HOME > ニュース > 日テレとテクノマセマティカル、低遅延な中継先への送り返しシステムを開発

地アナ停波による遅延を短縮

日テレとテクノマセマティカル、低遅延な中継先への送り返しシステムを開発

公開日 2009/05/11 18:28 Phile-web編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
最近、スタジオと中継先での会話が、微妙にタイムラグがあることが増えてきた。海外中継では珍しくない現象だが、国内の中継先でも2〜3秒程度の遅延が見られるケースがある。数年前まではほとんど見られなかったこの現象は、中継先のモニターでデジタル放送を受信していることが理由の可能性もある。

デジタル放送を受信し、テレビ画面で表示する際には、圧縮された映像/音声データをデコードする時間が必要なため、アナログ放送に比べ表示までに時間がかかる。中継先でのモニターでデジタル放送を受信していた場合、スタジオでの出来事が2秒程度あとに中継先のテレビに映し出されることになり、スタジオとのやり取りがギクシャクしたものになってしまう。

現在はアナログテレビでモニターすれば遅延は防げるが、2011年7月以降はアナログ停波により、遅延の少ないオンエア映像・音声を中継先でモニタリングすることができなくなる。

このような状況のもと日本テレビ放送網(株)は、(株)テクノマセマティカルと共同で、インターネットを利用して低遅延で映像・音声を伝送するシステムを開発した。テクノマセマティカルが開発したソフトウェアコーデックを使って、映像をH.264、音声をAACにエンコード。そのデータをインターネットで伝送し、中継先でデコードする仕組みだ。処理の負荷が軽く、ノートパソコンなどでも利用できる点も特徴。

本システムの概要

またこのシステムは、取材先から本社までの素材伝送など、幅広い用途への応用が可能。日本テレビでは今後、さらなる高画質化と高圧縮化を視野に、テクノマセマティカルの独自コーデック「DMNA-V2」の採用を検討しているという。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE