「ミュンヘン・ハイエンド2023」出展モデル

フェーズメーション、真空管式純A級モノラルパワーアンプ「MA-5000」。税込1,430万円で受注生産

公開日 2023/05/22 14:07 編集部:松永達矢
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協同電子エンジニアリングは、フェーズメーションの真空管式モノラルパワーアンプ「MA-5000」を11月中旬より受注開始する。価格は1,430万円(ペア/税込)。

「MA-5000」

2本のPSVANE「WE-211」をパラレル・シングル出力で用いる純A級モノラルパワーアンプ。5月18日よりドイツ・ミュンヘンにて開催されている世界最大規模のオーディオショウ、「ミュンヘン・ハイエンド2023」同社ブースにて初披露されたモデルが正式に案内される格好だ。

出力管として使用されるWE-211は、2本を個別の専用固定バイアス電源で、最適動作点の設定と安定動作を確保するシングル・純A級動作。球の持つ素性の良さを最もシンプルな動作で発揮できる構成を採用する。パラレル動作による出力45Wを超える強力なスピーカードライブ力を達成するとともに、電源オン時のタイマー制御(1分間)による電源供給と合わせて、高信頼性高音質動作を実現させている。

安定した出力管駆動のため、PSVANE「WE-300B」をトランス結合で使用。最適動作点に設定することでWE-211パラレルの独立固定バイアスでの直流安定度を確保する。初段に「ECC803」、300B、211という全段3極管による無帰還アンプ回路構成とすることで、無帰還回路ならではの躍動感にあふれた表情豊かな音楽の再生能力を獲得したと同社はアピールしている。

電源トランスには、目指す音質に最も適したものとしてルンダール社製の段間および出力トランスを採用。段間トランスでは2次側の独立巻き線構造を利用して固定バイアス回路を各々の出力管WE-211に個別に用意し、メーター直読による最適動作点の設定と安定動作を確保。出力段においては、4〜8Ωのスピーカーを最適に駆動できる専用設計トランスを用意した。

入力端子はバランス/アンバランス両方に対応し、バランス→アンバランス変換を兼ねたトランス式アッテネーターを内蔵。標準ゲインに対し3段階(−3/−6/−10dB)の調整が可能。さらに−∞の入力OFFポジションを設定し、ケーブルの接続変更等スピーカー出力OFFを容易なものとした。

ドライバー段(300B)とパワー段(WE-211パラシングル)をそれぞれ独立した電源トランスから電源を供給することで、入力信号増幅回路とスピーカー駆動回路との相互干渉を排除。微小レベルの信号からハイパワーの信号までクリアーに増幅させるという。電源トランスは防振ゴムによりシャーシからフローティングを施すことで、不要な振動をシャーシに伝わることを抑制。ノイズレベルのさらなる低減に寄与する。

さらに高圧電源には、原理的にスイッチングノイズの発生しない整流管「5R4G」を2本パラレル接続、Wチョークトランスによる余裕のある整流回路を採用。ヒーターは全ての真空管に対し完全DC電源による直流点火にするなど、徹底したローノイズ設計を施す。

筐体は前面および左右のパネルに10mm厚のアルミ材を使用して剛性を確保。フットにはTAOC製の鋳鉄インシュレーターを採用し、不要振動のさらなる抑制を図る。スピーカー出力端子にはFURUTECH製のトルクリミッター付きオーディオグレード品を装備し、導体抵抗や接触抵抗による悪影響を最小限に抑える。

デザイン面では、タイマー動作中のスタンバイ時には赤、1分後の動作開始時には青色へと変化する2色LEDインジケータ表示を装備。前面ガラスが印象的な真空管カバーには、日本の伝統的デザインである和柄「七宝」を採用して風格ある外観に仕上げた。

入力インピーダンスは47kΩ、利得は30dB、残留雑音は200μV以下:A-NET、定格出力は45W(THD:5%)、周波数特性は10 - 40kHz(+0,−3dB)、出力インピーダンスは4〜8Ω、消費電力は350W(100V/AC 50 - 60Hz)となる。

外形寸法は370W×346H×636Dmm(端子部含む)、質量は50kg。付属品としてACパワーケーブル、トリマー調整用ドライバーを備える。

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