「iVDRはテレビ以外にも発展していく」 − 日立“Wooo”発表会レポート
別項でお伝えしたとおり(株)日立製作所は、iVDR対応モデルなど、プラズマテレビ/液晶テレビ“Wooo”新モデルを発表した。本項では、本日行われた記者発表会の模様をお伝えする。
まず初めに登壇したのは、執行役常務 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏。
同氏は、「デジタル放送の普及により、薄型テレビは今後も順調に伸びていくと期待している。日立は、2001年に32インチのプラズマテレビを家庭用として初めて商品化し、市場のテレビの薄型化に貢献できたと思っている。2003年にはテレビにHDDを搭載し、録画ができるテレビという市場を構築できたのではないかと思っている」と、同社の取り組みを振り返った。
江幡氏はまた、同社のHDD搭載テレビの売り上げは、今年度末で35万台になると予測。また、同社が出荷しているテレビの約60%がHDD搭載モデルであることも説明した。
今回の新モデルでは、録画対応モデルに「iVポケット」と名付けたiVDRスロットを搭載した。同氏は「iVDRを中心としたAV機器の新しい展開を考えており、テレビはその第1号。iVDRは記録時間が伸ばせるだけでなく、家族がそれぞれ自分のディスクに録画できるというのが大きな特長だ」と述べ、今後、ダウンロードビジネスやレンタルビジネス、PCや自動車での利用にも発展していく可能性があると説明した。
また同氏は、新モデルのプロモーションにワーナー・ブラザーズの協力を得られたと紹介。購入者の中から抽選で5,000名に、ワーナー作品をあらかじめ収録したiVDR-Sをプレゼントするキャンペーンを実施する。収録されるのは海外ドラマ『SUPERNATURAL II』『The OC』、アニメ『ぽこよ』『The World of Golden Eggs』の4作品だ。
最後に江幡氏は、4月1日より白物家電、デジタルAVを一体化したコンシューマー事業部を発足させ、新たなスタートを切ることをアピール。さらなる躍進を図っていくとした。
新製品の特長を説明したのは、ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部 担当本部長の吉田正則氏。
これまでの展開で「WooでREC(録画)」のコンセプトを多くのユーザーにわかってもらうことができたと語る同氏は、より新しい視聴スタイルの提案を行うために今回の新製品を開発したという。
製品の特長としてまず初めに挙げたのは録画機能。これまでのユーザー調査の結果、HDDに録画した番組は一度見たら消すという人が半数、HDD容量が一杯になったら消すという人が約3割という結果が出ており、DVDにダビングするというひとは少数であると説明。「消したくない番組を家族に消されてしまうということもある」といった例を挙げた。その解決策となるのが「iVDR」で、家族一人一人がそれぞれのメディアを持つことで、そういった問題を未然に防げると説明した。
iVDR採用の具体的なメリットとしては、内蔵HDDがいっぱいの時でもすぐに録画できる、内蔵HDDの内容をダビング(ムーブ)できる、ユーザーごとやジャンルごとのディスクをつくれるといった点を挙げた。
そして今回、画質にも大きな力を入れたとアピール。新機種は「映画、スポーツが美しく見えるテレビ」を目指したという。
同社が考える高画質の要素の一つは「動画解像度」。プラズマ、液晶双方の、APDC方式(関連ニュース)で測定した動画解像度を示し、液晶の値の低さを指摘。測定では、フルHDのプラズマが動画解像度900本以上になるのに対し、「通常の液晶テレビは動画解像度300本でアナログテレビ並みだ」とした。さらに吉野氏は、同社が昨年から「倍速120コマ」「倍速スーパーインパルス」技術を搭載し、液晶テレビでの動画表示機能を高めてきたことも付け加えた。
映画コンテンツをより高画質に楽しむ機能としては、新開発の「なめらかシネマ」機能を紹介した。同氏は「映画のフィルムは24コマ/秒で、これまでのテレビではこれを「2-3プルダウン」により60コマに直して表示していたが、この方法だとカタカタして見える」と指摘。これを解決するために、「実際には無い画を生成して挿入する」という方法を採用したのだと言う。
プラズマ上位モデルに関しては、パネルも新開発し画質向上を図った。コントラスト比は業界最高という10,000対1を実現。さらに、明るいところでも黒の再現力を高める“ファインブラックフィルター”を新たに採用した。
製品のプロモーションに関しては引き続き黒木瞳さんを起用。最後に吉田氏は、「iVDRを使った次の商品展開も考えていきたい」と語った。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.テレビ以外での今後のiVDRの展開は?
A.検討しているが、具体的には決まっていない。
Q.コンテンツを収録したiVDRをキャンペーンでプレゼントするが、iVDRソフトの発売は考えているか?
A.今回はワーナーの協力により実現できた。いろいろなところと話をしてきており、何らかの展開ができればいいと思っている。
Q.iVDRメディアを採用しましたが、次世代DVDは必要ないと考えているか?
A.HDDと光メディアでは使い方が違うと考えているので、当然、光メディアもあわせて検討していく。
Q.DVDレコーダーとの使い方の差別化をどのように行っていくのか?
A.テレビは「今見ているものを録画する」という使い方、レコーダーは「タイマー録画」という使い方が多い。今回テレビに搭載するHDDとして「内蔵1TB HDD」と「80GB iVDR」のどちらがいいかという調査では後者の方が支持された。
Q.iVDR搭載の強みを店頭でどう訴求していくか?
A.キャンペーンを強く行っていくのが一つ。iVDRがささった状態でのPOPを行っていきたい。iVDRによって「容量を増やせる」という点をアピールしていきたい。
(Phile-web編集部)
まず初めに登壇したのは、執行役常務 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏。
同氏は、「デジタル放送の普及により、薄型テレビは今後も順調に伸びていくと期待している。日立は、2001年に32インチのプラズマテレビを家庭用として初めて商品化し、市場のテレビの薄型化に貢献できたと思っている。2003年にはテレビにHDDを搭載し、録画ができるテレビという市場を構築できたのではないかと思っている」と、同社の取り組みを振り返った。
江幡氏はまた、同社のHDD搭載テレビの売り上げは、今年度末で35万台になると予測。また、同社が出荷しているテレビの約60%がHDD搭載モデルであることも説明した。
今回の新モデルでは、録画対応モデルに「iVポケット」と名付けたiVDRスロットを搭載した。同氏は「iVDRを中心としたAV機器の新しい展開を考えており、テレビはその第1号。iVDRは記録時間が伸ばせるだけでなく、家族がそれぞれ自分のディスクに録画できるというのが大きな特長だ」と述べ、今後、ダウンロードビジネスやレンタルビジネス、PCや自動車での利用にも発展していく可能性があると説明した。
また同氏は、新モデルのプロモーションにワーナー・ブラザーズの協力を得られたと紹介。購入者の中から抽選で5,000名に、ワーナー作品をあらかじめ収録したiVDR-Sをプレゼントするキャンペーンを実施する。収録されるのは海外ドラマ『SUPERNATURAL II』『The OC』、アニメ『ぽこよ』『The World of Golden Eggs』の4作品だ。
最後に江幡氏は、4月1日より白物家電、デジタルAVを一体化したコンシューマー事業部を発足させ、新たなスタートを切ることをアピール。さらなる躍進を図っていくとした。
新製品の特長を説明したのは、ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部 担当本部長の吉田正則氏。
これまでの展開で「WooでREC(録画)」のコンセプトを多くのユーザーにわかってもらうことができたと語る同氏は、より新しい視聴スタイルの提案を行うために今回の新製品を開発したという。
製品の特長としてまず初めに挙げたのは録画機能。これまでのユーザー調査の結果、HDDに録画した番組は一度見たら消すという人が半数、HDD容量が一杯になったら消すという人が約3割という結果が出ており、DVDにダビングするというひとは少数であると説明。「消したくない番組を家族に消されてしまうということもある」といった例を挙げた。その解決策となるのが「iVDR」で、家族一人一人がそれぞれのメディアを持つことで、そういった問題を未然に防げると説明した。
iVDR採用の具体的なメリットとしては、内蔵HDDがいっぱいの時でもすぐに録画できる、内蔵HDDの内容をダビング(ムーブ)できる、ユーザーごとやジャンルごとのディスクをつくれるといった点を挙げた。
そして今回、画質にも大きな力を入れたとアピール。新機種は「映画、スポーツが美しく見えるテレビ」を目指したという。
同社が考える高画質の要素の一つは「動画解像度」。プラズマ、液晶双方の、APDC方式(関連ニュース)で測定した動画解像度を示し、液晶の値の低さを指摘。測定では、フルHDのプラズマが動画解像度900本以上になるのに対し、「通常の液晶テレビは動画解像度300本でアナログテレビ並みだ」とした。さらに吉野氏は、同社が昨年から「倍速120コマ」「倍速スーパーインパルス」技術を搭載し、液晶テレビでの動画表示機能を高めてきたことも付け加えた。
映画コンテンツをより高画質に楽しむ機能としては、新開発の「なめらかシネマ」機能を紹介した。同氏は「映画のフィルムは24コマ/秒で、これまでのテレビではこれを「2-3プルダウン」により60コマに直して表示していたが、この方法だとカタカタして見える」と指摘。これを解決するために、「実際には無い画を生成して挿入する」という方法を採用したのだと言う。
プラズマ上位モデルに関しては、パネルも新開発し画質向上を図った。コントラスト比は業界最高という10,000対1を実現。さらに、明るいところでも黒の再現力を高める“ファインブラックフィルター”を新たに採用した。
製品のプロモーションに関しては引き続き黒木瞳さんを起用。最後に吉田氏は、「iVDRを使った次の商品展開も考えていきたい」と語った。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.テレビ以外での今後のiVDRの展開は?
A.検討しているが、具体的には決まっていない。
Q.コンテンツを収録したiVDRをキャンペーンでプレゼントするが、iVDRソフトの発売は考えているか?
A.今回はワーナーの協力により実現できた。いろいろなところと話をしてきており、何らかの展開ができればいいと思っている。
Q.iVDRメディアを採用しましたが、次世代DVDは必要ないと考えているか?
A.HDDと光メディアでは使い方が違うと考えているので、当然、光メディアもあわせて検討していく。
Q.DVDレコーダーとの使い方の差別化をどのように行っていくのか?
A.テレビは「今見ているものを録画する」という使い方、レコーダーは「タイマー録画」という使い方が多い。今回テレビに搭載するHDDとして「内蔵1TB HDD」と「80GB iVDR」のどちらがいいかという調査では後者の方が支持された。
Q.iVDR搭載の強みを店頭でどう訴求していくか?
A.キャンペーンを強く行っていくのが一つ。iVDRがささった状態でのPOPを行っていきたい。iVDRによって「容量を増やせる」という点をアピールしていきたい。
(Phile-web編集部)