視聴方法や提供の詳細を発表
スカパー!が3D放送について会見 − 既存STBで視聴可能、サイド・バイ・サイド方式で配信
スカパーJSAT(株)は、本日発表した3D放送開始に関する会見を都内にて開催。放送の提供方法や視聴方法についてなどの詳しい情報が明らかにされた。
■秋山社長「スカパー!の強み活かし3D放送のリーディングカンパニーに」
会見は、同社代表取締役 執行役員社長の秋山政徳氏からの3Dビデオレターで始まった。「2010年は3D元年と言われている。CESでも各社から3Dテレビの本格的なビジネス展開が表明され、国内での販売もアナウンスされた。これから重要になってくるのは『どんなコンテンツが見られるのか』だと考える。ユーザーにせっかく買った3Dテレビを最大限活用してもらうためには、パッケージソフトだけではなく、放送で多彩な番組を提供することが必要。多数のチャンネルを持つスカパーはユーザーの役に立てるはずだ。3D放送といえばスカパー!HDだ、という言葉が一般化するよう、リーディングカンパニーとしてさまざまな取り組みを行っていきたい」と秋山社長は述べた。
「スカパー!は多数のチャンネルを持てるキャパシティがあり、3D専門チャンネルを立ち上げることが可能。既に3Dコンテンツ収録もいくつか進行中だ。3D普及を推進する中核カンパニーとしてさまざまな会社とパートナーシップを組み、3D元年を良い年にして業界の底上げを図り、今後の発展の足場となるようにしたい」と締めくくった。
■3D放送の詳細発表:スカパー!HDのSTBで視聴可能、録画もできる
続いて同社取締役 執行役員副社長の仁藤雅夫氏が登壇。3D放送の詳細についての発表がなされた。
放送開始時期についてはあくまで「今夏」とし、具体的な日程は明らかにされなかったが、「スカパー!HD」内の「スカチャンHD」に3D専門チャンネルを開設する方法を採ることを表明。「あるチャンネルのなかに2Dと3Dを混在させると視聴者にとって分かりやすくないと考えた」という。内容は「今月の3D番組」というようなスタイルで、月に2〜3本程度から配信していく予定だという。
料金については「有料、無料含めて検討中」とのこと。「ペイ・パー・ビューも考えられるし、セットやパックを購入した視聴者に特典のようなかたちで提供するのもアリだと思う」。
スカパー!HDと同じ衛星を使用するため、STBは既存のものを使用可能。スカパー!HD録画に対応した機器であれば3Dのまま録画もでき、3Dテレビで再生して楽しむことが可能とのことだ。
3D方式は「サイド・バイ・サイド」方式を採用。「BSkyBやDIRECTVなどでも採用されている方式。フルHDの半分の解像度にはなるが、放送として十分成り立つクオリティだと考えている」という。
コンテンツについては、サッカーや格闘技などのスポーツ、映画などさまざまなジャンルを予定。「スカパー!の特徴を最大限に活かすためには、ライブ性のあるものを3Dで送るのが良いと考えた。Jリーグなどスカパー!が独自調達しているものについて、3Dカメラで収録してコンテンツを制作する。そのほか放送事業者と連携し、3D番組を制作して放送する方法もあるだろう」(仁藤氏)。
なお同社ではすでに、2009年10月から試験収録を開始しているとのこと。ゴルフや格闘技、サッカーなどを3Dカメラで撮影している。撮影した3Dコンテンツは既に衛星での伝送デモンストレーションも行い、送受信可能なことを確認済みだという。
この試験収録を通じて同社は「単純に2Dカメラを3Dカメラに置き換えるだけではダメだと気づかされた」という。「3Dなら、サッカーであれば選手の位置関係が分かりやすいし、ゴルフであればコースの起伏や芝目など多くの情報を視聴者に提供できる。3Dならではの特徴を活かせる撮影方法があることを発見した」と語る仁藤氏。「新しい視点でスポーツやイベントの楽しさを体験していただけるコンテンツを制作していきたい」と抱負を語った。
■衛星の豊富な帯域と高クオリティ3D映像で新たなテレビ文化の創造目指す
「アバター」の日本での興業収入が70億円を突破するなど、3D映画が成功を収めている状況について、同社は『視聴者が3Dの価値を認めてお金を払っている、心強い状況』と見ているのだという。
「2009年夏に『センター・オブ・ジ・アース 3D』などをアナグリフ方式で放送した際、事前申込が必要にも関わらず多くの反響があった。家庭用3Dテレビの年内発売も表明されており、受信側の環境も整い始めている。既に多数の放送事業者と協力している我々は、バラエティある3D放送のラインナップを整えることができる。これはスカパー!HDの新たな付加価値にもなるだろう。そもそも3D放送はペイTV向きだと思う。視聴者と契約して番組を届けるということは、視聴者も3Dを見る心構えができているということ。3D放送ならではの面白さを訴求する番組を提供し、3Dという新しいテレビの見方を先頭に立って作っていきたい」と語った。
■Q&A
以下、会見で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.3D視聴によって健康上の問題が発生するという報道もある。これについてどのような対応を講じるのか。
A.体への影響は非常に注意しているところ。現在、専門家に意見をうかがっているところだ。具体策として、ひとつはガイドライン(飛び出し量の調整など)を定め、これに則りコンテンツ制作を行うこと、もうひとつは視聴者に対しての注意喚起(疲れたら視聴をやめるなど)を行うことを考えている。
Q.今夏の放送開始までに、3Dテレビはどのくらい普及していると考えているのか?
A.今夏の時点では、3Dテレビのある家庭はほとんどどないのではないか。しかし我々は数年単位のスパンで3D放送の定着を狙っている。例えば新しく発売された3Dテレビを家電量販店でデモする際の素材として使っていただくことも可能だ。これはスカパー!HDにとっても良いアピールの機会になると思う。
Q.3Dコンテンツを用意するための他社との協業は、どのようなことを考えているのか。
A.メーカーや制作会社との協業が不可欠。現在複数のキー局と協議中で、コンテンツづくりについて具体的にセッションしているところだ。
■秋山社長「スカパー!の強み活かし3D放送のリーディングカンパニーに」
会見は、同社代表取締役 執行役員社長の秋山政徳氏からの3Dビデオレターで始まった。「2010年は3D元年と言われている。CESでも各社から3Dテレビの本格的なビジネス展開が表明され、国内での販売もアナウンスされた。これから重要になってくるのは『どんなコンテンツが見られるのか』だと考える。ユーザーにせっかく買った3Dテレビを最大限活用してもらうためには、パッケージソフトだけではなく、放送で多彩な番組を提供することが必要。多数のチャンネルを持つスカパーはユーザーの役に立てるはずだ。3D放送といえばスカパー!HDだ、という言葉が一般化するよう、リーディングカンパニーとしてさまざまな取り組みを行っていきたい」と秋山社長は述べた。
「スカパー!は多数のチャンネルを持てるキャパシティがあり、3D専門チャンネルを立ち上げることが可能。既に3Dコンテンツ収録もいくつか進行中だ。3D普及を推進する中核カンパニーとしてさまざまな会社とパートナーシップを組み、3D元年を良い年にして業界の底上げを図り、今後の発展の足場となるようにしたい」と締めくくった。
■3D放送の詳細発表:スカパー!HDのSTBで視聴可能、録画もできる
続いて同社取締役 執行役員副社長の仁藤雅夫氏が登壇。3D放送の詳細についての発表がなされた。
放送開始時期についてはあくまで「今夏」とし、具体的な日程は明らかにされなかったが、「スカパー!HD」内の「スカチャンHD」に3D専門チャンネルを開設する方法を採ることを表明。「あるチャンネルのなかに2Dと3Dを混在させると視聴者にとって分かりやすくないと考えた」という。内容は「今月の3D番組」というようなスタイルで、月に2〜3本程度から配信していく予定だという。
料金については「有料、無料含めて検討中」とのこと。「ペイ・パー・ビューも考えられるし、セットやパックを購入した視聴者に特典のようなかたちで提供するのもアリだと思う」。
スカパー!HDと同じ衛星を使用するため、STBは既存のものを使用可能。スカパー!HD録画に対応した機器であれば3Dのまま録画もでき、3Dテレビで再生して楽しむことが可能とのことだ。
3D方式は「サイド・バイ・サイド」方式を採用。「BSkyBやDIRECTVなどでも採用されている方式。フルHDの半分の解像度にはなるが、放送として十分成り立つクオリティだと考えている」という。
コンテンツについては、サッカーや格闘技などのスポーツ、映画などさまざまなジャンルを予定。「スカパー!の特徴を最大限に活かすためには、ライブ性のあるものを3Dで送るのが良いと考えた。Jリーグなどスカパー!が独自調達しているものについて、3Dカメラで収録してコンテンツを制作する。そのほか放送事業者と連携し、3D番組を制作して放送する方法もあるだろう」(仁藤氏)。
なお同社ではすでに、2009年10月から試験収録を開始しているとのこと。ゴルフや格闘技、サッカーなどを3Dカメラで撮影している。撮影した3Dコンテンツは既に衛星での伝送デモンストレーションも行い、送受信可能なことを確認済みだという。
この試験収録を通じて同社は「単純に2Dカメラを3Dカメラに置き換えるだけではダメだと気づかされた」という。「3Dなら、サッカーであれば選手の位置関係が分かりやすいし、ゴルフであればコースの起伏や芝目など多くの情報を視聴者に提供できる。3Dならではの特徴を活かせる撮影方法があることを発見した」と語る仁藤氏。「新しい視点でスポーツやイベントの楽しさを体験していただけるコンテンツを制作していきたい」と抱負を語った。
■衛星の豊富な帯域と高クオリティ3D映像で新たなテレビ文化の創造目指す
「アバター」の日本での興業収入が70億円を突破するなど、3D映画が成功を収めている状況について、同社は『視聴者が3Dの価値を認めてお金を払っている、心強い状況』と見ているのだという。
「2009年夏に『センター・オブ・ジ・アース 3D』などをアナグリフ方式で放送した際、事前申込が必要にも関わらず多くの反響があった。家庭用3Dテレビの年内発売も表明されており、受信側の環境も整い始めている。既に多数の放送事業者と協力している我々は、バラエティある3D放送のラインナップを整えることができる。これはスカパー!HDの新たな付加価値にもなるだろう。そもそも3D放送はペイTV向きだと思う。視聴者と契約して番組を届けるということは、視聴者も3Dを見る心構えができているということ。3D放送ならではの面白さを訴求する番組を提供し、3Dという新しいテレビの見方を先頭に立って作っていきたい」と語った。
■Q&A
以下、会見で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.3D視聴によって健康上の問題が発生するという報道もある。これについてどのような対応を講じるのか。
A.体への影響は非常に注意しているところ。現在、専門家に意見をうかがっているところだ。具体策として、ひとつはガイドライン(飛び出し量の調整など)を定め、これに則りコンテンツ制作を行うこと、もうひとつは視聴者に対しての注意喚起(疲れたら視聴をやめるなど)を行うことを考えている。
Q.今夏の放送開始までに、3Dテレビはどのくらい普及していると考えているのか?
A.今夏の時点では、3Dテレビのある家庭はほとんどどないのではないか。しかし我々は数年単位のスパンで3D放送の定着を狙っている。例えば新しく発売された3Dテレビを家電量販店でデモする際の素材として使っていただくことも可能だ。これはスカパー!HDにとっても良いアピールの機会になると思う。
Q.3Dコンテンツを用意するための他社との協業は、どのようなことを考えているのか。
A.メーカーや制作会社との協業が不可欠。現在複数のキー局と協議中で、コンテンツづくりについて具体的にセッションしているところだ。