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IFA2009レポート

IFA統括本部長・イエンズ ハイテッカー氏に訊く − 「IFAが不況にも強い理由」

公開日 2009/09/07 02:04 Phile-web編集部・山本
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いよいよイベント会期の後半戦を迎える「IFA2009」だが、開幕以降ビジネス、パブリックともにレコードを記録した昨年に迫る賑わいぶりを見せている。今年のイベントの手応えをメッセ・ベルリン社のイエンズ・ハイテッカー氏に聞いた。


メッセ・ベルリン社 IFA統括本部長 イエンズ・ハイテッカー氏
3Dを含むハイビジョンエンターテインメントが好評/エコの視点も定着した

Q:昨年の「IFA2008」では、会期中の来場者数、受注総額ともにレコードを打ち立てましたが、今年のイベントも大変な盛況ぶりと伺えます。会期も半ばを迎えましたが、これまでの反響をどのように感じていますか。

ハイテッカー氏:世界的に経済環境が困難な中で、大変安定した成果をここまで得られていると感じています。もちろん数値による成果は会期後でなければご報告できませんが、感触としてトレードビジターの数は昨年よりも多いように見受けられます。またジャーナリストの方々ともに、国際化がより進んでいるものと思います。世界各国でIFAがメディアに取り上げられる数も増え、内容が多様化していることも実感しています。もはやIFAは“世界最大のコンシューマー・エレクトロニクスショー”としての地位を揺るぎないものにしたと言えるでしょう。

Q:より多くの出展社、来場者を獲得するために新しく試みたことなどはあったのでしょうか。

ハイテッカー氏:特別なことは何もしていません。出展社、トレードビジターの方々にとっては、IFAの長期的な成長戦略を実感してもらい、安心してご参加いただくためにも戦略を毎年変更するといったことはしないよう心がけています。一般来場者の方々に向けては、Webサイトを一般の方々向けにして、IFAの魅力がより分かりやすくするような工夫はしてみましたが、その成果は出ているものと思います。

Q:今年IFAの出展に戻って来たパイオニアをはじめ、日本メーカーのIFA2009に対する評価はいかがでしょうか。

ハイテッカー氏:私がお話を聞けた方々からは、一様に大変満足しているとの声をいただいています。日本のメーカーの出展内容に対するトレードビジター、ジャーナリストの評価も高く、パイオニアが再びIFAに参加されたことにも大変喜ばれているようです。世界的な経済不況の中で、IFAにご出展いただいたメーカーは、今年のクリスマス商戦を前にベストなタイミングでアピールできたのではないでしょうか。

Q:IFA2009ではどんな出展内容が人気を集めているようですか。

ハイテッカー氏:ハイビジョンテレビがヨーロッパのマーケットにもすっかり浸透して、コンシューマーの意識を変えています。テレビだけでなく、ネットワークを介して他のAV機器とつながるハイクオリティなライフスタイルを各メーカーが具体的に見せたことで、来場者は自分の生活にもたらされる豊かさを実感し、消費意欲を高めていることを実感しています。また3Dの展示もたいへん好調のようですね。各出展メーカーからは近い将来の3D技術の商品化が発表され、多くのコンシューマーがリビングで楽しめる3Dワールドを心待ちにしていると思います。

またもう一つトレンドとして定着したように思われるテーマが「エコロジー」です。出展メーカーは単に電力、水の消費効率の良さを訴えるだけでなく、次世代へクリーンな環境を継承することの重要性を展示でアピールし、このメッセージをコンシューマーがそれぞれの問題意識として受け止めているように思います。今後、多くのコンシューマーがエコ・フレンドリーな商品の購入に関心を示すだろうと考えています。


― ありがとうございました。またIFA2009の成果をうかがえる機会を楽しみにしたいと思います。

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