YouTubeへの「おまかせリンク」も搭載
ソニー、有機ELタッチパネル/NC機能/S-Master搭載のウォークマン最上位機種を発売
ディスプレイ部にはタッチ操作式の3.0V型有機ELパネルを搭載。聴きたいアルバムをすぐに選べる「アルバムスクロール」機能や、ビデオの見たいシーンをすばやく検索できる「シーンスクロール」機能など、タッチパネルならではの直感的操作を可能にしている。
本体上部と側面にもボタンを配置しており、こちらでも操作が可能。この点について野田氏は「DAPはポケットやカバンに入れたまま操作することも多い。そうした場合にはタッチパネルよりもボタン式のほうが操作しやすい」と、2通りの操作方法を併用できるようにした理由を説明する。
無線LANではソフトバンクテレコム(株)の「BBモバイルポイント」とNTT東西の「フレッツ・スポット」を、そしてポッドキャストではTOKYO FMとKiss FM、J-WAVEの3局を公式にサポート。野田氏は「“公式に”という表現は我が社による技術検証が完了していることを意味する。技術検証こそ行っていないが、そのほかのサービスについても接続可能な体制になっている」と述べた。
音楽再生では、インターネット接続可能な点を利用した「おまかせリンク」機能を搭載。聴いている音楽のアーティスト名・アルバム名・曲名から、無線LANを利用して、YouTubeにアップロードされている関連動画に直接リンクし、ストリーミング再生をしたりMicrosoft Live Searchに直接接続し、関連情報を検索することが可能だ。
YouTubeを閲覧可能にした点について野田氏は「ウォークマンはあくまでも音楽プレーヤー。音楽を中心とした楽しみ方をユーザーに提供するためにYouTubeへ接続できるようにしている」とコメント。YouTubeの視聴だけが主目的でなく、聴いている音楽のもっと深い情報を得るための方法としてインターネット機能を搭載したと説明する。
そのほか、楽曲管理ではエクスプローラー上でのドラッグ&ドロップによる転送に対応。これまで同方式によるウォークマンへのファイル転送は動画と静止画のみが可能だったが、本製品では新たに音楽ファイルも対応。楽曲管理ソフト「SonicStage V」も付属するが、同ソフトを介さずともPC間との楽曲転送や削除が可能だ。
続いて野田氏は、デザイン面にもこだわったと説明。機体は鉱物を意識したデザインとなっており、鉱物の持つ硬質感やザラザラ感を表現するために「リンクル塗装」を施していることを明かした。
同塗装方式は、塗装を吹き付けた後に窯へ入れ焼き付けることにより、塗料が縮んでザラザラしたような感じになるというもの。野田氏によれば「こういったモバイル機器としては非常に珍しい塗装方式だ」という。
また、発表会の席上で野田氏は同社が調査したDAPに対するユーザーニーズについても言及。ワンセグ視聴やBluetooth、着うたフルの再生などの各機能が新製品に搭載される場合に「値段が高くなっても必要」「値段が高くなるならば必要ない」のどちらに当てはまるかのアンケート結果を公表した。
アンケートでは、デジタルアンプの搭載やデジタルノイズキャンセリング機能に対する要望が特に高いことが判明したという。「音質を追求して欲しいというユーザーが多かったことから、本機には両機能を搭載した」と野田氏は説明した。
そしてまた野田氏は「Xシリーズはウォークマンの中でも機能を磨きに磨いた製品だ」と胸を張り、「本製品で音質、画質、操作、そしてコンテンツ入手という、DAPが持つ4つの体験を大きく変革していきたい」と語った。
以下、発表会で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.DAP市場もあまり伸びておらず、不況で高価なものが敬遠される状況のある中、このタイミングで最上位機種を投入する狙いを教えて欲しい。
A.確かにDAP市場は急激に伸びているわけではなく、低価格モデルも増えて単価の下落も起こっている。しかし、ユーザーが本当に欲しているものを探ったときに、音質や画質といった品質に関する要望が非常に高かった。様々なDAPが存在する中で、そうした点にこだわるユーザーに応えられる製品を届けたいと考えた。
Q.具体的な販売台数目標があれば教えて欲しい。
A.具体的な数字は差し控えたい。気持ち的にはいっぱい売りたいと思っている(笑)。
Q.有機ELパネルは自社製なのか、それとも他社から調達しているのか。
A.他社製のものを調達している。調達先の企業名については差し控えたい。
Q.ターゲット層について、性別や年齢などの具体例があれば教えて欲しい。
A.ユーザーに対しては趣向の違いで全世代を捉えるというのが我々の考え方なので、性別や年代などによるターゲット設定はあまりしていない。ただ、価格もある程度するモデルということを考えると、20代後半から40代程度の男性がまずメインターゲットになるのではないか。