「TRZ-300W」をベースにパワーアンプとして設計

トライオード、A級パラシングル構成の300B真空管搭載ステレオパワーアンプ「TRZ-P300W」

公開日 2024/10/01 16:17 編集部 : 伴 修二郎
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トライオードは、300B真空管を搭載するA級パラシングル構成のステレオパワーアンプ「TRZ-P300W」を2024年12月より発売。あわせて、真空管にPSVANE WE300Bを搭載したモデル「TRZ-P300W-WE300B」も同時展開する。価格はTRZ-P300Wが660,000円、TRZ-P300W-WE300Bが783,200円(表記いずれも税込)。

なお、本機は展示機があり試聴ができるなど一定の条件を満たした「トライオードプレミアムショップ」認定店のみでの取り扱いとなり、インターネット上での販売は行わないとしている。

「TRZ-P300W」

「TRZ-P300W」は、2016年まで販売されていた300B A級パラシングルの定番モデル「VP-300BD」の後継機として2019年10月に発売したプリメインアンプ「TRZ-300W」をベースに、パワーアンプとして設計し直したモデル。あわせて、往年の300Bオリジナル真空管に迫るクオリティを再現したと謳う真空管PSVANE WE300Bを搭載するモデル「WE300B」仕様も用意する。

回路型式はA級パラシングルで、真空管は300B×4、12AX7×2、12AU7×2を搭載。直熱三極管の魅力を損うことなく引き出しながら様々なスピーカーのドライブに十分な出力が得られるというA級パラシングル回路によって、定格出力20W+20W(8Ω)を確保したとする。

電源部には大型のトロイダル電源トランスを搭載するほか、整流素子には応答が良く損失が少ないとするSiCショットキーバリア整流ダイオードを採用した。これにより、高効率且つ強力でレスポンスの早い電源供給を実現するという。

バイアスメーターとバイアス調整ボリュームを装備しており、メーターを確認しながら簡単にバイアス調整が可能。また、直熱三極管アンプではハムバランサーという手動式の回路でハムノイズを消す調整が必要があったが、本機では独自のTHC(トライオード・ハム・キャンセリング)回路を採用することでその調整が不要になっている。

電源ケーブルには、銅線の素材に高品質なディップフォーミング無酸素銅(DF-OFC)を使用する「TR-PS2」を標準搭載する。また、カップリングコンデンサーには高純度スクワランオイル、真鍮躯体、リード線に金メッキ無酸素銅線を使用したアムトランス製のAMCSオイルコンデンサーを採用している。

筐体はステンレスシャーシに、ブラックヘアライン仕上げの重厚なアルミフロントパネルと黒光沢塗装の大型トランスを組み合わせ、「コントラストが美しい精悍なデザイン」とアピール。トランスの天面には8mm厚のアルミ切削のトッププレートを装着し、トランスの振動低減と放熱効果の改善を図ったという。

入力端子はMAIN IN入力、出力端子はスピーカー出力(4-8Ω)をそれぞれ1系統ずつ備える。周波数特性は5Hz - 70kHz(-3dB)、SN比は93dB。消費電力は定格240W、無信号時210W。外形寸法は440W×220H×350Dmm、質量は33.6kg。ほか、付属品として真空管ボンネットを同梱する。

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