「人生の中で一番大切なスピーチ」
「情報革命で人々を幸せにしたい」 - ソフトバンク孫社長が「新30年ビジョン」を発表
■30年後にはグループ8,000社に - 同士的結合でライフスタイルを革新
こうした300年後の予測の上に、孫氏は30年後の社会について改めて言及。CPUのトランジスタ数は人間の脳の10万倍である3,000兆個に、メモリ容量は32PB(ペタバイト)に、そして通信速度は3Pbpsに向上しているとし、「30年後の『iPhone 34』が3万円くらいだとして、楽曲が5,000億曲くらい収録できることになる。そしてそれが月々980円の通信費で手に入る(笑)」とコメントした。
そのほかにも、字幕翻訳機能付きメガネというアイディアを紹介したり、家電以外でも靴などの用品まで含めたあらゆるものがクラウドと融合するといった30年後の予測を披露。クラウドにあらゆる人類の英知、人工知能の知識が蓄積される時代になるとした。
しかしその一方で、「その中でソフトバンクが何か特定の製品やサービスを出すわけではない」ともコメント。「最も優れたテクノロジー、最も優れたビジネスモデルが世界中で生まれてくる。我々は彼らと一緒になって、同士としてやっていきたい」と30年後の同社ビジネスの展望を明かした。
その後、孫氏は企業の時価総額についてコメント。100年前、30年前、そして現在の企業時価総額ランキングを紹介し、その時代の人々が最も必要としている機能を提供していた会社が上位に来ていることを説明し、「30年後に人々に最も必要とされるものを提供する会社になっていたい」と語った。
なお、30年後の株価時価総額については、10位に入るために200兆円くらいが必要になるとの予想を披露。「今のソフトバンクの時価総額の70倍から80倍という計算だ。今日は株主の皆さんが大勢いらっしゃっているが、株を売るのを止めておこうと思ってもらえるだろうか(笑)」とコメントした。
続けて「特定のテクノロジーやビジネスモデルで300年もつという企業はなかなかない」とコメント。「ソフトバンクの一番のお家芸はこだわらないということ。ただひとつこだわるのは情報革命。そして人々を幸せにするということだ」と、情報革命で人々を幸せにするという理念を改めて強調した。
そして「世界で最も優れた企業とともにライフスタイルを革新していく」と、様々な企業とのパートナーシップを築いていく考えを披露。現在800ほどであるソフトバンクグループを、30年後には5,000社ほどのグループにしたいとした。
また、将来的な展望については後継者の育成についても言及。自らが校長として運営する後継者育成組織「ソフトバンクアカデミア」を来月に開講することを紹介した。
同組織については、約300人を入校させる予定で、30人程度は外部からの人間を迎え入れるという考えも発表。十数年かけて「孫正義2.0を作る」と語った。