パワーアンプ/CDトランスポートも

NuPrime、MQA再生に対応したDAC/プリアンプ「DAC-9X」など新製品3モデル

公開日 2022/06/08 12:50 編集部:伴 修二郎
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フューレンコーディネートは、NuPrimeブランドのDAC/プリアンプ「DAC-9X」、ステレオパワーアンプ「STA-9X」、CDトランスポート「CDT-9」の3モデルを発売した。価格は全モデルとも198,000円(税込)。

「DAC-9X」は、最高でPCM 384kHzおよびDSD256までのデジタル音源再生に対応するD/Aコンバーター。さらに、従来のハイエンドモデルから取り入れたというプリアンプ機能も搭載している。

「DAC-9X」

DACチップとして、ESSテクノロジーの32bitオーディオDACチップ「ESS9028Q2M」を左右のチャネルにデュアル搭載。各チャネルを個別にデコードすることでチャネルの分離を改善し、全体的なノイズの低減を図っている。また、Vishay社製プロフェッショナル用フィルムMELF抵抗の採用によって、優れた音質を実現するという。

さらに、ICベンダーと共同開発したSRC ICチップによるDSP処理で、入力信号をメガヘルツにアップサンプリングした後に、目標とするサンプリング周波数まで超低ジッターおよび低歪みでダウンコンバートする。

また、MQAデコードもサポート。MQA AuthenticやMQA Studioのほか、アーティスト・プロデューサーおよび著作権所有者によって承認されたオリジナルサンプルレートのMQA ORFSにも対応し、各ソースの違いはフロントパネルのLED色によって確認できる。

本機に統合されたプリアンプ部には、低ノイズおよび低歪み抵抗ラダー回路を使用した、アナログボリューム制御設計を採用した。また、デジタル制御のデュアルモノアナログシャントからグランドボリュームへの制御によって、ノイズや歪みを抑制している。ほか、各入力ごとに個別でボリュームを調整可能で、各ソースレベルに正確に合わせる「メモリ保持機能付きマイクロプロセッサー」も備える。入力段には超低ノイズJFETを採用する。

電源回路部では、防振処理を施した低騒音電源を採用することで、ACハム音を最小限に抑えている。そのほかオンボード電源回路においても、ノイズを最小限に抑えるよう設計されている。

「DAC-9X」のDACチップにはESS9028Q2Mをデュアル搭載している

デジタル入力端子には、USB(PCM 384kHz/Windows OSがDSD256、Mac OSがDSD128まで)、同軸デジタルS/PDIF(PCM 384kHz/DSD128まで)、光デジタルS/PDIF(PCM 96kHz/DSD64まで)、AES/EBUを各1系統装備。さらにHDMI-I2S(PCM 384kHz/DSD256まで)を2系統備える。

「DAC-9X」端子イメージ

DSDはASIO2.1およびDoP方式によるDSDネイティブ再生をサポートしている。なお、HDMI-I2SについてはNuPrime製品以外との接続は保証されていない。ほか、アナログRCA入力も1系統搭載する。

出力端子には、背面部に最大出力4VのRCA、最大出量8V/2番HOTのXLR、光デジタルS/PDIF、トリガーアウトをそれぞれ1系統搭載。また、前面部には6.3mmステレオヘッドフォン出力も備えている。非同期転送モードによるジッターの軽減や、低消費電力のスタンバイモードも備える。

「DAC-9X」シルバーモデル

筐体は高品位アルミニウム製のヘアライン&アルマイト仕上げを施し、カラーバリエーションはシルバー/ブラックの全2色を用意する。再生周波数帯域は20Hz〜20kHz/±0.3 dB、全高調波歪率は0.0005%、S/Nは110dB。外形寸法は235W×60H×281Dmm(脚部含む)、質量は2.4kg。付属品として、電源ケーブル、USBケーブル、リモコンを同梱する。

「STA-9X」は、同社「STA-9」をベースに、上位モデル「AMG-STA」の設計技術を継承して新たに開発された、出力130W×2のシングルエンドA+D級ステレオパワーアンプ。BTL接続に切り替えることで、出力330Wのモノラルパワーアンプとしても使用できる。

「STA-9X」

高インピーダンスのシングルエンド非負帰還アンプ回路とクラスDパワーステージを組み合わせることで音楽のダイナミクスを向上。また偶数次高調波回路(H2)を強化したことで、真空管アンプのような特性を備え、理想的なバランスのサウンドを実現したとする。

出力電流駆動能力はSTA-9よりも130%高められており、低インピーダンススピーカーのダイナミック性とパワーが向上したとアピールする。さらに、独自の発信回路を使用してパルス幅変調を生成することで、従来のクラスDアンプをはるかに超えるという750kHzのスイッチング周波数で動作が可能。電源部には、高周波ノイズを低減し、低周波性能を強化するための高効率トロイダルトランスを備えた新リニア電源を採用している。

「STA-9X」には高効率トロイダルトランスを備えた新リニア電源が搭載された

さらに、脚部のアイソレーションフィートの減衰効果によって、オーディオパフォーマンスを低下させる振動を排除するほか、信号経路はコンデンサーの架け橋を避ける設計としたことで、DCレベルの周波数特性を備えるという。

入力端子にはRCAおよびXLR(2番HOT)を各1系統、スピーカー出力端子にはバインディングポストを備え、Yラグ/バナナプラグにも対応する。筐体仕上げは高品位アルミニウム製アルマイト処理。ブラック/シルバーの2色をラインナップする。

「STA-9X」端子イメージ

S/Nは<-90dB(1W、10W、100W)、THD+Nは0.005% (ステレオ/モノラル)、再生周波数帯域は10Hz - 50kHz。外形寸法は235W×60H×281Dmm(脚部含む)、質量は4kg。付属品として、電源ケーブルを同梱する。

「STA-9X」シルバーモデル

「CDT-9」は、DSPベースのデコーダーを搭載したCDトランスポート。ディスク再生はCD-DA、CD-R、CD-RWをサポートする。CD読み取りやエラー訂正用のチップにはARM「LPC2103FCD」を搭載。CDドライブ部のレーザーアセンブリとして「KHM-313」を、レーザー読み取りのチップとして「SAA7824HL」を採用する。

「CDT-9」

またデコードシステム全体がマスタークロック制御されており、Red Bookに基づくシングルスピードの信号の読み込みで、振動や不均衡なディスクの影響を最小限に抑え、ジッターを大幅に低減するという。

「CDT-9」の内部写真。CDの読み取り制度を高めた構造を採用する

デジタルソースをPCMで44.1kHz〜768kHz、またはDSD64〜DSD256の間でサンプリングレート変換して出力することが可能。変換はメガヘルツ領域へのアップサンプリングを行った後、設定サンプリングレートへダウンコンバートするため、超低ジッタと低歪みで実行できるとしている。

端子ごとの出力最大値は、同軸デジタルS/PDIF、AES/EBU、HDMI-I2Sが最大768kHz/24bit、DSD256まで、光デジタルS/PDIFが最大96kHz/24bitまでとなる。デジタル出力端子はそれぞれ各1系統装備している。また、専用のアイソレーショントランスによる同軸出力に対応する。

「CDT-9」端子イメージ

トランスとして、プロ用のシールド付きカスタムRタイプを搭載。筐体はブラック/シルバーのアルマイト仕上げ。脚部に振動を制御する独自のアイソレーションフィートを装備する。

外形寸法は235W×55H×260Dmm(脚含む)、質量は2.3kg。付属品として、高品質アルミニウム製リモコン、電源ケーブル、ACアダプター、HDMIケーブルを同梱する

「CDT-9」シルバーモデル

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