「座」スピーカーに「月」プロジェクター − ソニー デザイン・プロトタイプ展が開催
明日7月19日から7月27日まで、銀座のソニービル8F コミュニケーションゾーン OPUSにおいて、デザイン・プロトタイプを展示する「Sony Design×Master Craft Lombardia」展が開催されている。
本展は今年4月にイタリア・ミラノで開催された国際家具見本市「Salone Internazionale del Mobile(通称ミラノ・サローネ)」でも展示されたもの。デザインコンセプトに「新しいモノの佇まい」を掲げ、人とプロダクト、空間の心地よい関係の創出を目指したという。今回展示されたプロトタイプは以下のとおりだ。
■座(ZA)
イタリアの皮革を使用したサラウンド・サウンド・チェア。ヘッドレスト部分に、耳を覆うようにステレオスピーカーを配置している。音声は無線伝送を使用し、電源も内蔵しているため、好きな場所に置くことが可能だ。デザインを担当した岡氏は「スマートなデザインから迫力ある重低音が出せるシアターチェアを作りたかった。通常のスピーカーだとベストなリスニングポイントは限られてしまうが、『座』なら椅子を置いたところが常にベストポイントになる。夜中でも好きな音量で映画を楽しむことができ、理想のプライベートシアターがつくれるだろう」と製品の魅力を語った。
■月(TSUKI)
SXRDプロジェクターが埋め込まれたテーブル。光を反射させて映像を描き出すプロジェクターを、太陽の光を反射して輝く月に見立てたものだ。筐体は真鍮に銀メッキで、ヘラ絞りという技法で形成されている。放熱孔には「月」にちなみ、月桂樹の文様を採用している。デザインを担当した及川氏は「プロジェクターはどちらかというと隠されるものだったが、テーブルと一体化することで、リビング空間との調和が図れると考えた」と、「月」のコンセプトについて話した。
■結(YUI)
壁掛けオーディオシステム。象嵌技法を用い、金属と木材という異素材を組み合わせている。中心部にプレーヤーを備え、両脇のスピーカーから再生するというもの。「結(YUI)」という名前には、異素材を結ぶ、ソニーデザインとイタリアの工房を結ぶ、などの意味が込められているほか、デジタル信号からアコースティックな音色へつながるプロセスも表現しているという。
現在はまだデザイン展示の段階であり、スピーカーユニットを付けていないため音は出ない。木の板を直接振動させるなど、音楽再生の方法を模索している最中だという。
■響(HIBIKI)・奏(KANADE)
吊り下げスピーカー「響」とホームオーディオシステム「奏」は、ガラス管が振動して音を出すスピーカー。存在感を残しつつも静かに佇む「音の器」をイメージしたという。
■眺(CHO)
フレーム型のスピーカー。大理石で作ったフレームの内側に合計8個のコンパクトなスピーカーユニットを配置している。360度どこでもほぼ同じ音を得ることができるのが特徴だという。また、大理石を使用した約150kgの筐体は制振性が良く、再生音の向上も実現できたという。
「きっかけは窓枠から音が出たら面白いだろうと思ったこと。『眺』から再生された音楽が、切り取った空間と相まって新しい奥行きを生み出す」(デザイン担当の金谷氏)。
■凜(RIN)
360度無指向性のスタンドスピーカー。大理石の床から垂直に伸びる円柱に取り付けられた透明管が振動することにより音を再生する。説明員はこの再生のイメージを「水面に落ちた一滴から波紋が広がってゆく」と表現。透明管の天辺から張られたワイヤーをLEDで照らし、水滴を表現しているという。
■架(KAKERU)
シェルフ一体型スピーカー。大理石や革を使った天板にスピーカーユニットを埋め込んでいる。スピーカーを住環境の構成要素として捉えることにより生まれたという天板にはハニカム構造を採用し、強度を高めている。
■花(HANA)
スピーカーを内蔵したフロアランプ。花弁をモチーフにしており、ヘラ絞り技法で成形されたランプシェード部の上方にスピーカーとランプを搭載。中央にめしべに見立てたウォークマンを差し込んで音楽を楽しむことができる。担当デザイナーは「リビングでいつもいい場所にあるのは照明かスピーカー。それなら両者を合体させてみてはと考えた。シンプルで手軽、そしてカジュアルなオールインワンプロダクトだ」と語った。
■遷(SEN)
三層の合わせガラス壁に液晶ディスプレイを搭載した、テレビスタンドと「屏風」を融合させた製品。テレビ用のガラススタンドを、住空間を構成するひとつの要素として捉えたことから生まれたという。下からLEDで照らすことで、内部のガラス片や気泡が照らされ様々な表情を見せる。デザインを担当した大田氏は「さまざまな表情を見せるガラス壁と、ディスプレイで再生される映像が融合し、新しい空間を創出できる。ガラスとテレビの関係を楽しいものにしたいと考えた」と、「遷」の魅力をアピールした。
■纏(MATOI)
筐体に革を使用したパソコンとマウス、専用パソコンケース。パソコンなどのモバイルツールを「身につける」感覚で持って欲しいという理想を表現したという。
その他会場では、すべてのプロダクトが同期し、オーケストレーションを生み出す「楽」、個々のスピーカーのチューニングを調整し、立体的な音場を生む「呼」などのインスタレーションも実施している。
(Phile-web編集部)
本展は今年4月にイタリア・ミラノで開催された国際家具見本市「Salone Internazionale del Mobile(通称ミラノ・サローネ)」でも展示されたもの。デザインコンセプトに「新しいモノの佇まい」を掲げ、人とプロダクト、空間の心地よい関係の創出を目指したという。今回展示されたプロトタイプは以下のとおりだ。
■座(ZA)
イタリアの皮革を使用したサラウンド・サウンド・チェア。ヘッドレスト部分に、耳を覆うようにステレオスピーカーを配置している。音声は無線伝送を使用し、電源も内蔵しているため、好きな場所に置くことが可能だ。デザインを担当した岡氏は「スマートなデザインから迫力ある重低音が出せるシアターチェアを作りたかった。通常のスピーカーだとベストなリスニングポイントは限られてしまうが、『座』なら椅子を置いたところが常にベストポイントになる。夜中でも好きな音量で映画を楽しむことができ、理想のプライベートシアターがつくれるだろう」と製品の魅力を語った。
■月(TSUKI)
SXRDプロジェクターが埋め込まれたテーブル。光を反射させて映像を描き出すプロジェクターを、太陽の光を反射して輝く月に見立てたものだ。筐体は真鍮に銀メッキで、ヘラ絞りという技法で形成されている。放熱孔には「月」にちなみ、月桂樹の文様を採用している。デザインを担当した及川氏は「プロジェクターはどちらかというと隠されるものだったが、テーブルと一体化することで、リビング空間との調和が図れると考えた」と、「月」のコンセプトについて話した。
■結(YUI)
壁掛けオーディオシステム。象嵌技法を用い、金属と木材という異素材を組み合わせている。中心部にプレーヤーを備え、両脇のスピーカーから再生するというもの。「結(YUI)」という名前には、異素材を結ぶ、ソニーデザインとイタリアの工房を結ぶ、などの意味が込められているほか、デジタル信号からアコースティックな音色へつながるプロセスも表現しているという。
現在はまだデザイン展示の段階であり、スピーカーユニットを付けていないため音は出ない。木の板を直接振動させるなど、音楽再生の方法を模索している最中だという。
■響(HIBIKI)・奏(KANADE)
吊り下げスピーカー「響」とホームオーディオシステム「奏」は、ガラス管が振動して音を出すスピーカー。存在感を残しつつも静かに佇む「音の器」をイメージしたという。
■眺(CHO)
フレーム型のスピーカー。大理石で作ったフレームの内側に合計8個のコンパクトなスピーカーユニットを配置している。360度どこでもほぼ同じ音を得ることができるのが特徴だという。また、大理石を使用した約150kgの筐体は制振性が良く、再生音の向上も実現できたという。
「きっかけは窓枠から音が出たら面白いだろうと思ったこと。『眺』から再生された音楽が、切り取った空間と相まって新しい奥行きを生み出す」(デザイン担当の金谷氏)。
■凜(RIN)
360度無指向性のスタンドスピーカー。大理石の床から垂直に伸びる円柱に取り付けられた透明管が振動することにより音を再生する。説明員はこの再生のイメージを「水面に落ちた一滴から波紋が広がってゆく」と表現。透明管の天辺から張られたワイヤーをLEDで照らし、水滴を表現しているという。
■架(KAKERU)
シェルフ一体型スピーカー。大理石や革を使った天板にスピーカーユニットを埋め込んでいる。スピーカーを住環境の構成要素として捉えることにより生まれたという天板にはハニカム構造を採用し、強度を高めている。
■花(HANA)
スピーカーを内蔵したフロアランプ。花弁をモチーフにしており、ヘラ絞り技法で成形されたランプシェード部の上方にスピーカーとランプを搭載。中央にめしべに見立てたウォークマンを差し込んで音楽を楽しむことができる。担当デザイナーは「リビングでいつもいい場所にあるのは照明かスピーカー。それなら両者を合体させてみてはと考えた。シンプルで手軽、そしてカジュアルなオールインワンプロダクトだ」と語った。
■遷(SEN)
三層の合わせガラス壁に液晶ディスプレイを搭載した、テレビスタンドと「屏風」を融合させた製品。テレビ用のガラススタンドを、住空間を構成するひとつの要素として捉えたことから生まれたという。下からLEDで照らすことで、内部のガラス片や気泡が照らされ様々な表情を見せる。デザインを担当した大田氏は「さまざまな表情を見せるガラス壁と、ディスプレイで再生される映像が融合し、新しい空間を創出できる。ガラスとテレビの関係を楽しいものにしたいと考えた」と、「遷」の魅力をアピールした。
■纏(MATOI)
筐体に革を使用したパソコンとマウス、専用パソコンケース。パソコンなどのモバイルツールを「身につける」感覚で持って欲しいという理想を表現したという。
その他会場では、すべてのプロダクトが同期し、オーケストレーションを生み出す「楽」、個々のスピーカーのチューニングを調整し、立体的な音場を生む「呼」などのインスタレーションも実施している。
(Phile-web編集部)