【PR】Luminaシリーズがスマッシュヒット
ソナス・ファベールのLumina、Sonetto、Olympica Novaを徹底聴き比べ!芸術の国イタリアの伝統が息づく
■イタリアの名門ソナス・ファベールの「Lumina」が大ヒット中
オーディオの世界でイタリアの著名ブランドといえばソナス・ファベールが筆頭に上がる。その名門から登場した「Lumina(ルミナ)」の人気が加速し、ライバルを抜いて独走を続けているという。人気の秘密を実際に音を聴ききながら探りつつ、上位シリーズとの共通点や個性の違いをたしかめることがこの記事の狙いだ。
聴き比べたのは「Lumina III」「Sonetto III」「Olympica Nova III」の3モデルで、いずれもフロアスタンディング型。3ウェイ4スピーカーというユニット構成は共通だが、クラスは異なる。価格で比べるとLumina IIIに対してSonetto IIIは2倍、Olympica Nova IIIは5倍以上という関係で、大まかに言えばエントリー、ミドルレンジ、ハイエンドと3つのクラスに分かれるのだ。
同じ価格帯のなかで性能や個性の違いを見極めるのがいつもの聴き方だが、今回はあえて同ブランドのスピーカーをクラス違いで聴き比べることにした。基本設計やキャビネット構造の違いで表現がどう変わるのか、聴きどころはたくさんある。
■歌の表情をひときわ鮮やかに描き出す。アクティブな鳴り方と明るい音色が特徴
価格順にLumina IIIから聴いていこう。キャビネットの基本設計が上位2シリーズとは異なり、Luminaはスクエアな形状だが、7層の積層板に突板仕上げを施したフロントバッフルの質感が高く、ソナス・ファベールらしい外観の持ち主だ。レザー仕上げも含めて素材の吟味に長けていることもこのブランドの美点の一つと言っていい。
以前に聴いたLumina Iの艷やかなヴァイオリンの音が耳に強く刻まれていたので、Lumina IIIでもまずはショスタコーヴィチとヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲」を聴いた。前者はイブラギモヴァ、後者はビオンディが独奏を弾いていて、曲調も音色も対照的な作品だ。
結論から言うと、Lumina IIIはそれぞれの奏者の演奏と音色の特長を忠実に鳴らし分ける。イブラギモヴァの音は鋭くテンションが高いだけでなく、絞り出すような凄みのある音にも説得力がある。一方のビオンディの独奏は明るく艷やかで、低音の潤いと中高音の輝きの対比が鮮やかだ。ウーファーを上下に重ねていても低音楽器の動きが反応が良く、テンポの速い楽章の推進力に緩みはない。
ソナス・ファベールのスピーカーは歌の表情をひときわ鮮やかに引き出すことにも定評がある。こちらも対照的な2つの曲で聴き比べてみよう。多重録音を駆使したデュオ「ムジカ・ヌーダ」のスタジオ録音は、ヴォーカルとベースがぶつかったり寄り添ったり変化に富んだ演奏を豊かな起伏で描き出し、エキセントリックな要素もギリギリまで踏み込んで鳴らす。過激な表現を無難にまとめるのではなく、激しい部分は遠慮なく正直に再現する。ベースは弦の張力が高く、一音一音の切れの良さを強く印象付けた。
男性ソプラノ・マリーニョと、アルト・カウンターテナーのミネッチアが独唱を歌うペルゴレージの『スターバト・マーテル』も美意識を突き詰めたある意味でエクストリームな演奏だ。男声ソプラノとカウンターテナーの重唱は強さと透明感が共存した独特のハーモニーを生み、声そのものの美しさもあいまって強く引き込まれた。極端に残響が長いヴェルサイユの旧王室礼拝堂での録音なのだが、通奏低音の音域まで見通しが良く、独唱の2人とピタリと同期して素早く動く。
リズム楽器の動きの軽さはドナルド・フェイゲン《ニュー・フロンティア》を聴けばすぐに気付く。ベースは少しも停滞しないでテンポをキープし、キーボードが短く刻むリズムの切れがいい。効果的に挿入されるギターのフレーズは明るい音色でリズム楽器をくぐり抜け、ヴォーカルと同じぐらい前に出てくる。このアクティブな鳴り方と明るい音色は、ブックシェルフ型「Lumina I」でも実感したシリーズ共通の長所だと思う。
■形状や仕上げもワンランクアップ。低音楽器が厚く落ち着いた音調に
次にSonetto IIIに交換し、Lumina IIIと同様にソウリューションのプリメインアンプ「330」で鳴らす。キャビネットはソナス・ファベールの上級機でおなじみのリュート型になり、MDF材の表面を突板で仕上げたなめらかな加工の美しさにしばし目を奪われる。
洗練された木工技術は創業以来同社の製品に共通する強みの一つだが、Sonetto以上のクラスでは見た目の点でも格上の仕上げとなる。ドライバーユニットの固定方法やコーナー部分の緻密な作りなど、どの角度から見ても隙がなく、毎日見ても飽きのこない外観だ。
ビオンディが弾くヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲」はオーケストラの重心が一段階下がり、低弦の支えが厚い。Lumina IIIよりも落ち着いた音調に感じるのはこの低音楽器の厚みが理由だと思うが、音をふくらませて量感を引き出すのではなく、立ち上がりを改善して振動の初速を上げていることが効いている。大量の空気が風のように動くので、オーケストラの和音が安定し、重心が下がるのだ。
ペルゴレージの作品でも同じ効果を聴き取ることができた。残響が長いのに声の音域で高い透明感をキープしているのは、低音の質感が上がったためだろう。マリーニョの澄み切った高音がオーケストラの楽器群を越えて高い位置から浸透してくる感触がとても心地よい。最高音域まで響きが飽和せず、潤いを失わないことにも注目したい。他のスピーカーと比べるときは、ソプラノやテノールの高音域の力強さをどこまで引き出せるかという点に注意しながら聴き比べることをお薦めする。
ムジカ・ヌーダのヴォーカルはイタリア語やフランス語の発音が鮮明で、息の強さと母音の明るさが際立つ。明瞭な発音は音域が2オクターブ以上離れているベースの基音帯域でも変わらず実感できるSonetto IIIの長所で、ヴォーカルと動きが同期するフレーズでも二人のアタックがピタリと揃うのが気持ちいい。ペルゴレージで聴いたラテン語もそうだが、音楽再生で言葉を正確に伝えることの大切さをあらためて思い知らされた。
■マッシブでスケールの大きなサウンド。まさにハイエンドの世界を楽しませる
最後に「Olympica Nova III」を聴いた。キャビネットは左右非対称のエンハンスド・ライラ・シェイプを採用し、縦長のバスレフポート「ステルス・ウルトラフレックス」を組み込んだ凝った構造に進化している。このポートは強靭なアルミ押し出し材でキャビネット上下のアルミプレート同士を連結する役割も担っており、剛性を上げる効果が高い。
細部の精密な仕上げや木目を左右で揃える気配りなど、こだわりの強さはLuminaやSonettoを明らかに凌駕する。ここまでくると工業製品ではなく工芸品と呼びたくなるが、ソナス・ファベールにはさらに上位のモデル群が存在するので、その言葉はあえて使わないでおこう。
オーケストラの重心はSonetto IIIよりもさらに半オクターブぐらい下がる。ストゥールゴールズ指揮、BBCフィルの演奏で『ショスタコーヴィチ:交響曲第11番』から第4楽章を聴くと、ステージを埋める楽器の数の多さを目の当たりにし、マッシブでスケールの大きなサウンドが押し寄せる。量感が増えても解像感やスピードはむしろ上がっていて、音像定位の安定感も別格だ。打楽器や低弦が凶暴なまでのフォルテシモを叩き出しても音像は微塵もぶれることなく、オーケストラ全体が同期して強靭なリズムを刻む。同じ曲をSonetto IIIで聴いたときとは目の前に広がる景色が明らかに別物だ。
ビオンディの独奏ヴァイオリンは明るい音色はそのままに勢いの強さが加わり、弱音ではビブラートの表情や音色の使い分けなど、細かいニュアンスの変化がそのまま浮かび上がる。そして、音色を正確に描き分ける忠実さだけにとどまらず、フォルテやピアニシモでも潤いや艶感を失わないことに深い意味がある。無味乾燥な音は出さず、実際に楽器が鳴っているときの生き生きとした躍動感を聴き手に伝えるという点で、Olympica Nova IIIはやはりハイエンド領域のスピーカーであることを実感させてくれるのだ。
ドナルド・フェイゲン《ニュー・フロンティア》はベースの一音一音に実体感があり、冒頭から最後まで骨格を強化したようなサウンドに生まれ変わった。ドライバーユニットが繰り出すベースとドラムのエネルギーをキャビネットが確実に受け止め、瞬時に放射される大量の空気は独自構造のポートを介してスムーズに流れて部屋全体を満たす。ここまで質感の高い低音を引き出すにはアンプの選択や部屋の音響チューニングにも気を配る必要があるのだが、追い込めばそれだけ高い到達点に至るということでもある。
◇
クラスが違う3つのスピーカーを同じ条件で聴き比べる体験は時間を忘れるほど充実したものだった。Lumina、Sonetto、Olympica Novaそれぞれの個性とスピーカーごとのパフォーマンスの違いに重点を置いて紹介したが、クラスの違いを超えて共通するソナス・ファベールならではの長所もいくつか浮かび上がってきた。
特に今回の試聴で気付いたのは、どのスピーカーも音色のパレットに余裕があり、実際の演奏さながらに振れ幅の大きい表現ができることだ。無難な表現に収まるのではなく、必要なときはギリギリの表現まで踏み込む。予定調和の優等生的キャラクターとは真逆で、ときには少し枠からはみ出すこともいとわない。音楽に本来そなわる過激さや高揚を隠さず引き出すのは大きな強みととらえるべきだ。
(提供:株式会社ノア)
オーディオの世界でイタリアの著名ブランドといえばソナス・ファベールが筆頭に上がる。その名門から登場した「Lumina(ルミナ)」の人気が加速し、ライバルを抜いて独走を続けているという。人気の秘密を実際に音を聴ききながら探りつつ、上位シリーズとの共通点や個性の違いをたしかめることがこの記事の狙いだ。
聴き比べたのは「Lumina III」「Sonetto III」「Olympica Nova III」の3モデルで、いずれもフロアスタンディング型。3ウェイ4スピーカーというユニット構成は共通だが、クラスは異なる。価格で比べるとLumina IIIに対してSonetto IIIは2倍、Olympica Nova IIIは5倍以上という関係で、大まかに言えばエントリー、ミドルレンジ、ハイエンドと3つのクラスに分かれるのだ。
同じ価格帯のなかで性能や個性の違いを見極めるのがいつもの聴き方だが、今回はあえて同ブランドのスピーカーをクラス違いで聴き比べることにした。基本設計やキャビネット構造の違いで表現がどう変わるのか、聴きどころはたくさんある。
■歌の表情をひときわ鮮やかに描き出す。アクティブな鳴り方と明るい音色が特徴
価格順にLumina IIIから聴いていこう。キャビネットの基本設計が上位2シリーズとは異なり、Luminaはスクエアな形状だが、7層の積層板に突板仕上げを施したフロントバッフルの質感が高く、ソナス・ファベールらしい外観の持ち主だ。レザー仕上げも含めて素材の吟味に長けていることもこのブランドの美点の一つと言っていい。
以前に聴いたLumina Iの艷やかなヴァイオリンの音が耳に強く刻まれていたので、Lumina IIIでもまずはショスタコーヴィチとヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲」を聴いた。前者はイブラギモヴァ、後者はビオンディが独奏を弾いていて、曲調も音色も対照的な作品だ。
結論から言うと、Lumina IIIはそれぞれの奏者の演奏と音色の特長を忠実に鳴らし分ける。イブラギモヴァの音は鋭くテンションが高いだけでなく、絞り出すような凄みのある音にも説得力がある。一方のビオンディの独奏は明るく艷やかで、低音の潤いと中高音の輝きの対比が鮮やかだ。ウーファーを上下に重ねていても低音楽器の動きが反応が良く、テンポの速い楽章の推進力に緩みはない。
ソナス・ファベールのスピーカーは歌の表情をひときわ鮮やかに引き出すことにも定評がある。こちらも対照的な2つの曲で聴き比べてみよう。多重録音を駆使したデュオ「ムジカ・ヌーダ」のスタジオ録音は、ヴォーカルとベースがぶつかったり寄り添ったり変化に富んだ演奏を豊かな起伏で描き出し、エキセントリックな要素もギリギリまで踏み込んで鳴らす。過激な表現を無難にまとめるのではなく、激しい部分は遠慮なく正直に再現する。ベースは弦の張力が高く、一音一音の切れの良さを強く印象付けた。
男性ソプラノ・マリーニョと、アルト・カウンターテナーのミネッチアが独唱を歌うペルゴレージの『スターバト・マーテル』も美意識を突き詰めたある意味でエクストリームな演奏だ。男声ソプラノとカウンターテナーの重唱は強さと透明感が共存した独特のハーモニーを生み、声そのものの美しさもあいまって強く引き込まれた。極端に残響が長いヴェルサイユの旧王室礼拝堂での録音なのだが、通奏低音の音域まで見通しが良く、独唱の2人とピタリと同期して素早く動く。
リズム楽器の動きの軽さはドナルド・フェイゲン《ニュー・フロンティア》を聴けばすぐに気付く。ベースは少しも停滞しないでテンポをキープし、キーボードが短く刻むリズムの切れがいい。効果的に挿入されるギターのフレーズは明るい音色でリズム楽器をくぐり抜け、ヴォーカルと同じぐらい前に出てくる。このアクティブな鳴り方と明るい音色は、ブックシェルフ型「Lumina I」でも実感したシリーズ共通の長所だと思う。
■形状や仕上げもワンランクアップ。低音楽器が厚く落ち着いた音調に
次にSonetto IIIに交換し、Lumina IIIと同様にソウリューションのプリメインアンプ「330」で鳴らす。キャビネットはソナス・ファベールの上級機でおなじみのリュート型になり、MDF材の表面を突板で仕上げたなめらかな加工の美しさにしばし目を奪われる。
洗練された木工技術は創業以来同社の製品に共通する強みの一つだが、Sonetto以上のクラスでは見た目の点でも格上の仕上げとなる。ドライバーユニットの固定方法やコーナー部分の緻密な作りなど、どの角度から見ても隙がなく、毎日見ても飽きのこない外観だ。
ビオンディが弾くヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲」はオーケストラの重心が一段階下がり、低弦の支えが厚い。Lumina IIIよりも落ち着いた音調に感じるのはこの低音楽器の厚みが理由だと思うが、音をふくらませて量感を引き出すのではなく、立ち上がりを改善して振動の初速を上げていることが効いている。大量の空気が風のように動くので、オーケストラの和音が安定し、重心が下がるのだ。
ペルゴレージの作品でも同じ効果を聴き取ることができた。残響が長いのに声の音域で高い透明感をキープしているのは、低音の質感が上がったためだろう。マリーニョの澄み切った高音がオーケストラの楽器群を越えて高い位置から浸透してくる感触がとても心地よい。最高音域まで響きが飽和せず、潤いを失わないことにも注目したい。他のスピーカーと比べるときは、ソプラノやテノールの高音域の力強さをどこまで引き出せるかという点に注意しながら聴き比べることをお薦めする。
ムジカ・ヌーダのヴォーカルはイタリア語やフランス語の発音が鮮明で、息の強さと母音の明るさが際立つ。明瞭な発音は音域が2オクターブ以上離れているベースの基音帯域でも変わらず実感できるSonetto IIIの長所で、ヴォーカルと動きが同期するフレーズでも二人のアタックがピタリと揃うのが気持ちいい。ペルゴレージで聴いたラテン語もそうだが、音楽再生で言葉を正確に伝えることの大切さをあらためて思い知らされた。
■マッシブでスケールの大きなサウンド。まさにハイエンドの世界を楽しませる
最後に「Olympica Nova III」を聴いた。キャビネットは左右非対称のエンハンスド・ライラ・シェイプを採用し、縦長のバスレフポート「ステルス・ウルトラフレックス」を組み込んだ凝った構造に進化している。このポートは強靭なアルミ押し出し材でキャビネット上下のアルミプレート同士を連結する役割も担っており、剛性を上げる効果が高い。
細部の精密な仕上げや木目を左右で揃える気配りなど、こだわりの強さはLuminaやSonettoを明らかに凌駕する。ここまでくると工業製品ではなく工芸品と呼びたくなるが、ソナス・ファベールにはさらに上位のモデル群が存在するので、その言葉はあえて使わないでおこう。
オーケストラの重心はSonetto IIIよりもさらに半オクターブぐらい下がる。ストゥールゴールズ指揮、BBCフィルの演奏で『ショスタコーヴィチ:交響曲第11番』から第4楽章を聴くと、ステージを埋める楽器の数の多さを目の当たりにし、マッシブでスケールの大きなサウンドが押し寄せる。量感が増えても解像感やスピードはむしろ上がっていて、音像定位の安定感も別格だ。打楽器や低弦が凶暴なまでのフォルテシモを叩き出しても音像は微塵もぶれることなく、オーケストラ全体が同期して強靭なリズムを刻む。同じ曲をSonetto IIIで聴いたときとは目の前に広がる景色が明らかに別物だ。
ビオンディの独奏ヴァイオリンは明るい音色はそのままに勢いの強さが加わり、弱音ではビブラートの表情や音色の使い分けなど、細かいニュアンスの変化がそのまま浮かび上がる。そして、音色を正確に描き分ける忠実さだけにとどまらず、フォルテやピアニシモでも潤いや艶感を失わないことに深い意味がある。無味乾燥な音は出さず、実際に楽器が鳴っているときの生き生きとした躍動感を聴き手に伝えるという点で、Olympica Nova IIIはやはりハイエンド領域のスピーカーであることを実感させてくれるのだ。
ドナルド・フェイゲン《ニュー・フロンティア》はベースの一音一音に実体感があり、冒頭から最後まで骨格を強化したようなサウンドに生まれ変わった。ドライバーユニットが繰り出すベースとドラムのエネルギーをキャビネットが確実に受け止め、瞬時に放射される大量の空気は独自構造のポートを介してスムーズに流れて部屋全体を満たす。ここまで質感の高い低音を引き出すにはアンプの選択や部屋の音響チューニングにも気を配る必要があるのだが、追い込めばそれだけ高い到達点に至るということでもある。
クラスが違う3つのスピーカーを同じ条件で聴き比べる体験は時間を忘れるほど充実したものだった。Lumina、Sonetto、Olympica Novaそれぞれの個性とスピーカーごとのパフォーマンスの違いに重点を置いて紹介したが、クラスの違いを超えて共通するソナス・ファベールならではの長所もいくつか浮かび上がってきた。
特に今回の試聴で気付いたのは、どのスピーカーも音色のパレットに余裕があり、実際の演奏さながらに振れ幅の大きい表現ができることだ。無難な表現に収まるのではなく、必要なときはギリギリの表現まで踏み込む。予定調和の優等生的キャラクターとは真逆で、ときには少し枠からはみ出すこともいとわない。音楽に本来そなわる過激さや高揚を隠さず引き出すのは大きな強みととらえるべきだ。
(提供:株式会社ノア)