最新アルバム『Jazz Hands』も語る
イマーシブオーディオはまさに「アメージング!」。ボブ・ジェームスと聴くAURO-3D体験
ニューアルバム『Jazz Hands』を引っ提げて来日公演中のジャズ/フュージョンピアニスト、ボブ・ジェームス。御年83歳を迎えてなお、精力的に世界各国をツアーで回っている。同氏とともに最新アルバムと、前作『Feel Like Making Live!』のイマーシブオーディオを聴く試聴会が、WOWOWのオムニクロススタジオにて開催された。
『Feel Like Making Live!』は、ボブ・ジェームスのFourplay時代とソロの代表曲をセルフカバーしたライブアルバム。CDやアナログ盤などに加えて4K UHD BDでもリリースされており、そちらには「AURO-3Dフォーマット」も収録されている。そのAURO-3DのミックスをWOWOWの入交英雄氏が手掛けたことから、今回の試聴会が実現した。
コロナ禍という事情もあり、ボブ・ジェームス氏もAURO-3Dフォーマットの完成版を試聴するのは今回が初めてだという。まずはアルバム名の“元ネタ”である「Feel Like Making Love」を、2chステレオとAURO-3D(今回は7.2.4chで再生)で聴き比べ。AURO-3Dが再生された瞬間に、ボブ・ジェームス氏は思わず天井を見上げ、さらには身体を揺らしリズムを取り始めた。
再生が終わると、「アメージング!」と感嘆の声を上げる。「ステレオとイマーシブオーディオには大きな違いを感じます。イマーシブオーディオは、空間全体で音楽を感じますね。リスナーは、僕のピアノ位置で聴いているかのように感じるかもしれません」とコメント。続けて、「思い出したのですが、私は以前CTIレーベルで4chサウンドを収録したことがありました。ストリングスが後ろに配置されるなどなかなかおもしろい試みでしたが、多少技巧的というか、自然なサウンドには感じられませんでした。しかし、今回のイマーシブオーディオは非常に自然で、美しいサラウンドが実現されていますね」と感銘を受けた様子。
『Feel Like Making LIVE!』は、元々ステレオ用に収録された音源に、あとからイマーシブ成分をミックスして作られている。イマーシブオーディオの成分は、ベルギーのGALAXY STUDIO(AURO-3Dの誕生の地でもある)にて、「スピーカーから音源を再生し、その残響成分を13本のマイクで収録する」ことによって生み出されている。
ミックスを担当した入交氏も、「ライブハウスで最前列でかぶりついて聴く想定で音作りを行っています。マイクで収録することで、デジタル演算では実現できない自然な響きを得ることができました」と解説する。
後半は最新アルバム『Jazz Hands』から、9曲目「The Secret Drawer」を試聴する。「『Feel Like Making LIVE!』は明確なコンセプトがありましたが、この『Jazz Hands』はヒップホップやR&Bなど、さまざまな音楽スタイルを取り入れています。というのも、音楽の聴き方がストリーミング中心になり、1曲ずつ聴くスタイルに変わってきたからです。ですから、今作はあえて言えば“日記”と言える作品ですね」と制作背景を振り返る。
実は記者はこの試聴会の前日に、ブルーノート東京でマイケル・パラッツォーロ(ベース)、ジェームズ・アドキンス(ドラムス)との3人によるボブ・ジェームス氏のトリオ・セッションを鑑賞したばかり。「The Secret Drawer」はライブでも披露され、若い2人をグイグイと引っ張るボブ・ジェームス氏の“ピアノの魔術師”ぶりにはすっかり驚かされた。
その強烈なインパクトが頭の中にまだ残った状態だったが、改めて完成した録音を聴くと、細かな指先のニュアンス表現やミュージシャンたちの息遣いもしっかり伝わってきて、ライブ体験とはまた違った気づきをもたらしてくれる。ボブ・ジェームス氏も、evosoundレーベルが追求する「クオリティの高い映像・音楽制作」には一目置いているようで、そのこだわりの一端を改めて理解することができた。
ボブ・ジェームス氏は最後に、「このスタジオ(オムニクロススタジオ)を自宅にも作りたいね!」とイマーシブオーディオにすっかり感激した様子。新作『Jazz Hands』のイマーシブ化も今後期待したいところだ。
『Feel Like Making Live!』は、ボブ・ジェームスのFourplay時代とソロの代表曲をセルフカバーしたライブアルバム。CDやアナログ盤などに加えて4K UHD BDでもリリースされており、そちらには「AURO-3Dフォーマット」も収録されている。そのAURO-3DのミックスをWOWOWの入交英雄氏が手掛けたことから、今回の試聴会が実現した。
コロナ禍という事情もあり、ボブ・ジェームス氏もAURO-3Dフォーマットの完成版を試聴するのは今回が初めてだという。まずはアルバム名の“元ネタ”である「Feel Like Making Love」を、2chステレオとAURO-3D(今回は7.2.4chで再生)で聴き比べ。AURO-3Dが再生された瞬間に、ボブ・ジェームス氏は思わず天井を見上げ、さらには身体を揺らしリズムを取り始めた。
再生が終わると、「アメージング!」と感嘆の声を上げる。「ステレオとイマーシブオーディオには大きな違いを感じます。イマーシブオーディオは、空間全体で音楽を感じますね。リスナーは、僕のピアノ位置で聴いているかのように感じるかもしれません」とコメント。続けて、「思い出したのですが、私は以前CTIレーベルで4chサウンドを収録したことがありました。ストリングスが後ろに配置されるなどなかなかおもしろい試みでしたが、多少技巧的というか、自然なサウンドには感じられませんでした。しかし、今回のイマーシブオーディオは非常に自然で、美しいサラウンドが実現されていますね」と感銘を受けた様子。
『Feel Like Making LIVE!』は、元々ステレオ用に収録された音源に、あとからイマーシブ成分をミックスして作られている。イマーシブオーディオの成分は、ベルギーのGALAXY STUDIO(AURO-3Dの誕生の地でもある)にて、「スピーカーから音源を再生し、その残響成分を13本のマイクで収録する」ことによって生み出されている。
ミックスを担当した入交氏も、「ライブハウスで最前列でかぶりついて聴く想定で音作りを行っています。マイクで収録することで、デジタル演算では実現できない自然な響きを得ることができました」と解説する。
後半は最新アルバム『Jazz Hands』から、9曲目「The Secret Drawer」を試聴する。「『Feel Like Making LIVE!』は明確なコンセプトがありましたが、この『Jazz Hands』はヒップホップやR&Bなど、さまざまな音楽スタイルを取り入れています。というのも、音楽の聴き方がストリーミング中心になり、1曲ずつ聴くスタイルに変わってきたからです。ですから、今作はあえて言えば“日記”と言える作品ですね」と制作背景を振り返る。
実は記者はこの試聴会の前日に、ブルーノート東京でマイケル・パラッツォーロ(ベース)、ジェームズ・アドキンス(ドラムス)との3人によるボブ・ジェームス氏のトリオ・セッションを鑑賞したばかり。「The Secret Drawer」はライブでも披露され、若い2人をグイグイと引っ張るボブ・ジェームス氏の“ピアノの魔術師”ぶりにはすっかり驚かされた。
その強烈なインパクトが頭の中にまだ残った状態だったが、改めて完成した録音を聴くと、細かな指先のニュアンス表現やミュージシャンたちの息遣いもしっかり伝わってきて、ライブ体験とはまた違った気づきをもたらしてくれる。ボブ・ジェームス氏も、evosoundレーベルが追求する「クオリティの高い映像・音楽制作」には一目置いているようで、そのこだわりの一端を改めて理解することができた。
ボブ・ジェームス氏は最後に、「このスタジオ(オムニクロススタジオ)を自宅にも作りたいね!」とイマーシブオーディオにすっかり感激した様子。新作『Jazz Hands』のイマーシブ化も今後期待したいところだ。
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