【更新】パイオニア、パナソニックとPDP事業で包括提携 − 両社技術で「究極のプラズマ」を実現
パイオニア(株)と松下電器産業(株)は本日、PDP事業の強化・発展を目的に包括的提携を行うことで基本合意したことを発表。共同記者会見を行った。本件の正式締結は今年5月末を目処に執り行う予定。両社は今後協力してPDPパネルモジュールの新規開発・生産・供給を行っていくことになる。
パイオニアは先日行われた取締役会において、次期新製品をもってPDPモジュールの自社生産から撤退し、今後は外部からパネルの供給を受けることを発表(関連ニュース)。パネルの調達先については、同社代表取締役・須藤民彦氏が「現在パナソニックと協議中」であるとコメントしていた。今回、これが正式に発表されたことになる。
会見には、パイオニア(株)常務執行役員 小谷 進氏と、松下電器産業(株)常務役員 森田 研氏が登壇。今回の協業について説明した。
■両社の協業で多くのシナジー効果狙う
小谷・森田両氏は今回の提携についてそれぞれ以下のようにコメント。協業が両社に多くのメリットをもたらすことを示した。
「高いコスト競争力を持つパナソニック製パネルにパイオニアの技術を加えることで、これまでよりも相当安価に優れた製品を作れると考えている。これまでどおりクオリティの高い“KURO”プラズマテレビを提供していきたい」(小谷氏)
「パイオニアから技術者の転籍を受け入れることで技術者層が厚くなり、液晶も含めたパナソニックの薄型テレビ事業全体の更なる進化を図れるだろう」(森田氏)
■パイオニアの高コントラスト化技術+Neo PDP技術で「究極のプラズマ」実現
パイオニアは6月以降、同社のPDPパネル技術者を順次パナソニックに転籍。パナソニックが主体となり、両社の技術を持ち寄ったPDPパネルモジュールの開発・生産を行う。具体的には今後、パイオニアの“高発光効率化技術”“高コントラスト化技術”“パネル超薄型化技術”と、パナソニックの“Neo PDP”技術を融合させることで、コントラストを限りなく高め、消費電力を従来の三分の一まで削減した薄さ1インチ以下の“究極のプラズマパネル”の実現を目指しているという。
また、共同開発したパネルは2009年5月に稼働予定の尼崎第5工場などで生産し、6月末より順次出荷予定。パイオニアの2009年秋モデルとなるプラズマテレビから搭載できるよう供給をはじめる。
パイオニアに供給するパネルのサイズラインナップについては「現在パイオニアが事業展開しているインチサイズを視野に、市場ニーズを見極めて協議していく」(森田氏)とのこと。小谷氏は「基本的には40V型以上はプラズマ、30V型台は液晶、という棲み分けでいく。しかし市場のニーズを鑑みて46V型の液晶テレビなどを発売する可能性もあるだろう」という見解を示した。
■両社ブランドは独立存続/画質処理エンジンなどで差別化図る
2009年以降、両社は同一パネルを使用することとなるが、“KURO”ならびに“VIERA”ブランドは今後もそれぞれ独立して存続する。
“KURO”ブランドは、今後は両社の技術を融合させた“進化したパネル”をアピールポイントとすることで、現在と同様、プレミアム感を打ち出す販売戦略を続行する。小谷氏は「画質が高く評価されながらもコスト競争力のなかった“KURO”だが、パナソニックからパネル供給を受けることでこの点を改善できるだろう」と説明。価格については「現在は他社高級ラインと比較し、かなり上の価格帯にあるが、今後は現在よりも少しお求めやすい、他社ハイエンドモデルと同程度の価格になるだろう。価格競争力を付けることでシェアの拡大も図りたい」(小谷氏)とコメントした。
また、販売力の上回るパナソニック製品との性能・販売戦略的な差別化について訊かれた小谷氏は「各社テレビの特徴や個性をかたちづくるのは、パネルではなく画質処理技術。画質処理回路の開発を自社内で継続することで、同一パネルを使用してもパイオニアらしさのある製品は十分作ることができる」と発言。「国内量販店で市場がバッティングすることはあるだろうが、例えば欧州などでは両社の販売チャネルは全く違う。全世界的視点ではさほど大きな影響はないと考えている」との見解を示した。
(Phile-web編集部)
パイオニアは先日行われた取締役会において、次期新製品をもってPDPモジュールの自社生産から撤退し、今後は外部からパネルの供給を受けることを発表(関連ニュース)。パネルの調達先については、同社代表取締役・須藤民彦氏が「現在パナソニックと協議中」であるとコメントしていた。今回、これが正式に発表されたことになる。
会見には、パイオニア(株)常務執行役員 小谷 進氏と、松下電器産業(株)常務役員 森田 研氏が登壇。今回の協業について説明した。
■両社の協業で多くのシナジー効果狙う
小谷・森田両氏は今回の提携についてそれぞれ以下のようにコメント。協業が両社に多くのメリットをもたらすことを示した。
「高いコスト競争力を持つパナソニック製パネルにパイオニアの技術を加えることで、これまでよりも相当安価に優れた製品を作れると考えている。これまでどおりクオリティの高い“KURO”プラズマテレビを提供していきたい」(小谷氏)
「パイオニアから技術者の転籍を受け入れることで技術者層が厚くなり、液晶も含めたパナソニックの薄型テレビ事業全体の更なる進化を図れるだろう」(森田氏)
■パイオニアの高コントラスト化技術+Neo PDP技術で「究極のプラズマ」実現
パイオニアは6月以降、同社のPDPパネル技術者を順次パナソニックに転籍。パナソニックが主体となり、両社の技術を持ち寄ったPDPパネルモジュールの開発・生産を行う。具体的には今後、パイオニアの“高発光効率化技術”“高コントラスト化技術”“パネル超薄型化技術”と、パナソニックの“Neo PDP”技術を融合させることで、コントラストを限りなく高め、消費電力を従来の三分の一まで削減した薄さ1インチ以下の“究極のプラズマパネル”の実現を目指しているという。
また、共同開発したパネルは2009年5月に稼働予定の尼崎第5工場などで生産し、6月末より順次出荷予定。パイオニアの2009年秋モデルとなるプラズマテレビから搭載できるよう供給をはじめる。
パイオニアに供給するパネルのサイズラインナップについては「現在パイオニアが事業展開しているインチサイズを視野に、市場ニーズを見極めて協議していく」(森田氏)とのこと。小谷氏は「基本的には40V型以上はプラズマ、30V型台は液晶、という棲み分けでいく。しかし市場のニーズを鑑みて46V型の液晶テレビなどを発売する可能性もあるだろう」という見解を示した。
■両社ブランドは独立存続/画質処理エンジンなどで差別化図る
2009年以降、両社は同一パネルを使用することとなるが、“KURO”ならびに“VIERA”ブランドは今後もそれぞれ独立して存続する。
“KURO”ブランドは、今後は両社の技術を融合させた“進化したパネル”をアピールポイントとすることで、現在と同様、プレミアム感を打ち出す販売戦略を続行する。小谷氏は「画質が高く評価されながらもコスト競争力のなかった“KURO”だが、パナソニックからパネル供給を受けることでこの点を改善できるだろう」と説明。価格については「現在は他社高級ラインと比較し、かなり上の価格帯にあるが、今後は現在よりも少しお求めやすい、他社ハイエンドモデルと同程度の価格になるだろう。価格競争力を付けることでシェアの拡大も図りたい」(小谷氏)とコメントした。
また、販売力の上回るパナソニック製品との性能・販売戦略的な差別化について訊かれた小谷氏は「各社テレビの特徴や個性をかたちづくるのは、パネルではなく画質処理技術。画質処理回路の開発を自社内で継続することで、同一パネルを使用してもパイオニアらしさのある製品は十分作ることができる」と発言。「国内量販店で市場がバッティングすることはあるだろうが、例えば欧州などでは両社の販売チャネルは全く違う。全世界的視点ではさほど大きな影響はないと考えている」との見解を示した。
(Phile-web編集部)