“ながら聴き” アイテムはファミリー層にも人気

「マニアックなオーディオの楽しさをもっと伝えたい」代官山蔦屋書店の野村ケンジ氏主催イベントレポート

公開日 2024/07/23 12:00 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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代官山の蔦屋書店にて、オーディオ評論家の野村ケンジ氏が主催するオーディオイベント「オーディオLABO Session1」が7月20日(土)と21日(日)に開催された。

野村ケンジ氏とリアルサウンドテック編集部による「オーディオLABO Session1」が開催

一口にオーディオイベントとはいうものの、絵本や書籍、レコード、ガジェットなどが多く並ぶ蔦屋書店の一角(1号館2階の音楽フロア)に机をならべ、“ながら聴き” アイテムから本格派DAPやヘッドホン、コンパクトCDプレーヤーまで幅広く展示、実際に手にとって音を確認できる、かなりオープンな雰囲気のイベントだ。

野村ケンジ氏は今回の企画について、「蔦屋書店という場所を借りてオーディオのイベントをすることで、マニアではない人にもマニアックなオーディオ製品の楽しさを知ってもらいたい、という思いがあります」と幅広い音楽好きへのアプローチに力を入れていると語る。

来場するお客さんを見ていても、ベビーカーを押した女性や家族連れ、海外からのお客さんがふらりと立ち寄ってくれる一方で、 “試聴目当てに来ました!” と気合い充分なマニアまで幅広い。子育て中のお母さんにとっても「ながら聴きイヤホン」はかなり魅力的なようで、子供の声や来訪者など周りの音がちゃんと耳に届きながら、音楽も楽しめるという点にかなり心惹かれていた様子。

SHOKZの“ながら聴き”アイテムにも関心が高い

nwmは先日発表したばかりの耳を塞がないヘッドホン「nwm one」を展示。耳のそばに大型の2ウェイドライバーを配置しているが、耳穴を閉じ込めずにスケルトンなデザインというのも面白い。実際に体験してみると、軽量で装着感もよく、しっかり聴こえてくるのにまったく音漏れしないのはとても不思議。インバウンドの購入も含め、10台以上がその場で売れたというから注目の高さもうかがえる。

NTTソノリティ・nwmブランドの「nwm one」も大人気。実際に体験した人の多くがそのサウンドに驚いていた

ほかにもShanlingのコンパクトCDプレーヤー「EC Smart」は若いカップルにも人気で、CDを縦に配置してクルクル回転するのが見えるのはなかなかに新鮮。ELACの小型アクティブスピーカー「Debut ConneX DCB41 DS」と組み合わせ、シンプルにCD再生できるシステムの提案も行っていた。

ShanlingのCDプレーヤー&ELACのスピーカーの組み合わせも人気

マニアにとって見逃せないのは、HIFIMANの100万円オーバーの高級ヘッドホン「SUSVALA Unveiled」。クラシックも余裕をもって鳴らし切る実力は見事で、野村氏も「音が自然に身体に伝わってくる感じがします」と音質に太鼓判。「静電型ヘッドホンの、繊細な振動板の製造技術の高さもHIFIMANならではではないかと感じています」と開発から製造まで一貫したHIFIMANならではの強みを力説する。

よりマニア向けにはHIFIMANの「SUSVALA Unveiled」も展示。じっくり聴き込める

サイラスはLuxury&PrecisionのDAPやスティック型DAC、Oriolusのイヤホンなど同社の主力ラインナップを展示。スティック型DACは、シルバーの「W4」、ブルーの「W4EX」に加えて、さらにW4EXから駆動力を増したというグリーンの「W2Ultra」を初披露。グッと力感ありながらもディテール豊かな表現に引き込まれてしまった。

左から「W2Ultra」「W4EX」「W4」

蔦屋家電はオーディオ関連イベントにも積極的に力をいれており、新しいテクノロジーを活用したガジェットアイテムから、本格オーディオを体験できる場まで、ライフスタイルの中で自然にオーディオを溶け込ませる提案を多角的に行っている。野村氏も今回のイベントで大きな手応えを得たようで、「今後もまたイベント仕掛けます!」と力強く語ってくれた。

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