HOME > ニュース > 東芝、Bluetooth(TM)を利用したユビキタス・ヘッドセットを開発

東芝、Bluetooth(TM)を利用したユビキタス・ヘッドセットを開発

公開日 2002/01/09 16:31
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
●東芝は、Bluetooth(TM)の無線通信技術、音声認識技術などを用い、ハンズフリー環境で、ワイアレスに、言葉による機器コントロールや高音質なオーディオ入出力などを可能にする次世代コミュニケーションツールであるユビキタス・ヘッドセットを開発した。
 
これは、世界初のヘッドホン型Bluetooth(TM)モバイル端末であり、個人と身のまわりのデジタル機器や家庭電器製品とのウェアラブル環境での新たなパーソナルネットワークの構築を実現するものである。

Bluetooth(TM)は、PCやデジタルカメラ、携帯電話などのデジタル機器を無線で接続し、画像や音声などのデータ通信をサポートする世界標準のワイアレス規格で、さまざまな機器に容易に搭載できることから、次世代のネットワーク技術として注目されている。東芝は、Bluetooth(TM)規格の国内唯一のプロモーター企業であり、Bluetooth(TM)の標準化団体(SIG: Special Interest Group)に参加している。特にAV分野での規格策定等を主導しており、Bluetooth(TM)のグローバルな普及に向けて、積極的な活動を展開している。
 
一方、東芝は、Bluetooth(TM)を単なるケーブル置換にとどめず、小型・低消費電力といった特長を最大限に活かし、あたかも身体の一部であるように利用できるコミュニケーションツールとしての可能性に着目し、新しい応用機器の開発を進めてきた。
 
今回、Bluetooth(TM)技術や、音声認識、ナレッジ技術(自然言語理解)などの先進技術を組み合わせることで、個人と身の回りの機器を接続して新しいコミュニケーション環境を実現する次世代モバイル端末として、ユビキタス・ヘッドセットを開発したものである。

東芝では今後、今回の成果をもとに、2002年中の商品化を目指して開発を進めていく旨を明らかにしている。
 
【ユビキタス・ヘッドセットの主な特長、仕様】

1. 音声認識によるコマンド伝送
音声認識エンジンを搭載しており、装着者の声を音声認識してコマンドに変換して、パソコンや身の回りの機器にワイアレスに伝送できる。パソコンやPDA、オーディオ機器などのデジタル機器や、家庭電器製品などをハンズフリーで操作することが可能になるなど、個人を中心とした新たなインターフェイスとして様々な場面での応用が期待できる。音声認識エンジンは東芝が組み込み機器向けに開発した省メモリタイプの高耐雑音認識エンジンを利用している。

2. 口述音声の高音質伝送・ディクテーション機能
装着者の口述する音声を高音質(PC互換の22.05kHzサンプリング音声)で送信し、指定された記憶メディアに記録することができる。また、送信先の機器に音声認識エンジンを搭載することで口述音声を文章に書き下ろすディクテーション機能も実現。個人の社会活動の様々な場面でのコミュニケーションを容易に文章形態で記録したり、ヘッドセット装着者同士で音声によるコミュニケーションを行えるなど、個人を中心とした新たなネットツールとしての応用が期待できる。

3. 機器動作状況等の音声による受信
音声合成エンジンを搭載すれば、ワイアレス接続された機器からの出力(テキスト)を、ヘッドセット側で音声合成し、機器の動作状況などを音声で装着者に伝えることができる。インターネット検索の結果や、電子メール等も、ハンズフリーで音声で確認できるなど、接続機器との音声コミュニケーションへの応用も可能。

4. 音楽のワイアレス鑑賞
モバイルパソコンや携帯オーディオ機器などから送信される音楽データをワイアレスで受信し、CD並の高音質で再生することができる。東芝も参加しているBluetooth(TM) SIGのAVワーキンググループで標準化作業中のAVプロファイルに準拠している。

5. 社会システムへの応用
各種Bluetooth(TM)機器とアドホック接続し、いつでも、どこでも必要な情報にアクセスできるモバイル端末となる。例えば、博物館や美術館などのオンデマンド・ガイダンスシステムや、医療や健康、教育に関するヘルプデスクシステムなどへの応用が可能。さらに自然言語理解などのナレッジ技術と音声・画像処理などのメディア技術との融合により、人間の知的行動をサポートする幅広いアプリケーションに利用可能である。

6. 軽量化設計
マイクロプロセッサ、Bluetooth(TM)モジュール、アンテナ、メモリ、リチウムイオン二次電池などの高密度実装により、重量100g以下の軽量化を実現している。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック