沖縄のユビキタス特区で最大30fpsでの携帯端末向け多チャンネル放送実験

メディアフロージャパン企画（株）は、沖縄県那覇市および豊見城市のユビキタス特区において最大30fpsでの携帯端末向け多チャンネル放送の実証試験を本日より開始した。

実証試験は、同社が設置した実験試験局から実験用の20の映像チャンネル、および3つの音声チャンネルを同時に送信し、実験用端末により、様々な受信環境下で受信するというもの。実験には、ディスカバリーチャンネルやディズニー・チャンネルなどが各権利所有企業から提供される。

同社では、米Qualcomm社が商標を持つ「MediaFLO」方式での放送サービスを提供している。本実験では、同方式の特徴である統計多重効果による周波数利用効率の高さを実証するとともに、事業化検討の一環として送信側のパラメータや屋内外での電波受信状況に応じた画質や音声品質の性能評価等を実施する予定だという。

なお、「MediaFLO」方式はITU（International Telecommunication Union：国際電気通信連合）勧告で国際標準として認められている携帯端末向け多チャンネル放送サービスで、移動体環境に最適化した技術。

周波数帯を5/6/7/8MHz幅から選択できるほか、全国をひとつの周波数（チャンネル）でカバーする Single Frequency Network（SFN）にも対応しており、電波を効率的に使用することができる利点がある。同社では、H.264で最大30fps、320×240（QVGA）解像度でのストリーミングTV放送などを提供している。

本年秋には、コンテンツ制作や端末開発等を行う各企業と協力し、チャンネル型サービスであるリアルタイムストリーミングのほか、放送波ダウンロードサービスであるクリップキャスティングやIPデータキャスティングを用いて、通信と放送が連携した新しいサービスに関する実証試験を実施する。また、地方自治体等と連携した地域密着型コンテンツ配信の実証試験も実施予定だという。