

CD6007

CD6006ではシーラスロジック製のDACを採用していたが、本機では新たに「AV8805」「PM7000N」といった上位機にも搭載されるAKMの「AK4490EQ」を採用した。USB接続で最大PCM 192kHz/24bit/DSD 5.6MHzのハイレゾファイル再生が可能になったことに加え、フィルター1(スローロールオフ)/フィルター2(シャープロールオフ)の切り替えが可能なデジタルフィルター機能も新たに搭載する。

「CD6007」¥50,000(税抜)

アナログ出力回路は、マランツ独自モジュール・HDAMを搭載したフルディスクリート仕様。本機のために開発した2,200μFブロックコンデンサーや、MELF型金属被膜抵抗などの新採用パーツを搭載しており、左右チャンネルをシンメトリーにレイアウトすることで、チャンネルセパレーションや空間表現力を高めているという。

また、新採用DACに合わせて回路の最適化や、アナログ回路用電源への定電流回路を追加するなどして、ノイズレベルを大幅に改善。特に後者は100Hzで約30dBの改善を見せるなど、低周波数帯で大きな効果を見せているとのこと。

上位モデルにも使われる「AK4490EQ」を採用。デジタルフィルター機能も搭載された

アナログ回路をAK4490EQに最適化させることで、ノイズレベルを改善したという

「ヘッドホン出力回路も力を入れた」としており、HDAM-SA2型ディスクリート高速電流バッファアンプと新開発のハイスルーレートオペアンプを組み合わせたものを搭載。オーディオ回路への影響を最小化するため、ジャックの挿抜で自動的に電源オン/オフが切り替わる機能を採用するほか、最大600Ωのヘッドホンを駆動することを想定し、3段階のゲイン切り替え機能を搭載する。

PCM再生時の再生周波数範囲は2Hz-96kHz(192kHz)/2Hz-20kHz(44.1kHz)で、再生周波数特性は2Hz-50kHz(-3dB)(192kHz)/2Hz-20kHz(44.1kHz)、S/Nは110dB。ダイナミックレンジは110dB(24bit)/100dB(16bit)で、高調波歪率は0.0010%(24bit)/0.0016%(16bit)、出力レベルは2.4V RMS。

DSD再生時の再生周波数範囲は2Hz-100kHzで、再生周波数特性は2Hz-50kHz(-3dB)、S/Nは110dB(可聴帯域)。ダイナミックレンジは110dB(可聴帯域)で高調波歪率は0.0010%(可聴帯域)、出力レベルは1.64V RMS。

出力端子はRCA×1、光/同軸デジタルそれぞれ×1、ヘッドホン×1を搭載。外形寸法は440W×105H×341Dmmで、質量は6.5kgとなる。

CD6007の背面

PM6007

PM6007は、新開発のHDAM-SA2搭載プリアンプ部とHDAM-SA3搭載パワーアンプ部を採用。ともにフルディスクリート構成で、グランドラインに至るまで左右チャンネルをシンメトリーなレイアウトとすることで、サウンドステージの立体感やきめ細やかなディティールの表現力が実現されたという。

「PM6007」¥64,000(税抜)

マランツのサウンドマネージャーである尾形好宣氏は、本機のアンプ系統の開発テーマについて「アイドリング電流の安定化」と紹介。音が出ていても出ていなくても理想的な状態を目指したと説明した。「一聴して分かるほど変化の大きなポイントではないが、より理想的な回路にしようというエンジニアのこだわりが詰まっている」とのことだ。

マランツ サウンドマネージャーの尾形好宣氏

アンプ部では特に「アイドリング電流の安定化」に力を入れたという

また、昨今のアナログブームを受け、新たにJFET入力を用いたMM対応フォノイコライザーを搭載。入力部をはじめとしたカップリングコンデンサーを極力除去することで、鮮度の高いサウンドを可能にしたとしている。

デジタル部ではCD6007同様、DACチップとして新たにAK4490EQを採用し、フィルター1/2を切り替え可能なデジタルフィルター機能を搭載。デジタル入力は最大192kHz/24bitのPCM信号に対応し、ハイレゾ音源の再生も可能となっている。

PM6007はディスプレイを搭載しないため、フィルター1は青、フィルター2は紫と点灯色によって判別できるようになっている

デジタル入力回路は周辺へのノイズ輻射を遮断するため専用シールドボックスに封入され、また電源ラインには導電性ポリマーコンデンサを用いることで高周波ノイズを低減。デジタル入力が選択されていないときには電源供給を停止し、アナログ入力の音質に影響を与えない設計となっているという。

電源部には「上位モデルの『PM8006』同様に高品位で、このクラス帯で使われることはない」という大型のトロイダルトランスを採用。シールドケースに封入することで不要輻射による周辺回路への影響と振動発生を抑え、“クリーンでゆとりのある電源供給によって豊かな表現力を支えている”とのことだ。

6.4万円のモデルながら大型のトロイダルトランスを搭載

加えてパワーアンプ電源回路部に搭載する新開発の12,000µカスタム・ブロックコンデンサーや、ブリッジ回路に搭載するハイスピード・ショットキーバリアダイオード、リード型金属皮膜抵抗・高音質電解コンデンサーなど、カスタムパーツや新採用パーツも多く搭載している。

定格出力は45W+45W(8Ω、20Hz-20kHz)/60W+60W(4Ω、20Hz-20kHz)で、全高調波歪率は0.08%(8Ω、20Hz-20kHz)、ダンピングファクターは100(8Ω、40Hz-20kHz)。入力感度/入力インピーダンスはフォノ入力時が2.2mV/47kΩ、ライン入力時が200mV/20kΩで、S/Nはフォノ入力時が83dB(5mV入力、1W出力)で、ライン入力時が102dB (2V入力、定格出力)。

入力はRCA×4、フォノ×1、同軸デジタル×1、光デジタル×2を搭載。外形寸法は440W×105H×370Dmmで、質量は7.8kgとなる。

PM6007の背面

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