dCS、MSBなどハイエンドヘッドホンアンプにも注目
【台湾ヘッドホンショウ】据え置きハイエンドシステムも人気。Innuos、AURALiCなど国内未導入のネットワークブランドも
台湾のヘッドホンイベントでは、ポータブル機器以外にも、ハイエンドの据え置きヘッドホンシステムも多く展示されていた。LUMINやaurenderなどのネットワークプレーヤーを使用するスタイルである。
ストリーミング再生は若い世代を中心に非常に発展しているそうで、現地のオーガナイザーに聞くと、特にTIDALの利用率が高いという。ただしTIDALは台湾では正式にスタートしておらず、VPNを使ってアカウントを取得しているそうだ(Apple Musicは使用可能、またQobuzもサービスインしていないとのこと。KKBOXという台湾発のサービスもあるが、“聴ける楽曲がイマイチ”という理由であまり普及していないそう)。
台湾のディーラー、雄發音響のブースでは、Innuosのネットワークトランスポート「ZENith」に、Total DACの「D1-biunity」をDAC&プリアンプとして活用、MSBの「Premier Headphone Amplifier」をパワーアンプとして使う最上級クラスのハイエンドシステムを展示していた。
Innuosはポーランドのネットワークオーディオブランドで、海外のオーディオショウではしばしば見かけるものの、日本未導入のため以前から気になっていたブランド。Total DACはその名の通りDACに強みを持つフランスブランドで、こちらも海外レビューサイトなどで評価も高い。InnuosはPCブラウザから操作を行なって再生した。
DUNUの平面磁界型ヘッドホン「嵐」で再生すると、これぞハイエンドにしか実現できない壮大さ、奥行きの深さを聴かせてくれてううむと唸る。久石譲の『A Symphonic Celebration』におけるオーケストラのハーモニーの溶け合いは極上で、広いサウンドステージがどこまでも広がっていくよう。ハイエンド・ヘッドホンならではの世界観に圧倒された。ヘッドホンアンプにおいてもプリとパワーを分離することによる音質効果は日本でも徐々に広がっているが、改めてその効果のほどを体験できた。
極品音響はaurenderやDALI、エステロンなどハイエンドブランドを取り扱う代理店。こちらのブースでは、aurenderのネットワークプレーヤー「A1000」と、真空管ヘッドホンアンプPrima「EvoLution」の組み合わせでデモしていたが、そこに各種アクセサリーを組み込んでいるのが大きな特徴。ケーブルもCardasという念の入れようだ。
「ネットワークはノイズが乗りやすいですから、そこを対策してあげることでヘッドホン再生でも大きな効果があります」とブースのスタッフ。SOtMのネットワークハブ、SOtMのクロック、EAhybridの強化電源、さらにこちらは初めてみたがMontaudio(ニュージーランドのブランド)の強化グラウンド「Wanaka G1」を追加した万全の体制。耳元で再生するヘッドホンだからこそ、雑味のない音がダイレクトに入ってくるのはとても感動的で、高域の伸びやかさや低音の切れ味と分離感も体感できる。
日本では展開されていないネットワークオーディオブランドAURALiCも、品嘉音響(ディーラー)のブースにて展示されていた。Ferrum Audioのヘッドホンアンプ「OOR」、Austrian Audio「The Composer」やオーディオテクニカ「ATH-ADX3000」などで試聴ができる。AURALiCはフロントに設置された大型のディスプレイが特徴で、直感的に操作可能なアプリもグッド。宇多田ヒカルでは、ADX3000の開放的な伸びやかさを聴かせてくれてなかなか好印象。
こちらも台湾ディーラー・楊仕音響のブースではdCSのヘッドホンアンプ「LINA」&フォーカルの「UTOPIA SG」という組み合わせ。InnuosのネットワークプレーヤーとTotal DAC、そしてRoonを使っての再生となる。ぐっと質感の良い柔らかな、しかし芯の通った女性ヴォーカルが耳をくすぐる。高解像度だが決して冷たくないdCSの魅力を再確認。
ソース機器としては総じてDAPの使用が多かったが(ソニー、Astell&Kern、Lotooが人気)、スマホからのドングルDAC出力で試聴する人も多く見られた。数は少ないがRoonを活用していたブースもある。なお一社のみfoobar2000を使っているブースがあり、歴戦の勇者に久しぶりにあいまみえたような感動を覚えた。
そのほかプロ向けブランドの出自を持ちながら、コンシューマープロダクトにも力をいれるAustrian Audio、ベイヤーダイナミック、AUDEZEなども出展していた。
ベイヤーダイナミック、AUDEZEを展開するのは正成集團という代理店で、スタッフによると「2023年にソニーがAUDEZE社を買収したことから、商流が変わって新たに取り扱うことができるようになった」とのこと。現在の一押しだというオープンタイプの「MM-100」、それにベイヤーダイナミックの「DT 1770 PRO MKII」(密閉型)「DT 1990 PRO MKII」(開放型)という3機種の聴き比べをさせてもらった。
組み合わせたのはTOPPINGの「DX1」という日本円で1万円程度のヘッドホンアンプだが、これがなかなか良い。MM-100の肩肘張らない自然な質感表現が魅力的、1770と1990も気になる聴き比べとなるが、1770は中低域の温度感高い再現性、1990は特に高域に抜けの良さが加わった印象だ。いずれもプロ向けならではの解像感の良さを持ちつつ、音の違いをしっかり演出してくれるモデルと感じられた。
ストリーミング再生は若い世代を中心に非常に発展しているそうで、現地のオーガナイザーに聞くと、特にTIDALの利用率が高いという。ただしTIDALは台湾では正式にスタートしておらず、VPNを使ってアカウントを取得しているそうだ(Apple Musicは使用可能、またQobuzもサービスインしていないとのこと。KKBOXという台湾発のサービスもあるが、“聴ける楽曲がイマイチ”という理由であまり普及していないそう)。
台湾のディーラー、雄發音響のブースでは、Innuosのネットワークトランスポート「ZENith」に、Total DACの「D1-biunity」をDAC&プリアンプとして活用、MSBの「Premier Headphone Amplifier」をパワーアンプとして使う最上級クラスのハイエンドシステムを展示していた。
Innuosはポーランドのネットワークオーディオブランドで、海外のオーディオショウではしばしば見かけるものの、日本未導入のため以前から気になっていたブランド。Total DACはその名の通りDACに強みを持つフランスブランドで、こちらも海外レビューサイトなどで評価も高い。InnuosはPCブラウザから操作を行なって再生した。
DUNUの平面磁界型ヘッドホン「嵐」で再生すると、これぞハイエンドにしか実現できない壮大さ、奥行きの深さを聴かせてくれてううむと唸る。久石譲の『A Symphonic Celebration』におけるオーケストラのハーモニーの溶け合いは極上で、広いサウンドステージがどこまでも広がっていくよう。ハイエンド・ヘッドホンならではの世界観に圧倒された。ヘッドホンアンプにおいてもプリとパワーを分離することによる音質効果は日本でも徐々に広がっているが、改めてその効果のほどを体験できた。
極品音響はaurenderやDALI、エステロンなどハイエンドブランドを取り扱う代理店。こちらのブースでは、aurenderのネットワークプレーヤー「A1000」と、真空管ヘッドホンアンプPrima「EvoLution」の組み合わせでデモしていたが、そこに各種アクセサリーを組み込んでいるのが大きな特徴。ケーブルもCardasという念の入れようだ。
「ネットワークはノイズが乗りやすいですから、そこを対策してあげることでヘッドホン再生でも大きな効果があります」とブースのスタッフ。SOtMのネットワークハブ、SOtMのクロック、EAhybridの強化電源、さらにこちらは初めてみたがMontaudio(ニュージーランドのブランド)の強化グラウンド「Wanaka G1」を追加した万全の体制。耳元で再生するヘッドホンだからこそ、雑味のない音がダイレクトに入ってくるのはとても感動的で、高域の伸びやかさや低音の切れ味と分離感も体感できる。
日本では展開されていないネットワークオーディオブランドAURALiCも、品嘉音響(ディーラー)のブースにて展示されていた。Ferrum Audioのヘッドホンアンプ「OOR」、Austrian Audio「The Composer」やオーディオテクニカ「ATH-ADX3000」などで試聴ができる。AURALiCはフロントに設置された大型のディスプレイが特徴で、直感的に操作可能なアプリもグッド。宇多田ヒカルでは、ADX3000の開放的な伸びやかさを聴かせてくれてなかなか好印象。
こちらも台湾ディーラー・楊仕音響のブースではdCSのヘッドホンアンプ「LINA」&フォーカルの「UTOPIA SG」という組み合わせ。InnuosのネットワークプレーヤーとTotal DAC、そしてRoonを使っての再生となる。ぐっと質感の良い柔らかな、しかし芯の通った女性ヴォーカルが耳をくすぐる。高解像度だが決して冷たくないdCSの魅力を再確認。
ソース機器としては総じてDAPの使用が多かったが(ソニー、Astell&Kern、Lotooが人気)、スマホからのドングルDAC出力で試聴する人も多く見られた。数は少ないがRoonを活用していたブースもある。なお一社のみfoobar2000を使っているブースがあり、歴戦の勇者に久しぶりにあいまみえたような感動を覚えた。
そのほかプロ向けブランドの出自を持ちながら、コンシューマープロダクトにも力をいれるAustrian Audio、ベイヤーダイナミック、AUDEZEなども出展していた。
ベイヤーダイナミック、AUDEZEを展開するのは正成集團という代理店で、スタッフによると「2023年にソニーがAUDEZE社を買収したことから、商流が変わって新たに取り扱うことができるようになった」とのこと。現在の一押しだというオープンタイプの「MM-100」、それにベイヤーダイナミックの「DT 1770 PRO MKII」(密閉型)「DT 1990 PRO MKII」(開放型)という3機種の聴き比べをさせてもらった。
組み合わせたのはTOPPINGの「DX1」という日本円で1万円程度のヘッドホンアンプだが、これがなかなか良い。MM-100の肩肘張らない自然な質感表現が魅力的、1770と1990も気になる聴き比べとなるが、1770は中低域の温度感高い再現性、1990は特に高域に抜けの良さが加わった印象だ。いずれもプロ向けならではの解像感の良さを持ちつつ、音の違いをしっかり演出してくれるモデルと感じられた。