BHR400シリーズ発表会詳報
三菱電機、3DレーザーTV今夏投入や事業戦略を発表 - オールインワンの3D液晶TVも秋に投入へ
■テレビ事業は三菱電機の“顔”
発表会には、同社執行役副社長リビング・デジタルメディア事業本部長の中村一幸氏も出席。AV事業で売上が台数ベースで前年の2倍強となり損益も黒字となったことなどに触れながら、経営概要や今後の事業戦略を説明した。
中村氏はまず「2009年度、私が担当している家庭電器部門では3月の予想を上回る実績となった」とコメント。「2010年度は、売上高8,500億円、前年比103パーセントの伸びを目標に取り組んでいきたい」と語った。
また、家庭電器セグメントにおける事業分野別の売上高も発表。2009年度は8,246億円の売上中の23パーセントを家電事業が占めたことを明かし、その構成比を保ったまま2010年度は売上高を8,500億円まで成長させる計画であると説明する。
そして、2010年度の全社経営施策について「『真に強い三菱電機』を目指して着実な成長軌道へ回帰」「『強い事業をより強く』するための徹底した事業競争力の強化」「利益ある着実な成長戦略の推進と構造改革の加速」「『成長性』『収益性・効率性』『健全性』のバランス経営推進」の4点を挙げる。そして「従来からのバランス経営のスタンスは崩さず、少し成長性に重きを置いた二等辺三角形の事業強化を図っていきたい」とした。
さらに、AV機器を含む家電事業については「ユーザーニーズを的確に捉えた競争力有る商品の継続的開発」「コスト耐力強化による厳しい市場環境への対応」「ユニ&エコ チェンジ!」の推進による、『省エネ』、『環境』をテーマとする『オンリーワン商品』の開発」という3点の取り組みを行っていくと説明。液晶テレビでは、BD一体型視聴に向けたさらなる開発強化などを行っていくとした。
そしてAV事業について中村氏は「特徴ある商品を開発し、三菱電機の家電の顔としてのプレゼンスを高めていきたい」とコメント。こうした考えの下に、録画テレビのスペックおよびラインナップ強化や、3D対応テレビの投入、そしてホテルや学校など用途別提案の強化も行っていくと説明した。
また、テレビを取り巻く環境については前述の阿部氏も言及。「テレビ需要については、2009年度はエコポイントや地デジ買い替えで大きく伸びた。エコポイントが継続することなどもあり、2010年度も1,800万から1,900万台の需要が生まれると見ている」とコメントする。
そして、「全体需要の伸びに加えて、もうひとつ特筆すべき点がある」として、録画機能内蔵テレビが飛躍的に伸張したと説明。2007年度に5パーセントだった国内の構成比が、2010年度には25パーセントにまで伸びるという見込みを紹介した。
そして、薄型テレビの購入予定者のうち44パーセントが録画機能付きを検討しているという独自調査の結果も発表。今回発表した「BHR400シリーズ」がそうしたニーズに適したものであると改めてアピールした。
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.44パーセントが録画機能付きテレビの購入を検討しているという調査結果の話があったが、その調査時期などの詳細を教えて欲しい。
A.調査は2009年の年末までの時期でのものだ。実績の構成比などについては量販店の実売データをもとに算定している。そのほかの数字は控えさせて頂きたい。
Q.録画機能付きモデルではパナソニックが同様のモデルを発売してきたが、そうした他社製品との差別化のポイントはどこにあると考えているのか。
A.我々が選んだ道が正しかったのかなと非常に勇気付けられた。その中での差別化としては、我々の製品は2世代目で色々進化している点だ。オートターンやおすすめ音量、エコ性能などふんだんに盛り込んでおり、色々な差別化ができていると考えている。
Q.3Dモデルについて今年度の目標があれば教えて欲しい。
A.数量はまだ話できる段階にない。ただし今度発売するのはオールインワンタイプ。発表会でも説明したとおり、この市場が25パーセントの構成比になると予想している。そのうち、3Dはほかの録画非対応のものより構成比を上げたいと思っている。BHR400シリーズと匹敵するくらいの数量を狙っていきたい。
Q.3Dモデルの比率についてもう少し詳しく聞きたい。薄型テレビ全体の中で3Dテレビが占める比率がどうなっていくと考えているのか。
A.この春から見ると少ないが、秋からは本格化する。そこからの1年で見ると、2割程度の3D対応機が出ても不思議ではないと考えている。そのなかで、我々は先ほどの25パーセントという録画内蔵機の比率をさらに高めていきたい。
Q.テレビ自体で黒字化したということだが、数量ベースで見ると他社より少ない状況だ。今後テレビ事業をどのように家電のなかで位置づけていくのか。
A.ご存じのように、規模的には他社と一桁違う状況にある。従来から三菱ならでは、三菱はひと味違うという戦略を進めている。例えば今回のBHRシリーズに特化するなど、売れるマーケットを重点的に捉えて開発していきたい。テレビ事業は家電の顔、三菱電機の顔。絶対に黒字成長を続けて定着させていきたい。