“開催50回記念”のIFAは9月3日にベルリンで開幕
IFA2010の出展コンセプトが明らかに − アップル関連機器など集めた「IFA iZone」や「eBook」エリアを新設
スペインで現地時間4月22日から開催が予定されていた、世界最大のコンシューマー・エレクトロニクスショー「IFA2010」のグローバル・プレスカンファレンスは、アイスランドで発生した火山噴火の影響により開催が見送られた。イベントを主催するメッセ・ベルリン社は現地時間25日、プレスリリースを公開し、9月3日から開催される「IFA2010」のイベントに関する展示概要と今年のハイライトを発表した。
IFA2010のハイライト − アップル関連製品を集めた特別展示を計画
昨年開催された「IFA2009」のサマリーと、今年のイベントのハイライトに関するプレゼンテーションが報告された。
昨年は世界的な経済不況の最中で開催された「IFA2009」だが、期間中の受注総額、出展数・来場数ともにレコードを打ち立てたIFA2008の規模に迫る成果を残し、欧州のマーケットにその存在感を改めて示すかたちとなった。メッセ・ベルリン社COOのChristian Goeke博士は「IFA2010」に寄せられる大きな期待を受け、「世界のコンシューマー・エレクトロニクス市場の発展において、IFAが大役を担っていることを実感している。私たちはこの高い目標を、参加出展社の皆様やメディアの方々とともに、一緒に達成できるものという前向きな見通しを持っている」とコメントしている。
昨年開催された「IFA2009」は、実質展示面積が121,000m2を記録したほか、世界から1,164社が出展し、大いに賑わいを見せた。またトレードビジター、一般来場者、プレス来場者の数がともに前年より増加したほか、ドイツ国内外から22万8,000人のビジターが訪れるなど、国際的な見本市として注目度の高いイベントであることが証明されるかたちとなった。この成果が生まれた背景には、メッセ・ベルリン社が「CE業界におけるパートナーシップの強化」「トレードビジター、メディアとのコミュニケーションの強化」をそれぞれ図ってきたことが挙げられるとGoeke氏は説明している。またIFAがいま業界に期待されている役割については「マーケットのトレンドセッターとなることであり、イベントに参加した方々がグローバルネットワークを築くための中心的な存在になることだ。またクオリティ訴求のコンセプトを発信し続けることが大事」とコメントしている。
今年のIFA2010は、イベントの誕生以来「開催50回目」に当たるアニバーサリー・イヤーを迎える。本年の“3つのチャレンジ”として「不安定な経済成長下の中での継続的な成長」「IFA2009で残した成果の継続」とともに、「IFAの50回開催記念を成功に導くこと」が挙げられた。実質展示面積の目標については昨年から微増が見込まれているという。
IFA2010の出展内容に関連した新しい試みとして、注目を浴びつつある“iTech商品”と“コンテンツサービス”にハイライトを当てる特別展示「IFA iZone」を展開することが発表された。当展示スペースでは、アップルのiPodやiPadなど製品の他に、アクセサリー製品、アプリケーションやその他コンテンツサービスなどが幅広く集められた展示スペースが計画されている。
同じく特別展示スペースとして計画されている「IFA eLibrary」では、欧州でも注目度の高い“eBook”やタブレットPCによる新たなエンターテインメントがハイライトされる。デバイス、コンテンツの各メーカーによる展示や、eBookによる新たなライフスタイルが紹介される予定だ。
またコンシューマーエレクトロニクスに関連した画期的なアイデアとサービス、先進技術を紹介する「IFA TecWatch」のホールを拡張して、これまでよりも大規模にフォーカスしていくことも発表された。こちらでは主に裸眼3Dの表示技術や次世代のデジタルTV、ロボット、クラウド・コンピューティングのサービスなどが紹介される見込みだ。
オーディオ・ビジュアルのトレンド − 3D/ネットワークAV/エコロジー性能に関心
欧州のオーディオ・ビジュアル関連分野のトレンドについては、ドイツ民生通信エレクトロニクス協会(gfu)のボードメンバーであるRainer Hecker博士によるコメントが寄せられた。
Hecker氏は、IFA2010でハイライトされるである製品カテゴリについて「テレビは3D、コネクティビティ、IPTV機能と低消費電力技術のイノベーションに関心が集まるだろう。また引き続き画質を中心としたクオリティアップに期待しているユーザーも多い」とコメントする。欧州での3Dコンテンツの状況については、衛生放送局ASTRAが今年の5月からドイツで3Dのデモチャンネルをスタートさせることが発表された(関連ニュース)。またテレビとインターネットの融合による新たなサービスとして、Skype対応機への注目度が高まりつつあるという。
テレビのクオリティアップに関しては、欧州でもHDがスタンダードになったとし、今後マルチチューナー搭載機や、LEDバックライトや低消費電力技術、倍速表示やコントラスト技術による画質向上にもユーザーの関心が集まっていくだろう、としている。
その他、Blu-rayについては欧州でもパッケージタイトルが急速に増えてきており、BD-Liveのコンテンツ拡充と3Dが加わって行くことによって人気が過熱していくであろうという予測を示している。ホームネットワーク製品については、ワイヤレスやストリーミング視聴の新技術、並びにNASを介した新しいエンターテインメントなどにマーケットが期待を寄せている。さらにモバイルエンターテインメント製品については、スマートフォンやeBookリーダー、その他の多くの機能を統合したデジタルガジェットが注目されているという。
IFA2010についてHecker氏は「1924年の誕生以来、今年で50回目の開催までにIFAはCE業界に数々のマイルストーンを打ち立ててきた。今後もIFAを発信地点として多くのイノベーションが生まれることで、マーケットの成長を促す道しるべとなっていくはずだ。IFA2010が産業界、トレード、ユーザーやメディアにとって魅力的なイベントになることを約束したい」とコメントした。
ホームアプライアンスのトレンド − 快適&使いやすい製品、エコ性能に関心
ホームアプライアンス分野のトレンドについてはZVEI(ドイツ電機工業会)のReinhard Zinkann氏がコメントを寄せた。
IFA2008から従来のコンシューマーエレクトロニクスに、ホームアプライアンス(白物家電)の展示が加わり、IFAは成長を続けてきた。IFA2009では世界経済不況の中で、ホームアプライアンスの出展分野が大きな成果を上げ、その注目の度合いが一過性のものではなかったことを証明してみせた。Zinkann氏は「IFA2009では190近くの出展社がホワイトグッズを展示した。これは全体出展社の16パーセントを占め、展示面積では25パーセントに相当する記録だ。ホームアプライアンスは今IFAの来場者の関心を集める強力な“マグネット”となった。初めて加わった当初は“IFAにホームアプライアンスなんてあり得ない”という声があったことも確かだが、今や“ホームアプライアンスなしのIFAはあり得ない”と言えるだろう」とし、IFAがホームアプライアンス分野でのリーディングショーであることも強調した。
今年のハイライトとして期待する商品カテゴリーには「低消費電力性能」が挙げられている。欧州では洗濯機や食洗機のエコ性能が特に高まっており、近く欧州のエコロジー家電の評価基準に当たる「European Energy Label」が改定を迎えるにあたり、“エコ家電”への買い換え需要が見込まれるため、IFAに寄せられる関心も合わせて高まるはずであろうと説明している。また健康・美容家電や食品家電については簡単さと使いやすさの向上に注目が集まっており、時間の節約と低ノイズも評価の基準であるという。特徴豊かで機能性の高いデザインを備える製品も人気が高く、IFA2009でブレイクした「コーヒーマシーン」はいまだ人気が衰えないアイテムの一つとして紹介されている。
IFA2010のハイライト − アップル関連製品を集めた特別展示を計画
昨年開催された「IFA2009」のサマリーと、今年のイベントのハイライトに関するプレゼンテーションが報告された。
昨年は世界的な経済不況の最中で開催された「IFA2009」だが、期間中の受注総額、出展数・来場数ともにレコードを打ち立てたIFA2008の規模に迫る成果を残し、欧州のマーケットにその存在感を改めて示すかたちとなった。メッセ・ベルリン社COOのChristian Goeke博士は「IFA2010」に寄せられる大きな期待を受け、「世界のコンシューマー・エレクトロニクス市場の発展において、IFAが大役を担っていることを実感している。私たちはこの高い目標を、参加出展社の皆様やメディアの方々とともに、一緒に達成できるものという前向きな見通しを持っている」とコメントしている。
昨年開催された「IFA2009」は、実質展示面積が121,000m2を記録したほか、世界から1,164社が出展し、大いに賑わいを見せた。またトレードビジター、一般来場者、プレス来場者の数がともに前年より増加したほか、ドイツ国内外から22万8,000人のビジターが訪れるなど、国際的な見本市として注目度の高いイベントであることが証明されるかたちとなった。この成果が生まれた背景には、メッセ・ベルリン社が「CE業界におけるパートナーシップの強化」「トレードビジター、メディアとのコミュニケーションの強化」をそれぞれ図ってきたことが挙げられるとGoeke氏は説明している。またIFAがいま業界に期待されている役割については「マーケットのトレンドセッターとなることであり、イベントに参加した方々がグローバルネットワークを築くための中心的な存在になることだ。またクオリティ訴求のコンセプトを発信し続けることが大事」とコメントしている。
今年のIFA2010は、イベントの誕生以来「開催50回目」に当たるアニバーサリー・イヤーを迎える。本年の“3つのチャレンジ”として「不安定な経済成長下の中での継続的な成長」「IFA2009で残した成果の継続」とともに、「IFAの50回開催記念を成功に導くこと」が挙げられた。実質展示面積の目標については昨年から微増が見込まれているという。
IFA2010の出展内容に関連した新しい試みとして、注目を浴びつつある“iTech商品”と“コンテンツサービス”にハイライトを当てる特別展示「IFA iZone」を展開することが発表された。当展示スペースでは、アップルのiPodやiPadなど製品の他に、アクセサリー製品、アプリケーションやその他コンテンツサービスなどが幅広く集められた展示スペースが計画されている。
同じく特別展示スペースとして計画されている「IFA eLibrary」では、欧州でも注目度の高い“eBook”やタブレットPCによる新たなエンターテインメントがハイライトされる。デバイス、コンテンツの各メーカーによる展示や、eBookによる新たなライフスタイルが紹介される予定だ。
またコンシューマーエレクトロニクスに関連した画期的なアイデアとサービス、先進技術を紹介する「IFA TecWatch」のホールを拡張して、これまでよりも大規模にフォーカスしていくことも発表された。こちらでは主に裸眼3Dの表示技術や次世代のデジタルTV、ロボット、クラウド・コンピューティングのサービスなどが紹介される見込みだ。
オーディオ・ビジュアルのトレンド − 3D/ネットワークAV/エコロジー性能に関心
欧州のオーディオ・ビジュアル関連分野のトレンドについては、ドイツ民生通信エレクトロニクス協会(gfu)のボードメンバーであるRainer Hecker博士によるコメントが寄せられた。
Hecker氏は、IFA2010でハイライトされるである製品カテゴリについて「テレビは3D、コネクティビティ、IPTV機能と低消費電力技術のイノベーションに関心が集まるだろう。また引き続き画質を中心としたクオリティアップに期待しているユーザーも多い」とコメントする。欧州での3Dコンテンツの状況については、衛生放送局ASTRAが今年の5月からドイツで3Dのデモチャンネルをスタートさせることが発表された(関連ニュース)。またテレビとインターネットの融合による新たなサービスとして、Skype対応機への注目度が高まりつつあるという。
テレビのクオリティアップに関しては、欧州でもHDがスタンダードになったとし、今後マルチチューナー搭載機や、LEDバックライトや低消費電力技術、倍速表示やコントラスト技術による画質向上にもユーザーの関心が集まっていくだろう、としている。
その他、Blu-rayについては欧州でもパッケージタイトルが急速に増えてきており、BD-Liveのコンテンツ拡充と3Dが加わって行くことによって人気が過熱していくであろうという予測を示している。ホームネットワーク製品については、ワイヤレスやストリーミング視聴の新技術、並びにNASを介した新しいエンターテインメントなどにマーケットが期待を寄せている。さらにモバイルエンターテインメント製品については、スマートフォンやeBookリーダー、その他の多くの機能を統合したデジタルガジェットが注目されているという。
IFA2010についてHecker氏は「1924年の誕生以来、今年で50回目の開催までにIFAはCE業界に数々のマイルストーンを打ち立ててきた。今後もIFAを発信地点として多くのイノベーションが生まれることで、マーケットの成長を促す道しるべとなっていくはずだ。IFA2010が産業界、トレード、ユーザーやメディアにとって魅力的なイベントになることを約束したい」とコメントした。
ホームアプライアンスのトレンド − 快適&使いやすい製品、エコ性能に関心
ホームアプライアンス分野のトレンドについてはZVEI(ドイツ電機工業会)のReinhard Zinkann氏がコメントを寄せた。
IFA2008から従来のコンシューマーエレクトロニクスに、ホームアプライアンス(白物家電)の展示が加わり、IFAは成長を続けてきた。IFA2009では世界経済不況の中で、ホームアプライアンスの出展分野が大きな成果を上げ、その注目の度合いが一過性のものではなかったことを証明してみせた。Zinkann氏は「IFA2009では190近くの出展社がホワイトグッズを展示した。これは全体出展社の16パーセントを占め、展示面積では25パーセントに相当する記録だ。ホームアプライアンスは今IFAの来場者の関心を集める強力な“マグネット”となった。初めて加わった当初は“IFAにホームアプライアンスなんてあり得ない”という声があったことも確かだが、今や“ホームアプライアンスなしのIFAはあり得ない”と言えるだろう」とし、IFAがホームアプライアンス分野でのリーディングショーであることも強調した。
今年のハイライトとして期待する商品カテゴリーには「低消費電力性能」が挙げられている。欧州では洗濯機や食洗機のエコ性能が特に高まっており、近く欧州のエコロジー家電の評価基準に当たる「European Energy Label」が改定を迎えるにあたり、“エコ家電”への買い換え需要が見込まれるため、IFAに寄せられる関心も合わせて高まるはずであろうと説明している。また健康・美容家電や食品家電については簡単さと使いやすさの向上に注目が集まっており、時間の節約と低ノイズも評価の基準であるという。特徴豊かで機能性の高いデザインを備える製品も人気が高く、IFA2009でブレイクした「コーヒーマシーン」はいまだ人気が衰えないアイテムの一つとして紹介されている。