【折原一也】日立“Wooo UT+ワイヤレスユニット”の先進スタイルを自宅リビングで体験
先進のスタイルで超薄型テレビの先駆けとなった日立の液晶テレビ、Wooo UTシリーズ。昨年12月に発売となった32V型の「UT32-HV700」に続いて今年2月にはフルHDパネル搭載の37V型モデル「UT37-XV700」も発売、また4月上旬には42V型の「UT42-XV700」も発売を控えている。
さらに、発表時から注目を集めていた、国内で初めてHDMIのワイヤレス伝送を実現したオプションユニット「TP-WL700H」も発売され、インテリアと調和する設置スタイルを堪能する環境も整えられた。
今回は37V型モデル「UT37-XV700」とオプションのワイヤレスユニット、フロアスタンドを実際に筆者宅に設置し、使用したレポートをお届けしたい。
●テレビ設置の常識を変える「超薄型+フロアスタンド+ワイヤレス」
Wooo UTシリーズ最大の特徴は、背面までも美しい超薄型のスタイリングだろう。
今回はリビングのソファの脇に、別売のフロアスタンドを用いて設置したのだが、実際に製品を設置してみると、最薄部35mmというスペック上の数値以上に、背面まで凹凸がなく、美しく光沢処理された艶やかなスタイルに強く惹き付けられた。
フロアスタンドはシルバーで、本体を支柱一本で支える構成もスタイリッシュ。背後を見回してもデザインや仕上がりにスキがない。普段から数多くの大画面テレビを目にしている筆者だが、一度自室にWooo UTの実物を置いてみると、印象が今までのテレビと全く異なる。インテリアの一部のように部屋になじみ、レイアウトの考え方を今までのテレビとは変えるべきものと、デザインの重要さを再認識させられた。
実際に使用する際には、アンテナ接続やHDMI入力を付属の”Woooユニット”に接続して離れた場所に設置しておき、Wooo UTの背面とWoooユニットそれぞれにオプションのワイヤレスユニットをHDMIケーブルで接続する。ワイヤレスユニットの役割は、純粋にHDMI信号を中継するだけということになる。
Woooステーションとワイヤレスユニットを使った設置は、タワー型のラックにBDレコーダーなどをまとめている筆者の環境には特に馴染んだ。テレビへ信号をワイヤレスで飛ばし、配線を綺麗に処理できながら、レコーダーなどの機器もそのまま扱える使い勝手も良い。
繰り返しになるが、美しい本体の魅力を損なうことなく、結線処理をスッキリさせられるワイヤレスの魅力は、設置して体感して初めて分かる。小型テレビではなく37V型クラスの大画面だからこそ、超薄型でフロアスタンド、ワイヤレスというスタイルの良さが際立つ。
●ワイヤレス接続のWooo UTの実力は?
Wooo UTにワイヤレスユニットを組み合わせても、セットアップについては、ワイヤレスであることを全く意識する必要がないほど、普段と変わりなく行える。
HDMI端子の映像・音声を飛ばすワイヤレスユニットは、セットアップや設定などが一切必要なく、HDMIケーブルと電源の配線のみで使える。今回はリビングにモニターとワイヤレスユニットを設置し、直線距離で4mにも満たない環境で使ってみたが、あいだに人が立ったりちょっとした障害物があるような状態でも、伝送に全く問題はない。UWBによる無線伝送で、最大約9mまでの距離に対応しているので設置環境には余裕がある。
操作性という面でも、モニター側に向けてリモコン操作をすれば、Woooユニットの電源まで操作できるなど、通常のテレビと同じように扱える。映像はJPEG2000形式でリアルタイム圧縮をしているが、ワイヤレス転送によるクオリティ劣化も認識できるレベルではない。
実際にテレビ放送や外部入力のBD映像、ゲームなど様々な映像を表示してみたところ、画質の面では日立の液晶Woooシリーズの延長線上にあるように思えた。
テレビ放送を視聴するにあたっては、映像ソースにもよるが、まず「映像クリエイション」はオフにしたい。画質モードは、テレビ放送の場合でも、「シネマティック」の設定をベースとして、明るさ、黒レベルを若干落とす方向で調整するとバランスのとれた映像になった。
フルHDパネル搭載モデルなので精細感は高いが、映画などでは若干黒が浮く場面が見受けられた。暗部のコントラストと輪郭の出し方のバランスなどは、実際の映像を見ながら調整して欲しい。少し意外だったのは、超薄型モデルながら内蔵スピーカーの音質がなかなか良いこと。リビング用のテレビとしては十分な実力を持っている。
前述の設定は照明をかなり落としたリビングで設定したもので、明るい部屋では「リビング」「スタンダード」など標準的なモードも活躍することだろう。
なお、これは公式サイトでも告知されていることだが、ワイヤレスユニットで接続した状態でゲームをプレイすると、操作のタイミングからゼロコンマ数秒というレベルでレスポンスが遅れるようで、レースやアクションゲームのプレイには苦戦した。当然のことながら、RPGやシミュレーションなどのジャンルでは問題ない。BDレコーダーなどの操作レスポンスも若干遅れるが、こちらは特に気になるほどではない。操作タイミングがシビアなゲームをプレイする方のみ注意してほしい。
●デザインとクオリティを両立させるモデルの増加に期待
Wooo UTシリーズの魅力は、やはり何を措いてもデザインや設置時の美しさ、この一言に尽きる。「超薄型+フロアスタンド+ワイヤレスユニット」という組み合わせの素性の良さは一度使うとすぐに実感でき、この点だけでもインテリアを重視したテレビの購入候補として真っ先に検討したくなったほどだ。
従来、デザイン重視の機種は、クオリティ追求と別の路線として作られているケースが多かったが、筆者としては今後、ハイエンドな画質で超薄型のモデルが増えることを期待したい。先進的なスタイリングとクオリティを高い次元で両立する製品が増えてきたら、大画面テレビの新旋風を巻き起こすことになるだろう。
(折原一也)
折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
さらに、発表時から注目を集めていた、国内で初めてHDMIのワイヤレス伝送を実現したオプションユニット「TP-WL700H」も発売され、インテリアと調和する設置スタイルを堪能する環境も整えられた。
今回は37V型モデル「UT37-XV700」とオプションのワイヤレスユニット、フロアスタンドを実際に筆者宅に設置し、使用したレポートをお届けしたい。
●テレビ設置の常識を変える「超薄型+フロアスタンド+ワイヤレス」
Wooo UTシリーズ最大の特徴は、背面までも美しい超薄型のスタイリングだろう。
今回はリビングのソファの脇に、別売のフロアスタンドを用いて設置したのだが、実際に製品を設置してみると、最薄部35mmというスペック上の数値以上に、背面まで凹凸がなく、美しく光沢処理された艶やかなスタイルに強く惹き付けられた。
フロアスタンドはシルバーで、本体を支柱一本で支える構成もスタイリッシュ。背後を見回してもデザインや仕上がりにスキがない。普段から数多くの大画面テレビを目にしている筆者だが、一度自室にWooo UTの実物を置いてみると、印象が今までのテレビと全く異なる。インテリアの一部のように部屋になじみ、レイアウトの考え方を今までのテレビとは変えるべきものと、デザインの重要さを再認識させられた。
実際に使用する際には、アンテナ接続やHDMI入力を付属の”Woooユニット”に接続して離れた場所に設置しておき、Wooo UTの背面とWoooユニットそれぞれにオプションのワイヤレスユニットをHDMIケーブルで接続する。ワイヤレスユニットの役割は、純粋にHDMI信号を中継するだけということになる。
Woooステーションとワイヤレスユニットを使った設置は、タワー型のラックにBDレコーダーなどをまとめている筆者の環境には特に馴染んだ。テレビへ信号をワイヤレスで飛ばし、配線を綺麗に処理できながら、レコーダーなどの機器もそのまま扱える使い勝手も良い。
繰り返しになるが、美しい本体の魅力を損なうことなく、結線処理をスッキリさせられるワイヤレスの魅力は、設置して体感して初めて分かる。小型テレビではなく37V型クラスの大画面だからこそ、超薄型でフロアスタンド、ワイヤレスというスタイルの良さが際立つ。
●ワイヤレス接続のWooo UTの実力は?
Wooo UTにワイヤレスユニットを組み合わせても、セットアップについては、ワイヤレスであることを全く意識する必要がないほど、普段と変わりなく行える。
HDMI端子の映像・音声を飛ばすワイヤレスユニットは、セットアップや設定などが一切必要なく、HDMIケーブルと電源の配線のみで使える。今回はリビングにモニターとワイヤレスユニットを設置し、直線距離で4mにも満たない環境で使ってみたが、あいだに人が立ったりちょっとした障害物があるような状態でも、伝送に全く問題はない。UWBによる無線伝送で、最大約9mまでの距離に対応しているので設置環境には余裕がある。
操作性という面でも、モニター側に向けてリモコン操作をすれば、Woooユニットの電源まで操作できるなど、通常のテレビと同じように扱える。映像はJPEG2000形式でリアルタイム圧縮をしているが、ワイヤレス転送によるクオリティ劣化も認識できるレベルではない。
実際にテレビ放送や外部入力のBD映像、ゲームなど様々な映像を表示してみたところ、画質の面では日立の液晶Woooシリーズの延長線上にあるように思えた。
テレビ放送を視聴するにあたっては、映像ソースにもよるが、まず「映像クリエイション」はオフにしたい。画質モードは、テレビ放送の場合でも、「シネマティック」の設定をベースとして、明るさ、黒レベルを若干落とす方向で調整するとバランスのとれた映像になった。
フルHDパネル搭載モデルなので精細感は高いが、映画などでは若干黒が浮く場面が見受けられた。暗部のコントラストと輪郭の出し方のバランスなどは、実際の映像を見ながら調整して欲しい。少し意外だったのは、超薄型モデルながら内蔵スピーカーの音質がなかなか良いこと。リビング用のテレビとしては十分な実力を持っている。
前述の設定は照明をかなり落としたリビングで設定したもので、明るい部屋では「リビング」「スタンダード」など標準的なモードも活躍することだろう。
なお、これは公式サイトでも告知されていることだが、ワイヤレスユニットで接続した状態でゲームをプレイすると、操作のタイミングからゼロコンマ数秒というレベルでレスポンスが遅れるようで、レースやアクションゲームのプレイには苦戦した。当然のことながら、RPGやシミュレーションなどのジャンルでは問題ない。BDレコーダーなどの操作レスポンスも若干遅れるが、こちらは特に気になるほどではない。操作タイミングがシビアなゲームをプレイする方のみ注意してほしい。
●デザインとクオリティを両立させるモデルの増加に期待
Wooo UTシリーズの魅力は、やはり何を措いてもデザインや設置時の美しさ、この一言に尽きる。「超薄型+フロアスタンド+ワイヤレスユニット」という組み合わせの素性の良さは一度使うとすぐに実感でき、この点だけでもインテリアを重視したテレビの購入候補として真っ先に検討したくなったほどだ。
従来、デザイン重視の機種は、クオリティ追求と別の路線として作られているケースが多かったが、筆者としては今後、ハイエンドな画質で超薄型のモデルが増えることを期待したい。先進的なスタイリングとクオリティを高い次元で両立する製品が増えてきたら、大画面テレビの新旋風を巻き起こすことになるだろう。
(折原一也)
折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。