HD動画撮影やPCM録音も可能
オリンパス、マイクロフォーサーズ準拠の“オリンパス・ペン”「E-P1」を発売
■「一眼カメラの潜在需要は2,000万台」
発表会では、製品のお披露目に先立ちオリンパス(株)代表取締役社長の菊川剛氏が登壇。デジタル一眼カメラの市場動向や、「E-P1」を発売する狙いなどについて説明した。
あいさつの冒頭で菊川氏は「デジタルカメラは、登場し始めた頃はパソコンの周辺機器といった扱いだった。しかし、オリンパスは当初から写真画質を追求してきた」と、デジタルカメラ分野に対する同社の姿勢を改めて説明。「こうした考え方は、いわば“常識への挑戦”でもあった」と語り、ダストリダクションシステムやライブビューを他社に先駆けて提唱してきた同社の取り組みをアピールした。
続いて菊川氏はデジタル一眼カメラの市場動向に言及。1億以上の出荷台数のコンパクト機ユーザーの約20%が、一眼機へのステップアップを検討したことがあるという同社の調査結果を紹介し、「2,000万台以上の巨大な潜在市場があるということだ」と市場の可能性を強調し、「E-P1」で新たな市場を創造していくと意気込みを語った。
そして、製品については「デジタル機器はとかく価格競争を優先しがちだが、本製品はお使い頂くユーザーの心からの満足感を大事にしようという原点に立ち返ったもの」とコメント。「本製品は、コンパクトでもなく一眼レフでもない全く新しい魅力を持ったもの。“新世代マイクロ一眼”と呼びたい」と、製品が新たな視点を持ったものであることを強調した。
また、菊川氏に続いて製品説明を担当した小川氏も、一眼機の購入を検討しながらも実際の購入に至っていない理由を訊ねたアンケート結果などを発表し、市場動向について補足説明を行った。
小川氏は、ボディサイズの大きさや重さ、そして価格の高さがネックになっているという調査結果を示し、「潜在需要である20%の人々にとって、大きさ、難しさ、重さという3点が“超えられなかった壁”だった」とコメント。マイクロフォーサーズ規格を採用した新製品がこうした問題点をクリアするものであることを説明した。
その上で「本製品は、“次世代”機ではなく“新世代”機だ」と菊川氏と同じく製品のキーワードを強調。“新世代”を謳う理由について「全く新しいマーケットを創世する意志を込めている」と述べた。
最後に小川氏はマイクロフォーサーズ規格レンズの今後の展開についてもコメント。ロードマップ図を示しながら「2010年の春には超広角ズームや高倍率ズームモデルも登場させる予定だ」と語り、さらに趣味性の高いラインナップ開発も検討していることも明かした。
■CMキャラクターの宮浮おいさんも登場
発表会の最後には、CMキャラクターを務める宮浮おいさんがスペシャルゲストとして登場。「動きが少し難しい部分もあったが、とても楽しい撮影だった」とCM撮影時の感想や、製品に対する印象などを語った。
また、ステージ上では、「1日1枚写真を撮りなさいという、とある人の言葉を見て、自分も真似して写真日記をつけている」という宮浮ウんが撮影した写真も披露された。
また、夕焼けの写真を披露する際には「アートフィルターのトイフォトを使って撮影した」と、製品の機能を活用したことを説明。「アートフィルターの中では、トイフォトとファンタジックフォーカスが大好き。ファンタジックフォーカスではとても可愛い写真が撮れる」と、アートフィルター機能を非常に気に入っていることも明かした。
また、「E-P1」を触ってみての感想を訊ねられた宮浮ウんは「軽くてアートフィルターも搭載し、さらに今回からは動画も撮影できるということで、私が欲しいものが全て詰まっていて感動した」とコメント。「色々な機能を使いながら、これからこのカメラで1日1枚写真を撮り続けていきたい」と語った。
■発売記念キャンペーンも実施
発表会では、製品発売を記念して予約キャンペーンを実施することも明らかにされた。キャンペーンでは、製品予約者に、フォーサーズ規格のレンズを装着可能にするアダプター「MMF-1」か、8GBのSDカードいずれか希望のものをプレゼントするという。
予約期間は6月17日から7月2日までで、キャンペーンの応募期間は7月3日から8月20日(消印有効)まで。応募には、「署名入り国際保証書」「購入時のレシートか両証書、またはクレジット控え」「予約受付シート」の3点が必要で、これらの書類をキャンペーン事務局へ送付する。送付先は下記の通り。
〒100-8691
郵便事業(株)銀座支店郵便私書箱331号
オリンパスキャンペーン事務局
「E-P1 予約キャンペーン」係
■質疑応答
以下、発表会で行われた質疑応答の様子をお届けする。
Q.マイクロフォーサーズ規格発表から10ヶ月くらいたっているが、他社からの参入がまだない。なぜ他社の参入がないのか。また、呼びかけなどは行っているのか。
A.数々の企業から問い合わせはきている。我々からもようやく1号機が発表できる段階ということもあり、他社も検討していただいている段階だろう。
Q.フォーサーズ規格とマイクロフォーサーズ規格の2規格でそれぞれ製品開発を進めるとなると、リソースが分散してしまうと思うがそのあたりはどう対処していくのか。
A.プラットフォームの共通化を図るなど、開発の手法を従来のものから変えている。
Q.当面は月産2万台を目標にするということだが、マイクロフォーサーズを新世代と位置づけて新市場を切り開くという意味からすると少々インパクトに欠けるような印象も受けるが、どう思うか。
A.コンパクトと一眼の中間というのは、まったく新しいマーケットを開拓するということ。そして、マイクロフォーサーズ規格に準拠した製品のシリーズ化やアクセサリーの充実などを図ってこの市場を発展させていきたい。ひとまず今期は月産2万台という計画だが、来期はそれをはるかに超える販売を行いたい。
関連リンク
- ジャンルデジタルスチルカメラ/静止画編集
- ブランドOLYMPUS
- 型番E-P1
- 発売日2009年7月3日
- 価格¥OPEN(予想実売価格90,000円前後)
●有効画素数:1230万画素 ●撮像素子:4/3型ハイスピードLive MOSセンサー ●モニター:3.0V型 ハイパークリスタル液晶 ●電源:リチウムイオン充電池 ●記録媒体:SD/SDHCカード ●外形寸法:120.5W×70.0H×35.0Dmm(突起部含まず) ●質量:約335g