IFA2009レポート
ソニー・ヨーロッパ社プレジデント 西田氏に聞く − “ソニーならでは”の3D&ネットワーク展開
IFA2009会場に出展するソニーのブースにて、ソニー・ヨーロッパ社プレジデントの西田不二夫氏にインタビューを行い、3Dやネットワークを始めとしたソニーのビジネス戦略を訊ねた。
3Dエンターテインメントは“レンズから茶の間まで”がテーマ
−2010年のコンシューマー市場投入を宣言した3Dのハード・コンテンツについて
西田氏:ソニーが掲げる3Dエンターテインメントのテーマは“レンズから茶の間まで”。ソニーは放送局から映画製作の現場、コンシューマー製品まで一貫したコンセプトと独自技術による製品を供給できるユニークなブランドであり、持てるリソースを最大限に利用して新たなビジネス戦略を立てることができる企業だ。このソニーならではの強みを3Dエンタテインメントの近い実現においても活かしていきたい。
今回のプレスカンファレンスではソニー・ピクチャーズ製作の映画、フットボールの中継などの3Dコンテンツのデモをご覧いただいたが、それぞれに異なるアプローチで高品質な3D映像をお届けできるよう、これからベストな手法を検討していきたいと考えている。ソニーがこだわっているのは、「1080PのフルHDクオリティで上質な3D」を体験していただくことだ。そのためには、昨年に商品化を実現した4倍速駆動のブラビアにも搭載しているハイフレームレート技術もキーファクターになるだろう。エンジニアたちがこだわってきたハイフレームレート技術などの資産が、3Dというエンターテインメントの新しいステージへつながっていくことを確信し、今後のビジネスの展開に大きな手ごたえを感じている。
またソニーには「映画」だけでなく、もう一つ「ゲーム」という3Dにふさわしいコンテンツがあることも他社にない強みだと考えている。2010年の商品化に向けてターゲットとしているのは薄型テレビ、ブルーレイ、PCの3アイテムだが、ゲームについても積極的に可能性を探っていきたい。
一方でユーザーに3Dの価値を提案していく際には、業界全体として価値訴求していくことも大事だと考えている。3D対応のブルーレイディスクの統一規格策定に関しては、ソニーとしても積極的に働きかけていきたい。
3Dの商品化に関する具体的な時期、或いは商品化後のマーケットボリュームの予測についてはまだ明言できる段階にないと考えている。ブラビアのどの機種で展開していくかについても決まっていないが、恐らくハイエンドモデルに搭載していくことになるだろう。3D商品を投入して、市場に認知が普及していくまでには、おそらく5年はかかるだろうとみている。人々があっと驚くような、エキサイティングで新しいエンターテインメントを創出し、業界を元気にしていくことはソニーの使命だと考えている。また3Dのイニシアチブを取ることは、ソニーのブランド力を高めることにもつながるだろう。
ソニーならではのネットワーク機能を実現し、ブラビアの商品力を高める
−ヨーロッパでの展開が宣言された、PlayStation NetworkをプラットフォームにしたVODサービス、或いは「BRAVIA Internet Video」について
西田氏:PlayStation NetworkによるVODサービスは、北米で映画タイトルのダウンロードが成功し、いまや多くのタイトルが配信を行っている。ヨーロッパではまず、11月にドイツ、フランス、スペインでサービスをスタートさせ、ユーザーの反響をみながら少しずつヨーロッパ全土に拡大していきたい。
ダウンロード型のVODサービスは現時点ではPLAYSTATONをコンソールにした、ゲームビジネスの延長線上で捉えているが、いずれはゲームを超えてテレビにも向かっていくだろうという将来的な展望を持っている。
3Dとの関連で言えば、PlayStation Networkでの3Dコンテンツの配信も視野に入っている。具体的にどんなコンテンツを取りそろえるかについては、今後検討していきたい。
「BRAVIA Internet Video」のヨーロッパ展開が決断された背景には、昨今急速にヨーロッパでも、特に若い世代の間でPCを使ってインターネット上の動画を楽しむライフスタイルが普及してきたことがある。イギリスのBBCが放映済みのテレビ番組をアーカイブ化し、インターネット上で放送後に見られるサービスとして展開したことが、ヨーロッパのコンシューマーにテレビ視聴の新しいスタイルを提案するきっかけになった。これにヨーロッパ各国の大手メディアが追随し、有料/無料のものと様々なサービスが誕生した。放送局はそれぞれのアーカイブを活用する新たなビジネスモデルをつくりつつある。
これらのサービスはPCでの視聴を基本としているが、では家庭のテレビで家族と一緒に楽しめるようにしてはどうだろうか?という提案が、今回ソニーが発表した「BRAVIA Internet Video」の機能だ。
本機能搭載のブラビアは、早ければ来年早々から商品化を立ち上げたいと考えている。今後、ブラビアの商品力を高めるビジネスモデルとして、必ずや面白いものになるだろうと期待している機能だ。
3Dエンターテインメントは“レンズから茶の間まで”がテーマ
−2010年のコンシューマー市場投入を宣言した3Dのハード・コンテンツについて
西田氏:ソニーが掲げる3Dエンターテインメントのテーマは“レンズから茶の間まで”。ソニーは放送局から映画製作の現場、コンシューマー製品まで一貫したコンセプトと独自技術による製品を供給できるユニークなブランドであり、持てるリソースを最大限に利用して新たなビジネス戦略を立てることができる企業だ。このソニーならではの強みを3Dエンタテインメントの近い実現においても活かしていきたい。
今回のプレスカンファレンスではソニー・ピクチャーズ製作の映画、フットボールの中継などの3Dコンテンツのデモをご覧いただいたが、それぞれに異なるアプローチで高品質な3D映像をお届けできるよう、これからベストな手法を検討していきたいと考えている。ソニーがこだわっているのは、「1080PのフルHDクオリティで上質な3D」を体験していただくことだ。そのためには、昨年に商品化を実現した4倍速駆動のブラビアにも搭載しているハイフレームレート技術もキーファクターになるだろう。エンジニアたちがこだわってきたハイフレームレート技術などの資産が、3Dというエンターテインメントの新しいステージへつながっていくことを確信し、今後のビジネスの展開に大きな手ごたえを感じている。
またソニーには「映画」だけでなく、もう一つ「ゲーム」という3Dにふさわしいコンテンツがあることも他社にない強みだと考えている。2010年の商品化に向けてターゲットとしているのは薄型テレビ、ブルーレイ、PCの3アイテムだが、ゲームについても積極的に可能性を探っていきたい。
一方でユーザーに3Dの価値を提案していく際には、業界全体として価値訴求していくことも大事だと考えている。3D対応のブルーレイディスクの統一規格策定に関しては、ソニーとしても積極的に働きかけていきたい。
3Dの商品化に関する具体的な時期、或いは商品化後のマーケットボリュームの予測についてはまだ明言できる段階にないと考えている。ブラビアのどの機種で展開していくかについても決まっていないが、恐らくハイエンドモデルに搭載していくことになるだろう。3D商品を投入して、市場に認知が普及していくまでには、おそらく5年はかかるだろうとみている。人々があっと驚くような、エキサイティングで新しいエンターテインメントを創出し、業界を元気にしていくことはソニーの使命だと考えている。また3Dのイニシアチブを取ることは、ソニーのブランド力を高めることにもつながるだろう。
ソニーならではのネットワーク機能を実現し、ブラビアの商品力を高める
−ヨーロッパでの展開が宣言された、PlayStation NetworkをプラットフォームにしたVODサービス、或いは「BRAVIA Internet Video」について
西田氏:PlayStation NetworkによるVODサービスは、北米で映画タイトルのダウンロードが成功し、いまや多くのタイトルが配信を行っている。ヨーロッパではまず、11月にドイツ、フランス、スペインでサービスをスタートさせ、ユーザーの反響をみながら少しずつヨーロッパ全土に拡大していきたい。
ダウンロード型のVODサービスは現時点ではPLAYSTATONをコンソールにした、ゲームビジネスの延長線上で捉えているが、いずれはゲームを超えてテレビにも向かっていくだろうという将来的な展望を持っている。
3Dとの関連で言えば、PlayStation Networkでの3Dコンテンツの配信も視野に入っている。具体的にどんなコンテンツを取りそろえるかについては、今後検討していきたい。
「BRAVIA Internet Video」のヨーロッパ展開が決断された背景には、昨今急速にヨーロッパでも、特に若い世代の間でPCを使ってインターネット上の動画を楽しむライフスタイルが普及してきたことがある。イギリスのBBCが放映済みのテレビ番組をアーカイブ化し、インターネット上で放送後に見られるサービスとして展開したことが、ヨーロッパのコンシューマーにテレビ視聴の新しいスタイルを提案するきっかけになった。これにヨーロッパ各国の大手メディアが追随し、有料/無料のものと様々なサービスが誕生した。放送局はそれぞれのアーカイブを活用する新たなビジネスモデルをつくりつつある。
これらのサービスはPCでの視聴を基本としているが、では家庭のテレビで家族と一緒に楽しめるようにしてはどうだろうか?という提案が、今回ソニーが発表した「BRAVIA Internet Video」の機能だ。
本機能搭載のブラビアは、早ければ来年早々から商品化を立ち上げたいと考えている。今後、ブラビアの商品力を高めるビジネスモデルとして、必ずや面白いものになるだろうと期待している機能だ。