東京・銀座、横浜・みなとみらい、名古屋・錦の3 箇所に、大型のブランドショップを展開しているヤマハ。いずれもピアノはもちろん、サックスなどの管楽器、オーディオ機器、配信用機材まで、音と音楽に関わる多種多様な製品を展開するヤマハの製品を実際に体験、購入できる専門ショップとなっている。
ヤマハミュージック 名古屋店の入り口
中でも、2021年4月にリニューアルオープンした名古屋店は、広いオーディオルームとヤマハのフラグシップライン“HiFi5000シリーズ”が常設され、ヤマハ・オーディオが理想とするサウンドを体験できる場所が用意されている。そのサウンドを体験してきたのでレポートしよう。
“HiFi5000シリーズ”が常設されたオーディオルーム。メインスピーカーはもちろん「NS-5000」
名古屋店のオーディオルームは、6F楽譜エリアの奥に設けられている。部屋の広さは15畳程度で、「音楽が生まれた場の音をそのまま届けたい」というヤマハの開発コンセプトを体現できる環境として用意されている。横長の部屋に「NS-5000」スピーカーが設置され、奥にはアナログプレーヤー「GT-5000」が見える。
案内してくれたのはヤマハミュージックジャパン営業企画部のブランド体験運営課名古屋ブランド体験チーフの松井拓海さん。自身も長くドラマーをやっており、もちろん音楽やオーディオが大好き。ヤマハのアナログプレーヤーについても、「音楽のパワー感など、やはりレコードでしか再生できない音がありますよね!」と目を輝かせる。
ブランド体験運営課名古屋ブランド体験チーフの松井拓海さん
ちょうどレコードラックに置かれていた『グレイテスト・ショーマン』のサントラ盤を再生してもらう。音が出た瞬間、名古屋のオーディオルームが19世紀アメリカの劇場に様変わりする。まさにスピーカーが消えた、ステージをかぶりつきで鑑賞しているようなリアリティ。2本のスピーカーによるステレオ再生のはずなのに、身体を回り込むように後方からも音が聴こえてきて、大迫力の一体感である。
アナログプレーヤーは「GT-5000」、プリアンプ「C-5000」にパワーアンプ「M-5000」とフルラインナップが揃う。ヘッドホン「YH-5000SE」も常設
続けて久石譲&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による『A Symphonic Celebration - Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki』から「もののけ姫」を聴く。生命の誕生や人間社会の栄枯盛衰といったダイナミズムを感じさせ、音だけで視覚的な物語を想起させる表現力は圧巻。そしてソプラノ歌手、グレース・デイヴィッドソンのヴォーカルが流れ出した瞬間に、全身を鳥肌がかけめぐる。
3月のテーマは「ミュージカル映画」!さまざまなレコードを体験できる
続けて聴く「帝国のマーチ」(byジョン・ウィリアムズとベルリン・フィル)では、針を落とした瞬間から観客のワクワクまでも伝わってくる。「音楽の生まれた場所」の音を知るとはこういうことかと、改めてヤマハの音作りへの徹底した考え方に恐れ入る。
現在このオーディオルームは予約制で、ベストな音響を体験いただくために、基本的には一組限定で最大6 名までと制限したかたちで運営されている。
定期的にイベントも開催されており、現在は「レコードで聴く名盤シリーズvol.8 ミュージカル音楽」を3月30日まで開催中(だから『グレイテスト・ショーマン』のレコードが置かれていたのだ!)。予約は公式サイトから申し込むことができる。
ちなみに名古屋店の8F はヤマハ名古屋ホールとなっており、7Fは管楽器・弦楽器・打楽器、6Fは楽譜と前述のオーディオルーム。5Fは音楽教室、4Fはグランドピアノサロン名古屋、3Fはピアノのほか、エレクトーンや電子ピアノ、2Fはギターやドラム。それぞれフロアごとに専門性をもって運営されているが、楽器好き、音楽好きならばどのフロアもワクワクするアイテムが取り揃えられている。
ドラマーの間でも話題、シンバルブランドZildjian(ジルジャン)初のヘッドホン
DTMや配信用機材も充実
1Fでは、ヤマハの楽器における先鋭的な取り組みや、動画を見ながら楽器を体験できるエリア、そしてカフェも併設されており、ふらりと入りやすい雰囲気も魅力。名古屋エリアに足を運んだ際は、ぜひ一度ご来訪を。
ヤマハ名古屋ビルのフロアガイド
■ヤマハミュージック 名古屋店 住所:〒460-8588 愛知県名古屋市中区錦1-18-28 地下鉄 東山線・鶴舞線 伏見駅下車、8番出口より徒歩約5分 定休日:火曜日(祝日の場合は営業) 営業時間:11:00 - 18:30 TEL:052-201-5151(代表) TEL:052-687-9002(オーディオルーム)