三洋電機とB&Oアイスパワーが包括協業契約を締結
(左)三洋セミコンダクター副社長 田端氏 (右)B&OアイスパワーCEO カーステン氏/ICEpower1000AS |
会見ではまず、三洋セミコンダクターの副社長、田端輝夫氏による今回の提携についての説明があった。この提携はB&Oアイスパワーが開発した独自のDクラスアンプ技術(信号変調技術、信号期間技術)と三洋電機の持つオーディオ機器用半導体のシステムノウハウを融合し、従来にない高音質、高効率という特徴あるDクラスアンプに必要なデバイスを実現することを目的としているとのことだ。
また田端氏は、Dクラスアンプ用IC、LSI、ハイブリッドICに限らず、カーオーディオやAVレシーバー、ニミコンポなどの機器向けとして、4〜200ワットレンジ製品の市場投入を行っていくことを明らかにした。当面の協業活動としては、アナログ、デジタルの両入力信号に対応するDクラスアンプを構成するためのアナログコントローラIC、ドライバーIC、およびアナログ入力アイスパワーハイブリッドICの3種類を2003年の第1クオーターまでに、デジタルモジュレータIC、歪補正LSIを2003年の第2クオーターまでに開発する予定ということだ。
今回の会見では三洋セミコンダクターのLSI事業部副事業部長 水本正夫氏、B&OアイスパワーのCEO イエンス・ピーター・ジィンク氏、同社CTO カーステン・ニールセン氏により技術的な内容を含め、さらに詳しい説明を聞くことができた。水野氏曰く、B&Oアイスパワーの強みは大きなテクノロジー・プラットフォームや最先端のICEpower製品ラインを持ち、その製品を世界の20以上のオーディオメーカーに供給していることであると強調した。また、今回の協業の領域として、「チップセット・ソリューションの共同開発」、「チップセットおよびハイブリッドICの製造」、「ジョイントマーケティングと拡販活動」と、広範囲にわたることを説明した。さらにニールセン氏により、B&Oアイスパワーの新ICEpowerモジュール「ASシリーズ」を使ったアンプによるデモンストレーションが行われた。
最後に、会見で行われた質疑応答を以下に掲載する。
Q.今回の包括協業の契約期間は?
A.2002年1月から4年間です。
Q.販売目標は?
A.2004年度は10億円、2005年度は30億円を目標としています。
Q.ICEpowerモジュールのAシリーズと新しいASシリーズの違いは?
A.新しいモジュールはパワーサプライを内蔵するという形式をとっており、オーディオ専用に設計されています。
Q.新しいモジュールはパワーファクターコントロールをするのか?
A.はい。力率は0.96〜0.97となっています。
Q.社名にある「バング&オルフセン」の由来は?
A.会社の創業者である二人の名前からとっています。
Q.B&Oアイスパワーは三洋の他にパートナー会社はありますか?
A.他にもいくつか提携を結んでいるが、オーディオの分野に関しては三洋だけです。