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松下電器、02年度の連結決算を発表、営業利益は1266億円

公開日 2003/04/28 18:20
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松下電器産業(株)代表取締役社長 中村邦夫氏
●松下電器産業(株)は本日、2002年度の連結決算を発表した。

発表によれば、売上高は前年度比105%の7兆4,017億円、営業利益は1,266億円だったが、当期純利益は195億円の赤字となった。投資有価証券の評価制度が3月に変わり、評価減が響いたためで、従来の方式で計算すると80億円程度の黒字だったという。

主力のAVCネットワーク事業では映像・音響機器が好調で、売上げは前年度比107%の2兆1,004億円を達成。白物家電も3%の伸びを記録した。

都内で行われた決算発表会では、まず同社の中村邦夫社長が登壇。02年度の決算内容については、営業利益が当初計画以上の数字を達成したことに触れ、「褒められた数字ではないが、まずまずの成績」と評価。さらに03年の見通しについて、「デフレ、金融不安、米国の消費水準の定価、SARSウィルスなどマイナス要素が多く、不安定な環境」とした上で、「03年度もV商品に力を入れ、90品目で売り上げ1兆2,000億円を狙う。また、海外のブランドをPanasonicに統一し、力を集中させることで、全収益の60%を海外市場で稼ぎたい。さらに、いままで全社的に行っていた構造改革を、これからは各ドメイン別会社が行う」と今後の取り組みを説明した。

続いて、同社経理担当役員の川上徹也氏が登壇し、決算内容の詳細について説明した。同氏は、「AVCネットワーク部門が成長を牽引している」と述べ、03年度は全世界同時発売の商品を増やすと説明。商品が新鮮なうちに各地で同時に投入し、商品イメージやブランドイメージを一気に向上させる考えだ。また、世界シェア50%を誇るDVDレコーダー事業では、04年度に月産100万台体制を構築するとし、シェアNo.1の維持に力を注ぐ。

川上氏は03年度の見通しについても説明し、売上高は02年度に対しほぼ横這いの7兆4,500億円、営業利益は234億円増の1,500億円を予想している。

以下、本発表会で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。

Q:営業利益率向上のための具体的な施策、また営業利益率の数字目標を教えてほしい
A:営業利益率は02年度が2%程度だったが、5%を目標にしている。V商品の拡充、また各ドメイン会社が行う構造改革などで、03年度は1,500億円の営業利益を達成したい。

Q:パナソニックモバイルコミュニケーションズの、1〜3月期の売上げについて教えてほしい
A:1〜3月期は黒字だった。通年では130億円の赤字となった。

Q:01年度から行ってきたIT革新プロジェクトの進捗状況は?
A:成果は出てきた。4月には各ドメイン別のグローバルネットワークに移行した。SCMなど、社員にもIT経営の方法論が浸透してきている。

Q:AV機器の商品力強化のための方法は?
A:V商品を核弾頭に、国内占有率を奪回する。従来から行っている垂直立ち上げを継続して行っていく。

Q:各ドメイン会社で行う構造改革とは、「第二次特別ライフプラン」的なものか? また、これにより固定費はどの程度削減できると考えているか?
A:LP的なものも一部に出てくるかも知れないが、これはライフプランではない。04年度で300億円の利益を生むと考えている。

Q:03年度に売上高9兆円、営業利益率5%を達成したいとした「創生21計画」については、どう評価しているか?
A:01年のバブル崩壊が痛かった。しかし、03年度は無理でも、近いうちに利益率5%は必ず達成したい。

Q:役員がガラリと変わったが?
A:この難局を乗り越えるための変更だ。

Q:デバイス分野への投資についてはどのような考えをもっているか?
A:コンマ13ミクロンのラインを立ち上げるなど、力を入れている。ワンチップソリューションに特化し、デジタルAV向けのLSIに特に重点を置いている。他社にくらべて投資が少ないというようなことはなく、過去5年でデバイス分野に4,300億円の投資を行っている。

Q:デバイス以外で重点的に投資を行う事業は?
A:PDPに集中して投資を行う。第二工場を建設中で、これには600億円を投資している。

Q:CCDを増産するとのことだが、どの程度の規模になるのか?
A:8インチ換算で、02年比3倍を予定している。

Q:サービス分野ではどういう施策を考えているか?
A:パナソニックシステムソリューションカンパニーを中心に、他社にはない事業を見つけたい。また、環境事業もグローバルに展開したい。サービス事業については3年くらいのスパンで考えている。

Q:02年度第4四半期の営業利益は?
A:決算としては、384億円となっている。ただし、第4四半期からJVCを連結対象とし、JVCの年間利益約100億円を第4四半期に計上しており、これを各四半期にならせば、286億円となる。これが実態と思ってもらっていい。


(Phile-web編集部)

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