「Serafino G2」「Guarneri G5」も今秋発売予定

ソナス・ファベール、“オマージュ・コレクション”最新世代フロア型スピーカー「Amati G5」。ペア594万円

公開日 2023/06/01 19:47 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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(株)ノアは、同社が取り扱うイタリアのソナス・ファベールより、Homage(オマージュ)・コレクションシリーズの最新世代機として、フロアスタンディング型スピーカー「Amati G5」を発売する。カラーは、ウェンジ、レッド、グラファイトの3種類。価格は5,940,000円(ペア/税込)、7月6日発売予定。

SONUS FABER「Amati G5」

オマージュ・コレクションは、ソナス・ファベールが育んできた歴史や哲学、技術の粋が注ぎ込まれたシリーズで、1993年に登場した「Guarneri Homage」から2017年に登場した「Homage Tradition」まで様々なモデルを展開してきた。

「Amati G5」設置イメージ

この度登場する新たなオマージュ・コレクションは、「Amati G5」のほか、フロア型の「Serafino G2」、ブックシェルフ型の「Guarneri G5」の3モデル。Amati G5以外の2機種はこの秋発売となる。

左から「Amati G5」「Serafino G2」「Guarneri G5」

「Amati G5」は、創業以来継承されて続けている伝統と最新の音響工学が融合したモデルだと同社は説明。最新の「Intono Technology」(イントノ・テクノロジー)は、密閉とポート両方の長所を兼ね備えた技術だとのこと。ミッドレンジとトゥイーターのチェンバーは密閉型になっているが、その隔壁に計算された径と長さのポートが設けられており、空気圧を最適にコントロール。さらにチェンバー内に4種類の減衰材を配置することで、それぞれのドライバーユニットを最適に動作させることができるという。

トゥイーターとミッドレンジを最適に動作させる「Intono Technology」

28mmアローポイントDAD搭載のシルク・ソフトドーム・トゥイーターと、150mmペーパーコーンによるミッドレンジ、220mmウーファーによる3.5ウェイ/4スピーカーシステムとなっている。またクロスオーバーネットワークも新たに新設計されている。

トゥイーターはアルミニウム・ダイキャストのフレームにシルクのソフトドームで構成、トゥイーターの頂点を部分的にダンピングさせることでダイアフラムの逆相挙動を抑制するDamped Apex Domeテクノロジーを搭載。また背面には木製チェンバーと搭載し、ドライバー駆動時に発生する気流を抑制している。

28mmのシルク・ソフトドーム・トゥイーター

ミッドレンジはセルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自ダイアフラム。ネオジム・マグネットと銅クラッド・アルミニウム巻線によるコイル、スパイダーには高耐久なBIMAX特殊素材とバスケットはアルミニウム・ダイキャストを用い、ハイスピードかつ高いコントロール性を実現したという。また最新のコンピューターシミュレーションで、リスニングポイントへ一貫した波形パターンを伝達する同軸フェーズプラグが搭載されている。

150mmペーパーコーン・ミッドレンジ

ウーファーも本機のために専用設計。2つの超軽量CCAWボイスコイルをエア・ギャップを備えたデュアル・ネオジム・ドライバーに搭載。Finite Element Methodと呼ばれるコンピューターを用いた構造解析法で、コーンの可動域を正確に制御するためのラバーエッジやBIMAX等の素材や形状、厚みなどを選定。ボイスコイルの冷却を強化する新たなドライバー構造に採用し、パワフルな低域再生を実現している。

220mmウーファー

クロスオーバーネットワークも新設計。ミッドレンジとトゥイーターは新たに開発したInteractive Fusion Filtering技術に基づき設計、ウーファーは「Aida II」と同じParacross Topology(位相幾何学)にのっとって設計されている。パーツも厳選して採用することで、各ドライバー間の繋がりがシームレスかつダイナミックレンジを持つ駆動を可能にしたという。さらに新たな位相コヒーレント設計で、「卓越した3次元的空間表現」を実現するとしている。

ウーファー用クロスオーバー

ミッド/トゥイーター用クロスオーバー

キャビネット側面は上級モデルで採用されているブライウッド構造を継承。厚みの違うシート状の木材を、木目の角度を90度変えて8層に積層させ、プレス機で加工しながら曲面を造形。突板同士の接合部にはクリア・メイプルをダンピング材として挟み込んでいる。異種木材の組み合わせによって、木の響きを活かしつつ不要振動を排除している。

キャビネットの製造工程

キャビネットの天地には、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートを装備。背面もアルミニウムパーツで挟み込む独自の「エキソ・スケルトン・クランプ」構造を採用することで、美しい木製キャビネットの音響特性を引き出すとしている。

バスレフポートはウーファーの背面部に設置。ダクトに適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールし再生レンジの拡大を図る「ステルス・ウルトラフレックス」機構を継承。波状のポート出口構造で気流の乱れを最適化し、低域の再現性の向上を図っている。

サイズは416W×516D×1180Hmm、質量は56kg(1本)。周波数特性は28Hz-35kHz、出力音圧レベルは91dB/W/m、公称インピーダンスは4Ω。クロスオーバー周波数は200Hz、270Hz、2,200Hz。バイワイヤリングに対応する。

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