光絶縁によるグレードアップも効果的
Roonの魅力に迫るイベント開催、Ediscreationの専用PC「HAYDN」も登場
ダイナミックオーディオ4F H.A.L.IIIとオリオスペックは、4月29日(土)にRoonの魅力を探る合同試聴会を開催した。Roonの使いこなしに加え、ESOTERIC、DELAとEdiscreationを中心に、ファイル再生を楽しむにあたって必要な機器も紹介。また、特約店限定で展開されるEdiscreationのオーディオ専用PC「HAYDN(ハイドン)」もお披露目された。
ダイナミックオーディオの島健悟氏は、特にハイエンドにおけるファイル再生の市場を牽引してきた存在で、PCオーディオからスタートし、DELAやfidataといったオーディオサーバーの登場、アプリケーションの発展と、常に最先端のシステムを追求し研究を重ねてきた。
ファイル再生の進化の過程で登場したRoonは、単なる再生ソフトとしてのみならず、アーティスト同士の連携をたぐりながら音楽に出会い続けていけるという意味でも画期的なソフトであった。さらにOpenHomeではなくRAAT(=Roon Advanced Audio Transport、ラート)という独自のネットワークプロトコルを活用することで、音質面でも大きなメリットがあるとしている。
RAATはRoonの使用が前提となり、RoonのcoreがインストールされたPC(またはNucleus、サーバー等)からRAATによってRoonReadyに対応するネットワークプレーヤーに伝送。受け側=プレーヤー側は、ファイルの展開等の負荷がなくなるため機能を特化することができることに加え、ファイル再生の肝とも言える「アプリの操作性」をRoonに任せることができるため、アプリ開発にコストを掛けず、オーディオ機器の性能を磨くことに専念できる点も重要だ。
Roonをスタートするためには、「まずはパソコンが1台あればOKです」とオリオスペックの酒井氏。ソフトウェアの購入は必要になるが、使わなくなった古いPCなども活用できる。ただしアップサンプリング等負荷のかかる再生をしたい場合は、ある程度最新のもの、CPU性能の高いものを用意したほうが良いという。
ここで登場したのが、タクトシュトックが取り扱う香港のオーディオブランド、Ediscreationのオーディオ専用PC「HAYDN JP MODEL」。特約店限定モデルということで、これまであまり紹介される機会の少なかったモデルとなっており、来場者も高い関心を寄せていた。
Ediscreationはすでにオーディオ用ネットワークハブや光絶縁ツールなどで日本でも知られているブランドだが、「HAYDN」は、OSにWindows10 Proを搭載、Roonをプリインストールしたオーディオ専用PC。Windowsが搭載されているため例えばJPLAYやfoobar2000等の他のソフトをインストールすることもできるが、タクトシュトックの庵氏によると「Roon専用マシン」としても使用方法がオススメとのこと。
「HAYDN」はCDドライブも搭載しており、CDリッピングも可能。CPUは最新のCore i7ではなくあえてi5を採用することで、ファンによるノイズを低く抑え、再生のみならずCDリッピングにおいてもノイズや振動の影響を受けないリッピングが可能になるそうだ。
イベントでは、Roon Coreを「MacBookAir」「Nucleus+」「HAYDN」にそれぞれインストールした場合の聴き比べを実施。「MacBookAir」では若干雑味が感じられたような部分が、「Nucleus+」では元気があってウォーミーな雰囲気に、「HAYDN」にすると透明感高く伸びやかなサウンドに変化する。Coreの違いによる音質差も非常に大きく、システムをどう組み立てるかの大きな要素となりうることがわかった。
続いてCoreは共通で、DELAの「N1Z/3」をレファレンスに、「OpenHome」と「RoonReady」の聴き比べを実施。OpenHomeではハイファイ調だが若干そっけなく聴こえるサウンドが、RoonReadyでは独特のきらびやかさをみせてくれる。さらに、DELAでは動作モードがRoonになった時には、twonkyサーバーを切る機能も搭載されている。このtwonkyオフは非常に効果的で、サウンドステージの広がり感などに大きな差を感じられた。特にデジタル機器では、システム側の負荷を下げ、機能を特化させることの音質的メリットが大きいことが改めて確認できた。
イベントの後半では、DELAのネットワークハブ「S100」と、Ediscreationのハブと光絶縁ツールが登場し、アクセサリーによるグレードアップを解説した。光絶縁ツールとは、通常メタル導体のLANケーブルで接続されるネットワークを、光ファイバーケーブルを使うことで電気的に絶縁し、音質グレードアップを図ろうという方策。
記者も以前より、「光絶縁ツール」はファイル再生において必須アイテムと考えてきたが、ここでもやはりその思いを新たにした。DELAの「S100」にメディアコンバーターセット「OP-S100」を加えたものを追加することで、さらに透明度が上がり、見通しの良さや空間性に広がりが得られた。
さらに、Ediscreationのハブ「Silent Switch OCXO」と光絶縁ツール「Fiber Box 2」はそれぞれ上位グレードとなる「Japan Exclusive Model」(以下JPEM)が新たに登場。スタンダード版とJPEMの比較試聴も実施したが、いずれも音楽の瞬発力や爆発力がさらに高まり、力感を増す印象。特に「Fiber Box 2 JPEM」では変換モジュールを産業用ではなく自社設計したほか、フルテック製プラグなどより高品位なパーツ選定がなされているという。「Ediscreationのエディソン氏が生粋のオーディオマニアだからこそ実現したこだわりのアイテムです」と庵氏も胸を張る。
ダイナミックオーディオ4Fのイベントの特徴は、「お店が売りたいものを売るのではなく、お客様が納得できるシステムを選ぶためのお手伝いをすることにある」と島氏は語る。今回のイベントも、あくまでお客さんが主体となり、自分の組み上げたいシステムを作るためのひとつのきっかけにして欲しいと考えている。
Roonはソフトウェアアップデートにより、最新の機能を常に使い続けることができる魅力もある。Roonによって広がる最先端のファイル再生の世界、そして音質を追求する楽しみがさらに深まることを期待してやまない。
ダイナミックオーディオの島健悟氏は、特にハイエンドにおけるファイル再生の市場を牽引してきた存在で、PCオーディオからスタートし、DELAやfidataといったオーディオサーバーの登場、アプリケーションの発展と、常に最先端のシステムを追求し研究を重ねてきた。
ファイル再生の進化の過程で登場したRoonは、単なる再生ソフトとしてのみならず、アーティスト同士の連携をたぐりながら音楽に出会い続けていけるという意味でも画期的なソフトであった。さらにOpenHomeではなくRAAT(=Roon Advanced Audio Transport、ラート)という独自のネットワークプロトコルを活用することで、音質面でも大きなメリットがあるとしている。
RAATはRoonの使用が前提となり、RoonのcoreがインストールされたPC(またはNucleus、サーバー等)からRAATによってRoonReadyに対応するネットワークプレーヤーに伝送。受け側=プレーヤー側は、ファイルの展開等の負荷がなくなるため機能を特化することができることに加え、ファイル再生の肝とも言える「アプリの操作性」をRoonに任せることができるため、アプリ開発にコストを掛けず、オーディオ機器の性能を磨くことに専念できる点も重要だ。
Roonをスタートするためには、「まずはパソコンが1台あればOKです」とオリオスペックの酒井氏。ソフトウェアの購入は必要になるが、使わなくなった古いPCなども活用できる。ただしアップサンプリング等負荷のかかる再生をしたい場合は、ある程度最新のもの、CPU性能の高いものを用意したほうが良いという。
ここで登場したのが、タクトシュトックが取り扱う香港のオーディオブランド、Ediscreationのオーディオ専用PC「HAYDN JP MODEL」。特約店限定モデルということで、これまであまり紹介される機会の少なかったモデルとなっており、来場者も高い関心を寄せていた。
Ediscreationはすでにオーディオ用ネットワークハブや光絶縁ツールなどで日本でも知られているブランドだが、「HAYDN」は、OSにWindows10 Proを搭載、Roonをプリインストールしたオーディオ専用PC。Windowsが搭載されているため例えばJPLAYやfoobar2000等の他のソフトをインストールすることもできるが、タクトシュトックの庵氏によると「Roon専用マシン」としても使用方法がオススメとのこと。
「HAYDN」はCDドライブも搭載しており、CDリッピングも可能。CPUは最新のCore i7ではなくあえてi5を採用することで、ファンによるノイズを低く抑え、再生のみならずCDリッピングにおいてもノイズや振動の影響を受けないリッピングが可能になるそうだ。
イベントでは、Roon Coreを「MacBookAir」「Nucleus+」「HAYDN」にそれぞれインストールした場合の聴き比べを実施。「MacBookAir」では若干雑味が感じられたような部分が、「Nucleus+」では元気があってウォーミーな雰囲気に、「HAYDN」にすると透明感高く伸びやかなサウンドに変化する。Coreの違いによる音質差も非常に大きく、システムをどう組み立てるかの大きな要素となりうることがわかった。
続いてCoreは共通で、DELAの「N1Z/3」をレファレンスに、「OpenHome」と「RoonReady」の聴き比べを実施。OpenHomeではハイファイ調だが若干そっけなく聴こえるサウンドが、RoonReadyでは独特のきらびやかさをみせてくれる。さらに、DELAでは動作モードがRoonになった時には、twonkyサーバーを切る機能も搭載されている。このtwonkyオフは非常に効果的で、サウンドステージの広がり感などに大きな差を感じられた。特にデジタル機器では、システム側の負荷を下げ、機能を特化させることの音質的メリットが大きいことが改めて確認できた。
イベントの後半では、DELAのネットワークハブ「S100」と、Ediscreationのハブと光絶縁ツールが登場し、アクセサリーによるグレードアップを解説した。光絶縁ツールとは、通常メタル導体のLANケーブルで接続されるネットワークを、光ファイバーケーブルを使うことで電気的に絶縁し、音質グレードアップを図ろうという方策。
記者も以前より、「光絶縁ツール」はファイル再生において必須アイテムと考えてきたが、ここでもやはりその思いを新たにした。DELAの「S100」にメディアコンバーターセット「OP-S100」を加えたものを追加することで、さらに透明度が上がり、見通しの良さや空間性に広がりが得られた。
さらに、Ediscreationのハブ「Silent Switch OCXO」と光絶縁ツール「Fiber Box 2」はそれぞれ上位グレードとなる「Japan Exclusive Model」(以下JPEM)が新たに登場。スタンダード版とJPEMの比較試聴も実施したが、いずれも音楽の瞬発力や爆発力がさらに高まり、力感を増す印象。特に「Fiber Box 2 JPEM」では変換モジュールを産業用ではなく自社設計したほか、フルテック製プラグなどより高品位なパーツ選定がなされているという。「Ediscreationのエディソン氏が生粋のオーディオマニアだからこそ実現したこだわりのアイテムです」と庵氏も胸を張る。
ダイナミックオーディオ4Fのイベントの特徴は、「お店が売りたいものを売るのではなく、お客様が納得できるシステムを選ぶためのお手伝いをすることにある」と島氏は語る。今回のイベントも、あくまでお客さんが主体となり、自分の組み上げたいシステムを作るためのひとつのきっかけにして欲しいと考えている。
Roonはソフトウェアアップデートにより、最新の機能を常に使い続けることができる魅力もある。Roonによって広がる最先端のファイル再生の世界、そして音質を追求する楽しみがさらに深まることを期待してやまない。
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