HOME > ニュース > 山之内 正の“Wooo”「DV-DH1000D」連続レポート(3)ワールドカップで「いいとこ観」を試す

山之内 正の“Wooo”「DV-DH1000D」連続レポート(3)ワールドカップで「いいとこ観」を試す

公開日 2006/06/30 10:44
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
今回は本機の目玉機能である「いいとこ観」の使用感をサッカー中継を中心にレポートすることにしよう。映像と音声の内容を分析し、見どころだけを抽出して再生するという機能である。録画はしたが見る時間がないというときに威力を発揮するもので、見応えのある試合が連続するこの時期、特に活躍する機会が増える。

●「いいとこ観」はデフォルトでONに設定されている

「いいとこ観」を利用するための準備は、初期設定の「HDD・DVD設定」で「いいとこ観録画」を「する」に設定されていることを確認するだけでよい(デフォルトは「する」に設定されている)。ただし、同機能が利用できるのはレコーダー1だけという点には注意しておきたい。本機はデジタルチューナーを2系統用意しているので録画時間が重なっても普段は気にせずダブル録画ができるのだが、後でいいとこ観再生を利用する可能性が高い番組を予約録画する場合は、意識してレコーダー1に予約を入れておく必要がある。ディスクナビゲーション画面で見たい番組を選ぶと再生方法を選ぶサブメニューが表示されるが、レコーダー2で録画すると、そこで「いいとこ観」を選ぶことができないのである。

リモコンのキー配置は前作に比べて細かい変更が行われた。「おしえて」ボタンと「いいとこ観」を独立して配置

ディスクナビゲーションの再生メニューから「いいとこ観」を選ぶのが操作の基本

●15分程度でワールドカップの試合内容をチェックできる

「いいとこ観」の再生時間は最短5分、最長30分の範囲で5分単位で設定できる。番組の長さと、視聴するときの時間の余裕次第なのだが、サッカーに限っては、5分ではちょっと短すぎる印象を受けた。ゴールに絡むシーンを確実に拾ってくれるのだが、試合全体の流れを読み取りにくい。

ところが、再生時間を15分または20分に変更すると、そうした不満はかなり解消される。試合開始の映像から始まって、シュートに限らず各チームの動きが盛り上がるシーンが断続的に再生され、ゲームの流れをある程度読み取れるようになるのだ。得点が入ったシーンでは直後のリピート再生まで見せてくれるケースが増えて、もう一度見たい場面を確認できるし、試合終了の瞬間も見逃さなくて済む。1分の時間も惜しい超多忙時はともかく、録りためた番組を効率的に再生することが目的なら、やや長めの再生時間を設定した方が良さそうだ。

「いいとこ観」の操作ガイドを表示した状態。再生時間を長めに設定すると、下段に表示される再生箇所のマークが増える。リモコンの「戻る」ボタンを押せばガイドを非表示に切り替えられる

再生時間は5分から30分まで5分単位で設定可能

いいとこ観再生時のシーンの変わり目は、画像がフリーズすることもなく、非常にスムーズである。ガイド表示を消して見ていると通常再生と区別がつかないほどで、もちろん画質の劣化もない。再生速度を上げる早見機能ではないので、音声も通常再生と変わらず、普通のスピードで自然に聞き取ることができる。時間を節約するための早見再生機能はアナログ時代からいろいろな試みがあったが、本機の「いいとこ観」はそうした機能とは一線を画している。画質・音質の劣化がないことが重要な意味を持つのである。

●ゴルフや囲碁・将棋、相撲は特に実用性が高い


ジャンル設定を正しく設定しないと正確な抽出ができない
ジャンル設定は競馬、囲碁・将棋、ニュース、音楽、ゴルフ、相撲、野球、サッカー、その他の計9ジャンルを用意している。この分類から想像がつく通り、映像または音声に一定の規則性があるプログラムが対象になっており、筆者が見た範囲ではゴルフ、囲碁・将棋、相撲は見たいところを的確に抽出する確率が高く、実用性が高いと感じた。

一方、ニュースや音楽はケース・バイ・ケースで、ヒット率は思ったほど高くなかった。映画やドラマは「その他」に分類されるわけだが、ストーリーのあるプログラムはやはり苦手である。肝心のサッカーについては、すでに紹介した通り、再生時間を長めに設定すれば予想以上に実用になるというのが率直な感想である。

(山之内 正)

【バックナンバー】
第1回:1TBレコーダーはどこが変わった?
第2回:機能・使い勝手をチェック

山之内 正 プロフィール
神奈川県横浜市出身。東京都立大学理学部卒。在学時は原子物理学を専攻する。出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ機器の評論にも反映されている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック