<折原一也のCEATECレポート>Blu-ray&HD DVDの出展内容を振り返る
今年のCEATECの会場では、次世代ディスクのBlu-ray、HD DVDの両陣営から様々な製品が出展されていた。会場で見つけたものを取り上げながら総括してみよう。
●ソニーのブースにてBDレコーダーを発表
発売が待たれるBDレコーダーは、CEATEC開催初日に会場内ソニーのブースにて「BDZ-V9」「BDZ-V7」の2機種の新製品発表が行われ、大勢の来場者で賑わっていた。詳細は既報のニュースに譲るが、デジタルレコーダーのスゴ録をベースとして様々な機能を備えた多機能な機種として注目したい。BD-R/BD-REメディアは1層25GBの対応で、説明員によると発売後のファームアップによる2層メディアのサポートは現在予定していないとのこと。
同ブース内では、11月11日に発売を控えたPlaystation3も実機を展示。BD-ROMの再生は残念ながら試せなかったが、音楽CD(SACD)を再生するなど実機を使ったデモが行われていた。
●BDプレイヤー、レコーダーはバリエーションが豊富
BDレコーダー、プレイヤーは、パナソニック、ソニーの正式発表を行ったモデル以外にも、会場内のブースに参考出展として数多くの製品が展示されていた。会場で説明員に確認した限りでは先の2社を除いては発売まで時間がありそうだが、簡単に紹介しておこう。
このほかBDAのブースにはフィリップス、サムスンなど北米向けのBDプレイヤーの展示が行われており、多数の参加メーカーによって支えられた規格であることを感じさせてくれる内容である。バリエーション豊かな製品の登場に期待したい。
●HD DVDはプレイヤーを中心に攻勢をかける
HD DVDは、東芝とHD DVDプロモーショングループが出展。東芝のブースではRD-A1を使ったデモが行われていたほか、世界共通仕様となるHD DVDプレイヤー2モデルのモックアップが参考出展として展示されていた。説明員によると発売は年内に出るかどうかというタイミングで、発売後はHD-XA1は終了となるという。
このほか、PC向けのUSB接続のHD DVD-ROMドライブを展示してHD DVDの再生デモも実施していた。また、HD DVDプロモーショングループのブースではXbox360の外付けHD DVDドライブも実機デモが行われている。
今回の展示で特徴的だったのが、国内はレコーダー中心のBDに対してHD DVDはプレイヤー中心の展開となっていたこと。HDDを内蔵して録画にも対応するBDは価格も20万円以上と高価なこともあり、10万円以内で再生環境が整うHD DVDは、ROM重視の低価格路線の印象付ける内容であった。
●Blu-rayは高速化・大容量化で先行
次世代ディスクの両陣営は、国内向けに発売されるレコーダー以外にもドライブ単体の展示も行われていた。そこで見られるのが、高速化、大容量化という面での取り組みの違いだ。
ブルーレイ陣営は、会場内に書き込み速度を高速化させたドライブをいくつか展示していた。日立のブースに展示されていたGBW-H10Nは、BD-Rの最大4倍速の書き込みに対応。パイオニアも5倍速の書き込みに対応したドライブを展示速度は36Mbpsの4倍速で書き込みが可能となり、BDレコーダーに搭載されれば地上デジタル放送を録画した番組を10倍速程度でダビングできることになる。
なお、BD-Rの4倍速書き込みについてはBDAにて規格化が進められている最中で、年内から年明けにまとまる見込み。ディスクはリコーが4倍対応のBD-Rメディアを展示していたほか、説明員によるとTDKも4倍速は技術的は実現できる段階にあるという。このため意外に早いタイミングでBD-Rの4倍速書き込みに対応した製品が実用化されるかもしれない。
このほかTDKのブースには6層BD-Rメディアの技術展示も行われていた。これはすぐに実現するものではないが、数年後の実用化に向けて着々と研究開発が進められていることを伺わせる内容である。
HD DVDについては、東芝のブース内で薄型ドライブなどの展示が行われていた。HD DVD-Rの書き込み速度は、現在1倍速(36Mbps)で、2倍速メディアの登場は来年秋程度になるとのこと。HD DVD-RWの登場時期はまだ未定だという。
●これからが本当の規格争いのはじまり
以上CEATECの会場で見た次世代ディスク関連のトピック全体を見てきたが、今回は実際に発売されている予定が数多く見られ見応えのある内容であった。今年の年末から始まる両陣営の実機対決が今から楽しみだ。
(ライター・折原一也 プロフィール)
●ソニーのブースにてBDレコーダーを発表
発売が待たれるBDレコーダーは、CEATEC開催初日に会場内ソニーのブースにて「BDZ-V9」「BDZ-V7」の2機種の新製品発表が行われ、大勢の来場者で賑わっていた。詳細は既報のニュースに譲るが、デジタルレコーダーのスゴ録をベースとして様々な機能を備えた多機能な機種として注目したい。BD-R/BD-REメディアは1層25GBの対応で、説明員によると発売後のファームアップによる2層メディアのサポートは現在予定していないとのこと。
同ブース内では、11月11日に発売を控えたPlaystation3も実機を展示。BD-ROMの再生は残念ながら試せなかったが、音楽CD(SACD)を再生するなど実機を使ったデモが行われていた。
●BDプレイヤー、レコーダーはバリエーションが豊富
BDレコーダー、プレイヤーは、パナソニック、ソニーの正式発表を行ったモデル以外にも、会場内のブースに参考出展として数多くの製品が展示されていた。会場で説明員に確認した限りでは先の2社を除いては発売まで時間がありそうだが、簡単に紹介しておこう。
このほかBDAのブースにはフィリップス、サムスンなど北米向けのBDプレイヤーの展示が行われており、多数の参加メーカーによって支えられた規格であることを感じさせてくれる内容である。バリエーション豊かな製品の登場に期待したい。
●HD DVDはプレイヤーを中心に攻勢をかける
HD DVDは、東芝とHD DVDプロモーショングループが出展。東芝のブースではRD-A1を使ったデモが行われていたほか、世界共通仕様となるHD DVDプレイヤー2モデルのモックアップが参考出展として展示されていた。説明員によると発売は年内に出るかどうかというタイミングで、発売後はHD-XA1は終了となるという。
このほか、PC向けのUSB接続のHD DVD-ROMドライブを展示してHD DVDの再生デモも実施していた。また、HD DVDプロモーショングループのブースではXbox360の外付けHD DVDドライブも実機デモが行われている。
今回の展示で特徴的だったのが、国内はレコーダー中心のBDに対してHD DVDはプレイヤー中心の展開となっていたこと。HDDを内蔵して録画にも対応するBDは価格も20万円以上と高価なこともあり、10万円以内で再生環境が整うHD DVDは、ROM重視の低価格路線の印象付ける内容であった。
●Blu-rayは高速化・大容量化で先行
次世代ディスクの両陣営は、国内向けに発売されるレコーダー以外にもドライブ単体の展示も行われていた。そこで見られるのが、高速化、大容量化という面での取り組みの違いだ。
ブルーレイ陣営は、会場内に書き込み速度を高速化させたドライブをいくつか展示していた。日立のブースに展示されていたGBW-H10Nは、BD-Rの最大4倍速の書き込みに対応。パイオニアも5倍速の書き込みに対応したドライブを展示速度は36Mbpsの4倍速で書き込みが可能となり、BDレコーダーに搭載されれば地上デジタル放送を録画した番組を10倍速程度でダビングできることになる。
なお、BD-Rの4倍速書き込みについてはBDAにて規格化が進められている最中で、年内から年明けにまとまる見込み。ディスクはリコーが4倍対応のBD-Rメディアを展示していたほか、説明員によるとTDKも4倍速は技術的は実現できる段階にあるという。このため意外に早いタイミングでBD-Rの4倍速書き込みに対応した製品が実用化されるかもしれない。
このほかTDKのブースには6層BD-Rメディアの技術展示も行われていた。これはすぐに実現するものではないが、数年後の実用化に向けて着々と研究開発が進められていることを伺わせる内容である。
HD DVDについては、東芝のブース内で薄型ドライブなどの展示が行われていた。HD DVD-Rの書き込み速度は、現在1倍速(36Mbps)で、2倍速メディアの登場は来年秋程度になるとのこと。HD DVD-RWの登場時期はまだ未定だという。
●これからが本当の規格争いのはじまり
以上CEATECの会場で見た次世代ディスク関連のトピック全体を見てきたが、今回は実際に発売されている予定が数多く見られ見応えのある内容であった。今年の年末から始まる両陣営の実機対決が今から楽しみだ。
(ライター・折原一也 プロフィール)