この秋リリース予定
ペトレンコの初ボックスセットなど、魅力のタイトル続々。ベルリン・フィル・レコーディングス新作発表会
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の自主レーベル「ベルリン・フィル・レコーディングス」は、2019年に首席指揮者に就任したキリル・ペトレンコの最初のボックスセットをはじめとした今秋リリース予定の新タイトルについての記者会見を、ベルリンと東京からのリモートにて開催した。
首席指揮者キリル・ペトレンコの最初のボックスセット「ファースト・エディション」
リリースタイトルの1つめは、キリル・ペトレンコの最初のボックスセット「ファースト・エディション」。ベルリン・フィル・レコーディングス レーベル・マネージャーのフェリックス・フォイステル氏が概要を説明した。(ファイルウェブで販売中。ご注文はこちら。本タイトルの内容はこちら)
このエディションは、ペトレンコとベルリン・フィルとの初期の共演から、ペトレンコが首席指揮者に選ばれる時期までの演奏をピックアップしたもの。収録曲はベートーヴェンの交響曲第9番、第7番を中核として、ペトレンコが自身の重要な作品であるフランツ・シュミットの交響曲第4番、ルーディ・シュテファンの作品、そしてチャイコフスキーの交響曲第5番、第6番。
演奏を収めたCD5枚と、全曲演奏のビデオとペトレンコが団員と行ったインタビューの50分の特典映像が収録されたブルーレイ、そして全曲の音声トラックが収録されたブルーレイ。さらにハイレゾ音声ダウンロードコードが入っているほか、192kHz/24bitのハイレゾ音源ダウンロードコードと、デジタル・コンサート・ホール7日間の無料チケットも封入されている。
ハードカバーの装丁は、現代芸術家のローズマリー・トロッケル氏による。氏が演奏を聴いた上で想起したものが提示された美しい仕上がりとなっている。日本だけの初回特典として、ペトレンコとオーケストラ、フィルハーモニーの風景が捉えられたフォトブックが封入されている。
フォイステル氏は、「レーベルマネージャーの立場として、オーケストラとペトレンコの最初の出会いから、両者の関係が生まれるプロセスを体験できることに喜びを感じる。両者には大きなエネルギーが生まれていて、お互いが音楽家として出会い、新しい道をつくりあげる過程に私自身も関わって非常に楽しい思いだ。それをレーベルとして記録できることは、非常にエキサイティングである」と語った。
ベルリン・フィル ソロ・チェロ奏者兼メディア代表のオラフ・マニンガー氏は、「ペトレンコの最初のCDエディションの発売は非常にエキサイティング。彼はほとんどCDを録音してこなかったので、どの曲もプリミエである」と、本作の希少性を強調する。
さらに指揮者ペトレンコについて、「この1年間彼と演奏してきて、その音楽家・人間としての能力を実感した。オープンな性格で、何も隠すことなく、メンバーを自分の世界にひきこみ連れていってくれる力を持つ。音楽的な考え方では、作品の精神的背景や物語の解釈の深みを示すのだが、頭でっかちでなく、常にエモーションと結びついているところにインスパイアされる」と絶賛する。
大巨匠と若い指揮者たちの演奏を集めた、マーラーの交響曲全集
リリースタイトルの2つめは、マーラーの交響曲全集で、年末のリリース予定。作曲家にフォーカスし、さまざまな指揮者による演奏を集めた内容となっている。
ペトレンコによる2020年1月演奏の第6番が収録されており、これについてオラフ・マニンガー氏は「コロナ禍が始まる直前、オーケストラも観客も収容したごく普通の状況の録音であり、アクチュアルである」と語る。サイモン・ラトル、クラウディオ・アバド、さらにヤニック・ネゼ=セガン、ダニエル・ハーディング、アンドリス・ネルソンス、グスターボ・ドゥダメルら若手指揮者の演奏も収録され、「大巨匠と若い世代の考え方をミックスさせた、マーラーの世界の広がりを集約している」とした。
その他のリリースとして、内田光子独奏 ラトル指揮の2010年2月の演奏「ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集」(11月末発売)、キングインター30周年記念の
日本限定スペシャルサンプラー(11月半ば発売)が紹介された。
今後はペトレンコ・エディションの単発タイトルも?
質疑応答として、音楽評論家の山田治生氏による「今後のペトレンコ・エディションの予定は」との問いに対してマニンガー氏は、「自主レーベルのいいところは、今後演奏されるものを全部収録することが可能であること。すばらしい演奏をピックアップして出せる特権的な状況に恵まれている。今後のペトレンコ・エディションは、交響曲全集ではなくコンサートでやっているものを集めて、一つの像を結ぶようなものと考える」と答えた。
さらに、「コロナの状況で我々はフレキシブルであることを学んだ。ヨーロッパのコンサートはプランニングに数年かかるが、コロナの状況下ではよりフレキシブルに、プログラムの変更も余儀なくされた。レーベルもフレキシブルにならなければと考える。ペトレンコの演奏で素晴らしいものが生まれたら、たとえ1曲であっても、ディスク1枚だけとか、これまでのフォーマットとは違う形を考えなければと感じている」とし、さまざまなスタイルでのリリースの可能性を示唆した。新作はファイルウェブでも随時取り上げていきたい。
首席指揮者キリル・ペトレンコの最初のボックスセット「ファースト・エディション」
リリースタイトルの1つめは、キリル・ペトレンコの最初のボックスセット「ファースト・エディション」。ベルリン・フィル・レコーディングス レーベル・マネージャーのフェリックス・フォイステル氏が概要を説明した。(ファイルウェブで販売中。ご注文はこちら。本タイトルの内容はこちら)
このエディションは、ペトレンコとベルリン・フィルとの初期の共演から、ペトレンコが首席指揮者に選ばれる時期までの演奏をピックアップしたもの。収録曲はベートーヴェンの交響曲第9番、第7番を中核として、ペトレンコが自身の重要な作品であるフランツ・シュミットの交響曲第4番、ルーディ・シュテファンの作品、そしてチャイコフスキーの交響曲第5番、第6番。
演奏を収めたCD5枚と、全曲演奏のビデオとペトレンコが団員と行ったインタビューの50分の特典映像が収録されたブルーレイ、そして全曲の音声トラックが収録されたブルーレイ。さらにハイレゾ音声ダウンロードコードが入っているほか、192kHz/24bitのハイレゾ音源ダウンロードコードと、デジタル・コンサート・ホール7日間の無料チケットも封入されている。
ハードカバーの装丁は、現代芸術家のローズマリー・トロッケル氏による。氏が演奏を聴いた上で想起したものが提示された美しい仕上がりとなっている。日本だけの初回特典として、ペトレンコとオーケストラ、フィルハーモニーの風景が捉えられたフォトブックが封入されている。
フォイステル氏は、「レーベルマネージャーの立場として、オーケストラとペトレンコの最初の出会いから、両者の関係が生まれるプロセスを体験できることに喜びを感じる。両者には大きなエネルギーが生まれていて、お互いが音楽家として出会い、新しい道をつくりあげる過程に私自身も関わって非常に楽しい思いだ。それをレーベルとして記録できることは、非常にエキサイティングである」と語った。
ベルリン・フィル ソロ・チェロ奏者兼メディア代表のオラフ・マニンガー氏は、「ペトレンコの最初のCDエディションの発売は非常にエキサイティング。彼はほとんどCDを録音してこなかったので、どの曲もプリミエである」と、本作の希少性を強調する。
さらに指揮者ペトレンコについて、「この1年間彼と演奏してきて、その音楽家・人間としての能力を実感した。オープンな性格で、何も隠すことなく、メンバーを自分の世界にひきこみ連れていってくれる力を持つ。音楽的な考え方では、作品の精神的背景や物語の解釈の深みを示すのだが、頭でっかちでなく、常にエモーションと結びついているところにインスパイアされる」と絶賛する。
大巨匠と若い指揮者たちの演奏を集めた、マーラーの交響曲全集
リリースタイトルの2つめは、マーラーの交響曲全集で、年末のリリース予定。作曲家にフォーカスし、さまざまな指揮者による演奏を集めた内容となっている。
ペトレンコによる2020年1月演奏の第6番が収録されており、これについてオラフ・マニンガー氏は「コロナ禍が始まる直前、オーケストラも観客も収容したごく普通の状況の録音であり、アクチュアルである」と語る。サイモン・ラトル、クラウディオ・アバド、さらにヤニック・ネゼ=セガン、ダニエル・ハーディング、アンドリス・ネルソンス、グスターボ・ドゥダメルら若手指揮者の演奏も収録され、「大巨匠と若い世代の考え方をミックスさせた、マーラーの世界の広がりを集約している」とした。
その他のリリースとして、内田光子独奏 ラトル指揮の2010年2月の演奏「ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集」(11月末発売)、キングインター30周年記念の
日本限定スペシャルサンプラー(11月半ば発売)が紹介された。
今後はペトレンコ・エディションの単発タイトルも?
質疑応答として、音楽評論家の山田治生氏による「今後のペトレンコ・エディションの予定は」との問いに対してマニンガー氏は、「自主レーベルのいいところは、今後演奏されるものを全部収録することが可能であること。すばらしい演奏をピックアップして出せる特権的な状況に恵まれている。今後のペトレンコ・エディションは、交響曲全集ではなくコンサートでやっているものを集めて、一つの像を結ぶようなものと考える」と答えた。
さらに、「コロナの状況で我々はフレキシブルであることを学んだ。ヨーロッパのコンサートはプランニングに数年かかるが、コロナの状況下ではよりフレキシブルに、プログラムの変更も余儀なくされた。レーベルもフレキシブルにならなければと考える。ペトレンコの演奏で素晴らしいものが生まれたら、たとえ1曲であっても、ディスク1枚だけとか、これまでのフォーマットとは違う形を考えなければと感じている」とし、さまざまなスタイルでのリリースの可能性を示唆した。新作はファイルウェブでも随時取り上げていきたい。